ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

飛躍的な長寿命化を実現する超音波樹脂溶着用工具の開発及び製品化

トーノファインプレーティング株式会社

成果ホーンの耐久性(ショット数) 5,000ショット→43,000ショット

この事例のポイント

  • 超音波溶着に使うホーンは寿命が短く、わずか数千回の溶着で交換が必要だった。
  • 超音波ホーンに用いられるジュラルミンは、ホーン素材の8割を占める。
  • ホーンの耐久性(ショット数) 5,000ショット→43,000ショット。超音波ホーンへのコーティングにより耐久性が大幅に向上し、コーティングなしでは約5000ショットで変形していたものが、少…

事業者のプロフィール

事業者名トーノファインプレーティング株式会社
所在地茨城県 つくば市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数4人
資本金800万円

事業の背景

同社はブルーレイディスクなどの光ディスクやガラスレンズの金型への表面加工と金型作製を行い、DLC、特殊ニッケル合金メッキ、HPA-Dieの技術を持つ。超音波溶着は家電、通信機器、自動車などに採用され、今では産業製品のほとんどに使われている。一方、超音波ホーンは寿命が短く、わずか数千回の溶着で交換が必要だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力超音波溶着に使うホーンは寿命が短く、わずか数千回の溶着で交換が必要だった。
  • 新製品・新技術ホーン素材の超々ジュラルミンは直接DLCコーティングをすることが難しかった。
  • 品質・精度DLCコーティングの工程で空気中の繊維などがコンタミ(異物)となり、欠陥が出ることがあった。

やったこと

超音波ホーンに用いられるジュラルミンは、ホーン素材の8割を占める。超々ジュラルミンには特殊な前処理を施し、DLCコーティングを可能にした。DLCコーティングの工程では無塵化対策を徹底し、コンタミによる欠陥を著しく減少させた。DLC被膜厚を確認する測定装置と、欠陥の観察・測定を行う顕微鏡を導入し、欠陥の原因を解明して対策を施した。寿命検証では、コーティングをしないホーンは約5000ショットで先端形状が変形したが、コーティングを施したホーンは少なくとも4万3000ショット以上の耐久性が確認できた。

新しい製品・サービス:超音波溶着用ホーンの長寿命化を実現するコーティング処理

事業の効果

  • ホーンの耐久性(ショット数) 5,000ショット→43,000ショット

超音波ホーンへのコーティングにより耐久性が大幅に向上し、コーティングなしでは約5000ショットで変形していたものが、少なくとも4万3000ショット以上の耐久性が確認された。ホーンの交換頻度が減り、顧客が生産を行う際の生産効率は著しく向上する。無塵化対策と原因解明により欠陥発生率を90%以上下げることが可能となった。これによりコスト削減も図れる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    真空コーティングや特殊メッキを手がけ、金型表面加工を主力とする事業の延長として超音波ホーンのコーティングに取り組んだと読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    特許取得のアモルファス被膜や、欠陥発生率を90%以上下げた無塵化対策など自社の技術的強みがうかがえるが、市場動向との関係の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ホーンが1万ショット以下で変形する課題を特定し、5000ショットから4万3000ショット以上への耐久性向上という数字で解決の実効性を示している。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5000ショットから4万3000ショット以上への耐久性向上と、欠陥発生率90%以上減少という数値目標・成果が具体的に示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員4人の小規模体制で、クリーンブースや顕微鏡の導入など設備面の記述はあるが、人材や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車・通信・医療の市場と、スマートフォン筐体などでの利用実態が示され、顧客とニーズの裏付けが読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    医療分野への働きかけや市場拡大の見込みは書かれているが、中長期のスケジュールや検証の段取りは具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超々ジュラルミンへの直接DLCコーティングの困難を特殊な前処理で解決した点や、特許取得のアモルファス被膜など高機能化の具体が書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    自動車・スマートフォン・医療の産業製品で超音波溶着が広く使われ、今後も必要とされると述べられているが、波及効果の定量的な記述は薄い。

  • 費用対効果4

    ホーン寿命が数千回から4万3000ショット以上に延び、大幅なコスト削減と生産効率向上が見込めると具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献3

    超音波溶着の適用先拡大や医療分野への展開に言及があるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は具体的に示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    医療分野など市場拡大が見込める分野への展開がうかがえるが、日本経済の構造転換に結びつける記述はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

超音波溶着は自動車や通信(モバイル端末)で現在最も利用されており、今後も必要とされると見込まれる。医療分野はまだ大きな市場ではないが、今後の市場拡大が見込まれるとして働きかけを行っている。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。