ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

大型加工機導入による効率化の実現とダクト製造オンリーワンへの挑戦

有限会社谷口鉄工所

この事例のポイント

  • 1,800㎜×900㎜以上の大きな板は自社の加工機では加工範囲が足りず、材料を切断して製造し後から溶接しており、大きな板の注文に自社で対応できなかった。
  • 大型タレットパンチプレス機を導入した。
  • 曲線を形にしたダクトの製品化が可能になり、溶接のつなぎなしで大きな面積の一枚加工もできるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社谷口鉄工所
所在地富山県 富山市
業種金属製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数8人
資本金500万円
設立1973年

事業の背景

1973年の創業以来、空調ダンパー、ダクト、フランジ、鉄骨の製造を手掛け、板厚1.0〜3.2㎜の加工を得意としてきた。板厚1.6㎜以上の製品加工は富山県内では同社のみが手掛ける技術である。長年の経験に基づく技術で多くの取引先から信頼を得ており、新幹線駅舎や大型商業施設、公共施設などの建築物の商材製造を支えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力1,800㎜×900㎜以上の大きな板は自社の加工機では加工範囲が足りず、材料を切断して製造し後から溶接しており、大きな板の注文に自社で対応できなかった。
  • 納期・工程加工と溶接に時間とコストのロスが発生し、工期の短縮が課題だった。
  • 品質・精度立体曲線加工や細かいパンチング加工は外注に頼っており、品質の向上も課題だった。
  • コスト・採算打ち抜き後のバリを研磨機で取り除いていたため粉塵が発生して工場環境も悪化しており、ロスとコストの削減が必要だった。
  • 人手・技能従来の機械では加工中に機械につきっきりになる必要があり、他の作業と並行できなかった。
  • 新製品・新技術複雑な形状や厚い板、大きな板の加工にもスムーズに対応できるよう、これまでにないダクト製品の開発や提案が必要だった。

やったこと

大型タレットパンチプレス機を導入した。金型を複数設置したタレットに数値制御で任意の形状を打ち抜くことができる機械で、2,400㎜×1,200㎜までの大きな板をセットでき、加工と溶接にかかる時間ロスを大幅に削減して継ぎ目のない一枚物の製品を提供できるようにした。刃が確実に引き上げられる方式を採用し、刃が抜けなくなって製品を破損する問題を解消した。バリ潰し機能を備え、打ち抜き後のバリ取り工程を不要にした。設定すれば同じ製品を連続加工でき、加工中に他の作業を並行して行えるようになった。

加工機大型タレットパンチプレス機

新しい製品・サービス:今までできなかった曲線を形にしたダクト

事業の効果

曲線を形にしたダクトの製品化が可能になり、溶接のつなぎなしで大きな面積の一枚加工もできるようになった。バリ加工時間が短縮されてロスも減り、バリ潰し機能により従来の研磨工程がなくなったため、年間18万円相当の砥石コスト削減と時間換算で300時間の短縮につながり、粉塵による工場環境の悪化も解消された。同じ製品を連続加工でき、加工中に他の作業を並行できるようになり、県外からの問合せや受注も増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    空調ダクトなど板金加工の創業以来の技術を生かし、曲線加工の外注を内製化する方針が読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    富山県内で板厚1.6mm以上の加工を手掛けるのは当社のみ、他社で扱わない製品にも対応と具体的に書かれ、競争優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    加工と溶接の時間ロス、バリ研磨による粉塵・コストの課題を挙げ、年間18万円のコスト削減や300時間の短縮という効果が示されている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    年間18万円のコスト削減や300時間短縮の効果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    曲線加工ダクトや継ぎ目のない一枚物など製品の特徴は示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けの説明は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    県外受注に向けた輸送体制の確立が課題として挙がるが、遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    板厚1.6mm以上の加工を富山県内で当社のみが手掛けると明記され、同分野での高水準の差別化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    新幹線駅舎や公共施設の商材製造を支えるとあるが、波及効果や雇用創出の記述は乏しい。

  • 費用対効果4

    年間18万円のコスト削減と300時間の時間短縮という数字が示され、投資に対する効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    富山県内での地域需要への対応や県外展開が述べられるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

補助金事業の後、会社案内を作成しホームページをリニューアルして対外発信を強化した。今後は県内の需要に確実に応えるとともに、県外への対応について輸送体制の確立を含めて検討を進めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。