ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

自社の製造技術を活用したオリジナルジェラートの試作開発、小ロット特化のOEM事業

川田食品株式会社

成果1日の生産個数 400個→1,000個

この事例のポイント

  • 手作業のカップ詰めなどで、1日あたり400〜500個しか製造できなかった。
  • 2014年9月にジェラート原材料製造機、ショックフリーザー(急速冷凍機)、充填機、カップシーラー、ドライアイス製造機の計5台を新規導入し、生産性、品質、衛生面の向上を図った。
  • 1日の生産個数 400個→1,000個。設備投資により一度の製造量と1日の生産個数が大きく増え、学校給食用や大手のOEM用の大量注文にも対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名川田食品株式会社
所在地富山県 氷見市
業種食料品製造業
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1921年

事業の背景

1921年に酒と食料品、雑貨の小売業「川田商店」として創業し、1947年にアイスクリームの製造・卸販売部門を設けた。1987年には富山県初のジェラートショップを富山市のショッピングセンター内に出店し、1998年から地域素材を生かした「ご当地ジェラート」の製造を始めた。自治体や企業が独自性をPRするため特産品を使った商品づくりが注目されており、小ロットから対応できる地場特産品ジェラートのOEMに需要があると見ていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業のカップ詰めなどで、1日あたり400〜500個しか製造できなかった。
  • 販路・情報発信大手には真似できない地域特産品のジェラートという新しい市場を開拓する必要があった。
  • 生産能力夏の繁忙期に注文と生産依頼が集中し、冬から春にかけて商品開発や試作を進める余裕が取りにくかった。

やったこと

2014年9月にジェラート原材料製造機、ショックフリーザー(急速冷凍機)、充填機、カップシーラー、ドライアイス製造機の計5台を新規導入し、生産性、品質、衛生面の向上を図った。OEM事業を広げるため、試作品の製作料金は受け取らず、依頼側が原材料費を負担する形で試作品を開発・製造し、検証用の試作品も無償で供与した。約1年の無償試作では約110種類の試作品を製造した。充填機の導入により、手詰め1日400〜500個だった生産量が1000個近くまで増え、一度の製造量も60から120に倍増した。

  • 加工機ジェラート原材料製造機ショックフリーザー急速冷凍機充填機カップシーラー
  • その他ドライアイス製造機

新しい製品・サービス:地場の特産品を使ったオリジナルジェラートの開発・小ロットOEM

事業の効果

  • 1日の生産個数 400個→1,000個
  • 一度に製造できる量 60→120

設備投資により一度の製造量と1日の生産個数が大きく増え、学校給食用や大手のOEM用の大量注文にも対応できるようになった。ショックフリーザーの導入で遠方への注文対応や即日出荷が可能になり、食品の安全や美味しさを守りながら作業効率の向上と廃棄ロスの削減も図れた。手作業だったカップ詰めの人件費を抑え、製造に充てていた時間を商品開発に回せるようになった。無償試作をきっかけに関西、中国、九州にも取引が広がり、特産品ジェラートを望みながら手を出せなかった企業や団体からの受注も増える見通しである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    大正10年創業、ジェラート製造に着手し地域素材の『ご当地ジェラート』を展開してきた経緯は読み取れるが、補助事業が経営戦略上どう位置づけられるかの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小ロット100個から受注し祭りやイベント用、地域特産品づくりで引き合いがあると記載。大手には真似できない地域特産品という新市場を狙う強みが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    夏の繁忙期に注文が集中する課題を明示し、冬から春の試作期間の確保を提案。課題認識と解決方向は具体的だが、高付加価値化の数値目標は薄い。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    初年度受注150件・売上3000万円、翌年受注200件・売上4000万円と目標数値が示されている。付加価値額や賃上げの目標ではなく売上中心である点が弱い。

  • 事業を進める体制3

    従業員20人(パート含む)、製造技術の蓄積は読み取れるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地場の特産品を使ったオリジナルジェラートという価値、ロット数やコストで踏みとどまっていた企業・団体にニーズがあったという裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作から生産転用、今後の農工商連携や相談業務への展開など方向性はあるが、遂行スケジュールや課題の解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ジェラートの製造で同分野の中で地域特産品を使う独自性を追求し、大手に真似できない市場を開拓したと記載。高付加価値化の方向性が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域発展への寄与、地場産品の活用、農工商連携による地域の特産品づくりへの貢献は書かれているが、雇用や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    機械5台導入で一度の生産量が60Lから120Lに倍増、手詰め400〜500個が約1000個へと具体的な生産性向上数値が示されている。費用対効果の金額比較はない。

  • イノベーションへの貢献2

    急速冷凍機による遠方注文対応や即日出荷、充填機の導入など設備活用は書かれているが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    地場の特産品を使った商品開発で地域発展に寄与し、農産物を活用した農工商連携による地域特産品づくりを目指すと具体的に記載されている。

今後の展望

手作り感を大切に小ロットにも対応しつつ、本格始動したOEM事業を柱に据える。初年度は受注150件・売上3000万円、翌年度は受注200件・売上4000万円を目指し、今後はインターネット等での情報発信で販路を広げたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。