ものづくり補助金平成25年度製造業新潟県

消費者ニーズに対応した薄切り沢庵真空パック製品の開発

株式会社増子

成果カットたくあんの厚さ 15mm→11mm

この事例のポイント

  • カットたくあんは15mmの厚さで、消費者から「厚すぎる」と評価されていた。
  • 発酵時に発生する炭酸ガスを抜くための加温工程で、加温を一定にできるジェットスチーマー方式の新規設備を導入した。
  • カットたくあんの厚さ 15mm→11mm。加温を一定にできるジェットスチーマーの導入により、たくあんらしい歯ごたえを保ったまま、薄いカットたくあんを製造できるよ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社増子
所在地新潟県 聖籠町
業種食料品製造業
設立1921年

事業の背景

増子は1921年創業のたくあんメーカーで、国産大根にこだわり、約5,000トンの原料を保存できる保管施設で熟成させている。主力は『一本物』だったが、核家族化や単身世帯の増加などにより半切り、ハーフサイズ、食べきりサイズの需要が増え、中でも包丁を使わずに食べられる『カットもの』の売上が伸びていた。一方で漬物業界は年々出荷額が減少し、2000年と比べて生産量は約4割減ったとも言われている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度カットたくあんは15mmの厚さで、消費者から「厚すぎる」と評価されていた。
  • 品質・精度カットたくあんを薄くすると加温時に熱がかかりすぎ、たくあん本来のポリポリした食感が損なわれる。
  • 生産能力既存のスチーマー設備は加温精度が低く、15mm以下の薄さのカットたくあんを製造できなかった。

やったこと

発酵時に発生する炭酸ガスを抜くための加温工程で、加温を一定にできるジェットスチーマー方式の新規設備を導入した。加熱精度が高く高気密性のあるジェットスチーマーにより、加温時のムラが解消され、たくあんらしい歯ごたえを保ったまま薄いカットたくあんを製造できるようになった。既存商品の半分の薄さである7.5mmのカットたくあんの商品化を目指した。販売価格と製造コストのバランスを調整し、最終的に11mmの厚さの新商品『ぱくうまだいこん』の開発に至った。

加工機ジェットスチーマー(加温を一定にできるジェットスチーマー方式の新規設備)

新しい製品・サービス:『ぱくうまだいこん』:従来15mmだった『カットもの』のたくあんを11mmまで薄くしてリニューアルした商品

事業の効果

  • カットたくあんの厚さ 15mm→11mm

加温を一定にできるジェットスチーマーの導入により、たくあんらしい歯ごたえを保ったまま、薄いカットたくあんを製造できるようになった。新商品『ぱくうまだいこん』はリニューアル前から販売数が約25%増え、クレームも少なくなったことから、消費者に好意的に受け入れられていると実感している。また、加熱精度の向上により製品の品質が安定した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    1921年創業のたくあん製造からの流れで、一本物からカット商品へ展開した経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    家庭消費のニーズ変化や大根の産地契約・保管施設に言及があるが、競争優位の根拠としての具体性は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    薄いカットたくあんが加温ムラで作れない課題を認識し、設備導入で解決した流れは読み取れるが計画の定量性は薄い。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上約25%増やクレーム減少の実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    15mmから11mmへ薄くした商品の価値や、スーパーで手軽に買えるリーズナブルな価格帯というターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    ジェットスチーマー導入と商品化の流れはあるが、スケジュールや課題解決の方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    薄切りたくあんの加温を安定させる設備で高水準の商品化を図った点はうかがえるが、市場の認知度や普及度の数値は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    漬物業界の出荷額減少や生産量約4割減に触れ、食卓変化への対応を述べるが、波及効果や雇用への言及はない。

  • 費用対効果3

    販売数約25%増とクレーム減少という効果は書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ジェットスチーマーによる加熱殺菌など安全面の貢献に触れるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    新潟県の加工用大根の産地を活かす点はうかがえるが、地域の雇用や成長への牽引は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後、食品製造業には今以上に安全性が求められると予想される。今回導入したジェットスチーマーは加熱殺菌といった安全面でも貢献できる。増子は2016年に食品安全の国際規格ISO22000を取得しており、今後も品質と安全面の価値を両立した事業展開をしていく。

事業者の声

気候変動などの影響で安定的な仕入れの難しさは増しています。安定供給のために、産地や生産者さんとの関係をさらに強化していきたいと思っています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。