ものづくり補助金平成25年度製造業神奈川県

「ころ」一筋60年以上、独自の技術で付加価値を高める

株式会社共栄製作所

この事例のポイント

  • 円錐ころは旋削加工でないと質の良い製品ができず、鍛造加工では品質が大手メーカーの求める水準に届かなかった。
  • 鍛造工程の設備導入に補助金を使った。
  • 鍛造加工で円錐ころを生産できるようになり、生産スピードが上がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社共栄製作所
所在地神奈川県 秦野市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数75人
資本金1,000万円
設立1955年

事業の背景

株式会社共栄製作所は、大型ベアリング用の「ころ」を創業以来一貫して製造している。ころには球面ころ、円筒ころ、円錐ころの3種類があり、長年大手メーカーへの納入を続けてきた。最近は注文が多く、工場をフル稼働させて生産している。国内にはころを製造する企業が少なく、鍛造加工で製造する企業はほとんどないとされる。一方で、より安価な海外製のころを仕入れる動きが顕在化してきている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力円錐ころは旋削加工でないと質の良い製品ができず、鍛造加工では品質が大手メーカーの求める水準に届かなかった。
  • 品質・精度鍛造加工では傷がついてしまうことがあり、品質が低かった。
  • 生産能力研磨工程が自社になく、メーカーの負担を減らして付加価値を高める余地があった。

やったこと

鍛造工程の設備導入に補助金を使った。傷をつけないようにする新しい供給装置と、傷に対応するための機能を付けた排出装置を導入した。これにより鍛造加工による円錐ころの生産が可能になり、生産スピードが上がった。平成24年から26年の補助金では、製造したころの研磨をするための設備を導入し、充実を図った。

加工機鍛造工程の供給装置(傷をつけない新しい供給装置)
加工機鍛造工程の排出装置(傷に対応する機能付き)
加工機ころの研磨設備

新しい製品・サービス:鍛造加工による円錐ころ

事業の効果

鍛造加工で円錐ころを生産できるようになり、生産スピードが上がった。研磨工程をかけられるころは球面ころに限られているが、今後は他のころにも広げる方針である。月産250万個の生産スピードと品質管理は強みとされている。今後は鉄道や発電所関連への展開を積極的に進める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来ころ一筋で、補助金を平成24〜27年度と4年連続で使い研磨・鍛造設備を段階的に導入しており、一貫した取組が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内にころ企業が少なく鍛造ころを手がける企業もほぼないと強みを示し、安価な海外製への対抗として品質訴求を掲げている。

  • 課題の認識と解決4

    鍛造は品質が低く旋削は時間がかかるという課題を、傷防止の供給装置と排出装置の導入で解決し生産スピードを上げたと書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    月産250万個の生産規模は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員75名で長年大手メーカーへ納入し工場をフル稼働させていると書かれ、体制はうかがえるが事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ころの品質と国産であること、鉄道や発電所関連への注力という顧客ターゲットと選ばれる理由が明示されている。

  • 事業化までの道筋3

    円錐ころの大型化や研磨の他ころへの拡大を構想段階として挙げているが、スケジュールや解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    鍛造で円錐ころを作る取組は技術的制約があり、同分野で高い品質や生産性を追求していることが読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    鉄道や発電所関連への展開は述べられているが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    補助金で鍛造工程と研磨工程を導入し生産スピードを上げたとあるが、投入額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    秦野市の本社を拠点に国産ころを製造する点は読み取れるが、地域の雇用や経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

研究開発を進め、さらに大きな円錐ころも製造できる体制を目指す。国産であることと品質を前面に出し、安価な海外製品に対抗していく。

  • 目標:月産250万個もの生産スピード

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。