ものづくり補助金平成25年度建設業富山県

宅地防災に関わる簡便で低コスト・高精度な地盤調査

株式会社東城

成果全自動SWS試験機のトルクを約2倍に高める

この事例のポイント

  • スウェーデン式サウンディング試験は貫入能力が低く、レキやガラがあると貫入障害を起こし、固い地盤に達して貫入不能となる場合もある。
  • 全自動SWS試験機「ウルトラサーチUR-3型」のトルクを約2倍に高める改造を施して削孔能力を向上させ、各種ドリルツールや治具を用いて密な砂や硬質な粘性土、薄い礫層を貫通できるよう…
  • 全自動SWS試験機のトルクを約2倍に高める。SWS試験機の削孔能力が向上し、密な砂や硬質粘性土、薄い礫層も貫通できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東城
所在地富山県 魚津市
業種総合工事業
従業員数40人
資本金4,000万円
設立1953年

事業の背景

東城建設株式会社は1953年創業で、林道整備や地滑り対策工事、治山・砂防工事、電源開発関連工事、都市土木などに携わってきた。昭和60年代から総合建設業として多角化し、地質調査・測量部門の強化を経て建築部門へ本格参入した。2002年度からは土壌・水・大気の環境計量分野にも進出している。宅地防災の観点から従来より高精度な地盤調査が求められる中、ボーリング調査に比べて安価で手軽なSWS試験が住宅地盤調査で一般的に用いられている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度スウェーデン式サウンディング試験は貫入能力が低く、レキやガラがあると貫入障害を起こし、固い地盤に達して貫入不能となる場合もある。
  • 品質・精度土質判定は貫入時の音や測定者の感覚によるため大まかな区分しかできず、正確な地盤データが十分に得られないことがある。
  • コスト・採算従来の調査より高精度な調査が求められるが、ボーリング調査を追加すると費用がかさむ。

やったこと

全自動SWS試験機「ウルトラサーチUR-3型」のトルクを約2倍に高める改造を施して削孔能力を向上させ、各種ドリルツールや治具を用いて密な砂や硬質な粘性土、薄い礫層を貫通できるようにした。空圧による高精度な荷重制御により、軟弱な自沈層の土質性状の変化を詳細に把握できるようになった。液状化調査で必要な土質試験試料の採取や地下水位の測定にも専用ツールで対応した。超軽量・小型自走式パーカッションドリル「zekeR特殊仕様」は、ドリルヘッド部を開閉可能に改造し、通常のボーリング同様の原位置試験を可能にした。機体重量500kg・機械幅60cmに留めて運搬コストを抑え、狭小地への搬入を容易にした。ウォータースイベルを装着して湿式のロータリーボーリングも可能にし、コーンプーリー増設や標準中~大型動的貫入試験への対応も行った。

加工機全自動SWS試験機 ウルトラサーチUR-3型 特殊仕様
加工機超軽量・小型自走式パーカッションドリル zekeR 特殊仕様
その他ウォータースイベル

新しい製品・サービス:マルチプル サウンディング(SWS試験を中心に動的回転式サウンディング試験機などを組み合わせた地盤調査サービス)

事業の効果

  • 全自動SWS試験機のトルクを約2倍に高める
  • 機体重量500kg・機械幅60cmに留めた
  • 機体重量500kg・機械幅60cmに留めた
  • 動的回転式サウンディング試験でN値20まで測定可能

SWS試験機の削孔能力が向上し、密な砂や硬質粘性土、薄い礫層も貫通できるようになった。軟弱層では土質変化を詳細に把握でき、液状化調査の試料採取や地下水位測定も可能になった。小型で運搬コストを抑え狭小地へも搬入しやすくなり、ボーリング同等の原位置試験も行えるようになった。マルチプルな視点で地盤調査をシームレスに提供でき、建築・土木・環境など幅広い分野への適用が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    会社概要で地滑り・砂防工事や地質調査で実績を重ねたことは読めるが、今回の機器導入と経営戦略の一貫性は明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    従来SWS試験の貫入障害や判定の曖昧さといった課題を挙げ、ボーリングより安価な手法を強みとしているが、市場動向の数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    SWS試験のトルクを約2倍に高める改造や空圧荷重制御による高精度化など、課題に対応した具体的な改善策が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、事業化後の数値目標はうかがえない。

  • 事業を進める体制3

    ボーリング技術や地質調査の業歴、従業員40人と記載があるが、補助事業の遂行体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    宅地防災や狭小地対応など顧客ニーズを挙げ、マルチプルサウンディングとして選ばれる理由を示している。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として汎用性や新手法の研究継続は述べられているが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ボーリングと比べた安価なSWS試験の改良という位置づけは読めるが、市場の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    宅地防災や地盤調査の社会的必要性は示されるが、雇用や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    ボーリング追加より費用がかさまない点は示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ファイバースコープ撮影やマルチプルな調査手法などデジタル寄りの工夫は読めるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    富山県の地域企業であることはうかがえるが、地域の雇用や経済成長への牽引効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業で構築した地盤調査サービスは汎用性が高く、建築分野だけでなく土木分野や環境分野など幅広い分野での適用が期待される。経済性、安全性、ロハス志向など多様化したユーザーニーズに応え、ユーザー各々の御用達となることを目指す。今後も新しい調査手法の研究・開発を継続していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。