ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

最新塗装システム導入による高品質・高難度品への挑戦

宮越工芸株式会社

成果生産性は目標としていた5%アップを達成した。

この事例のポイント

  • 既存の自動静電塗装設備は設置から20年以上経過し、性能が最新機種に比べ格段に劣っていた。
  • 最新の塗装システムとして、自動静電塗装制御システム、小型乾式ブース、空間トリンイオンの3点を長江工場の塗装システムに設置した。
  • 生産性は目標としていた5%アップを達成した。塗りムラや埃による不良品が減り、生産性は目標の5%アップを達成した。

事業者のプロフィール

事業者名宮越工芸株式会社
所在地富山県 高岡市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数180人
資本金5,000万円
設立1950年

事業の背景

当社は高岡銅器の着色工場として1950年に創業し、アルミ建材の塗装を主力としてきた。売上構成はビル建材が40%、住宅建材が50%を占める。ビル建築業界はオリンピック関連で一部受注増があるものの全体としては低迷傾向にあり、住宅関連も消費税増税前の駆け込み需要が一段落したことや人口減少から先行きの不透明感が増している。客先の建材部品の調達先は海外へ急速に移り、国内企業への発注は小ロット・高品質・高難度品となる傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存の自動静電塗装設備は設置から20年以上経過し、性能が最新機種に比べ格段に劣っていた。
  • 品質・精度エアガンでの埃除去が不完全で、塗装時に埃が舞い上がり不良品の発生を防げていなかった。
  • 新製品・新技術高品質・高難度品への受注が増える中で、さらなる品質向上による他社との差別化が不可欠となっていた。

やったこと

最新の塗装システムとして、自動静電塗装制御システム、小型乾式ブース、空間トリンイオンの3点を長江工場の塗装システムに設置した。自動静電塗装制御システムは塗装ラインの完全自動化を目指すもので、塗料の噴出量を細かく調整し部材の形状を読み取って無駄なく塗装できる。小型乾式ブースは塗料のミストをフィルターに付着させて効率的に集め、塗料を加熱乾燥する前に塗膜を安定化させる装置で、形状に合わせた手拭き補正ができるようになった。空間トリンイオンは無風でイオンを発生させ、部材に付着した埃を取り除くシステムである。

加工機自動静電塗装制御システム
加工機小型乾式ブース
その他空間トリンイオン

事業の効果

  • 生産性は目標としていた5%アップを達成した。

塗りムラや埃による不良品が減り、生産性は目標の5%アップを達成した。生産工程の効率化と不良品の削減により、新たな販路開拓や受注増が期待されている。サッシなどの建築材料にとどまらず、自動車や鉄道車両などの輸送用機械、太陽光発電の架台、介護ベッドなどの医療用機械や部品でも受注拡大が見込まれている。乾式ブースの導入と循環水の微生物処理により環境負荷を軽減し、環境にやさしい企業としてのイメージ向上にもつなげていく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業から65年以上、アルミ建材塗装で国内トップクラスとされ、既存の塗装事業の延長として設備投資が位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ビル建材40%・住宅建材50%の売上構成、海外への調達移動、国内は小ロット高品質品が増えている状況が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    20年経過の旧塗装設備の性能不足と埃による不良を課題として示し、自動静電塗装などで解決する計画になっている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性の目標を5%アップとし、その達成も記載されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員180人、社長が業界団体の会長を務めることは書かれているが、補助事業の遂行体制についての記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    色調の均一性や耐候性を求める高品質品への対応と、塗りムラ削減による受注拡大の狙いが示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として新たな販路開拓や受注増が期待されるとあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    高品質・高難度品や色調均一性を求める高付加価値品への取組で、他社との差別化を図る内容と読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国内建材産業の雇用や需要への波及は述べられておらず、地域の伝統産業との関わりがわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    補助金額や付加価値額の増加は示されていないが、生産性5%アップと環境負荷低減の成果が書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    塗装ブースの循環水を微生物処理するなど環境面の工夫はあるが、デジタル技術の活用は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    太陽光発電の架台や鉄道車両などへの進出が見込まれるとあり、新分野進出がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    高岡銅器の伝統産業に関わる企業であることは書かれているが、地域の経済成長を牽引する具体的な記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新分野への市場拡大による受注拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。