ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

電気自動車向けエンジンモーター用非接触形ゼンマイの生産技術開発

東洋ゼンマイ株式会社

この事例のポイント

  • 電気自動車向けなど、今後需要が見込まれる非接触形ゼンマイを生産するための、高度な製造ノウハウと設備が不足していた。
  • 2014年夏、補助金によってコンピューター制御のばね成形機を導入した。
  • 成形機の導入により、高精度な非接触形ゼンマイの生産体制が整い、2015年秋から自動車用非接触ゼンマイの製造を本格化させた。

事業者のプロフィール

事業者名東洋ゼンマイ株式会社
所在地富山県 黒部市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数46人
資本金9,980万円
設立1930年

事業の背景

当社は鋼帯やゼンマイ、薄板ばね、プレス部品の製造・販売を行い、ゼンマイが主力で売り上げのおよそ80%を占める。ゼンマイの専業メーカーといえる企業は全国でも5社程度と非常に珍しい。自動車や家電製品などでゼンマイの用途が広がり、電気自動車でも車体の軽量化の要請からゼンマイの活躍の場が広がると考えられている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術電気自動車向けなど、今後需要が見込まれる非接触形ゼンマイを生産するための、高度な製造ノウハウと設備が不足していた。

やったこと

2014年夏、補助金によってコンピューター制御のばね成形機を導入した。この機械は100分の1ミリ単位、もしくはそれ以上に精密な加工が可能な機種である。成形機にアンコイラーや高周波誘導加熱装置などの各種ツールを付加し、その後も試作品の検証を重ねた。導入当初は操作方法が従来設備と異なり戸惑いがあったが、研修や勉強会、実践でのトライ&エラーを通じて習熟した。さらに2015年秋ごろから自動車用非接触ゼンマイの製造を本格化させ、その後同じ成形機を1台追加購入した。

加工機コンピューター制御ばね成形機
その他アンコイラー
その他高周波誘導加熱装置

新しい製品・サービス:電気自動車向けエンジンモーター用非接触形ゼンマイ

事業の効果

成形機の導入により、高精度な非接触形ゼンマイの生産体制が整い、2015年秋から自動車用非接触ゼンマイの製造を本格化させた。現在は月に2万~3万個のペースで生産・納入しており、ここまでの過程は順調といえる。生産量を保ちつつ新たな製品開発を進められる環境が整い、今後の開発・生産体制構築の道筋もついた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業1930年以来のゼンマイ製造ノウハウや売上の約80%を占める主力である点から、既存事業との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    電気自動車の車体軽量化需要や非接触形ゼンマイの用途拡大に触れ、専業メーカーが全国で5社程度と述べる。強みの裏付けは限定的。

  • 課題の認識と解決3

    従来の製造に加え、コンピューター制御の成形機を導入し非接触形を量産する課題解決の方向性が示されている。数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    現在月に2万~3万個のペースで生産・納入しており、100分の1ミリ単位の精密加工が可能と具体的に示されている。付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    研修や勉強会、トライ&エラーで従業員が習熟したと記載があるが、体制や人材の人数などの具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    電気自動車向けの軽量化ニーズや自動車用非接触ゼンマイの本格生産など顧客の用途は示されるが、ターゲットの定量的な裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    成形機の導入、試作検証、2台目の追加購入、新形状の開発計画など段階的な進め方は示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    非接触形ゼンマイは従来より巻き数が少なく、電気自動車用途で同分野の高付加価値化を図っている点が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    電気自動車の普及やゼンマイの用途拡大に触れるが、国が補助する積極的な理由(雇用や波及効果)は明確に書かれていない。

  • 費用対効果2

    成形機導入で生産量を保持しつつ新製品開発の環境が整ったとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    コンピューター制御の成形機導入は見られるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体のイノベーションへの言及は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    電気自動車など今後の成長分野へのゼンマイ用途の展開が述べられており、分野転換の方向性はうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    富山県の電気料金の安さや鋼帯製造の競争力に触れ、地域の特性を活かす事業であることがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はさらに生産量を増やし、当社の製品ラインナップにおける同製品の存在感を高めたい。ゆくゆくは売り上げの3、4割を占めるレベルにしたいと考えている。成形機を使った新しいゼンマイ形状の開発も積極的に進める。

  • 目標:現在は月に2万~3万個のペースで生産・納入している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。