ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

奇跡の織物「しけ絹」と現代のライフスタイルをつなぐ高付加価値シルク商品の製造・販売

株式会社松井機業場

成果生産効率 1倍→4倍

この事例のポイント

  • 昭和40年代から和服離れや和風住宅の減少が進み、絹織物は徐々に縮小して伝統産業衰退の危機を感じていた。
  • 平成21年にインテリア用品の問屋からしけ絹によるシェードの製造を勧められ、ものづくり補助金を申請してシェードの開発を進めた。
  • 生産効率 1倍→4倍。ボイラーと温度調節機械の導入により、染色の生産効率は約4倍に高まった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社松井機業場
所在地富山県 南砺市
業種繊維工業
技術分野製造環境
従業員数7人
資本金3,200万円
設立1947年

事業の背景

城端の絹織物は約430年前に始まったと伝えられ、松井機業は創業以来しけ絹を織り続けている。現在、富山県内でしけ絹を製織しているのは同社のみである。昭和40年代から和服離れや和風住宅の減少で絹織物は縮小し、伝統産業の衰退が懸念されていた。このため生地の納品だけでなく、しけ絹を生かしたインテリア商品や内装材の開発に力を入れていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他昭和40年代から和服離れや和風住宅の減少が進み、絹織物は徐々に縮小して伝統産業衰退の危機を感じていた。
  • 生産能力これまでの柴色作業は温度計を見ながら手作業で行っており、生産効率が低かった。
  • 生産能力インテリア商品の販路が全国に広がる中で、しけ絹の製造と併せて効率的に生産・供給できる体制を整える必要があった。
  • 品質・精度一般的な精練工程ではセリシンを取り除くため、しけ絹の丈夫さや紫外線への強さを十分に生かせていなかった。

やったこと

平成21年にインテリア用品の問屋からしけ絹によるシェードの製造を勧められ、ものづくり補助金を申請してシェードの開発を進めた。精練せずに低温で染色する製造技術を習得し、セリシンを残すことで特性を高め、より丈夫なしけ絹を生み出した。これまで温度計を見ながら手作業で行っていた染色について、ボイラーと温度調節機械を導入した。研究用の試験染色機で温度や染料、薬品濃度などのデータを集め、朱色に最適な数値を探った。そのデータを基に無地染めの試作を行い、納得できる品質に到達した。ぼかしやグラデーション模様の染色にも取り組んでいる。

新しい製品・サービス:しけ絹を使った窓周りのインテリア商品(シェード)

事業の効果

  • 生産効率 1倍→4倍

ボイラーと温度調節機械の導入により、染色の生産効率は約4倍に高まった。精練せずに低温で染色する技術により、セリシンが残り、より丈夫で紫外線にも強いしけ絹が生み出された。染色の試作によって無地染めの品質が安定し、ぼかしやグラデーション模様の染色にも取り組めるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    明治10年創業以来しけ絹を織り続け、しけ絹紙の製造や一貫生産を行ってきた経緯が具体的に書かれ、事業の一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    しけ絹は富山県内で同社のみが製織と書かれ強みはうかがえるが、市場動向との関係や弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    和服離れによる絹織物縮小という課題を認識し、インテリア商品開発へ転換したと書かれ、課題と解決の方向は具体的に読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産効率が約4倍になったとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    従業員7人で、大学教授の指導や百貨店展示など外部連携は書かれるが、補助事業を遂行する体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    絹の紫外線防止や乾燥防止という特性、ホテル・旅館等が顧客ターゲットと書かれ、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として窓周り商品やホテル等への需要が書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    しけ絹は富山県内で同社のみが製織するとされ、丈夫で紫外線に強い製法を確立し高付加価値化を図っている点が読み取れる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    伝統産業の再興や地域の繊維産業に触れるが、雇用創出や波及効果の数値は書かれておらず、わずかにうかがえる。

  • 費用対効果2

    生産効率が約4倍と書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    インテリア分野への進出で構造転換に触れるが、市場成長の裏付けや経済社会の変化との関係は具体的に書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    南砺市城端の伝統的絹織物を活かし、インテリア商品で高付加価値を生み、地域の繊維産業の再興を期すと具体的に書かれている。

今後の展望

独特のハリや風合いを保ちながら機能性を高めたしけ絹を、シェードを中心とした窓周り商品に活用していく。インテリアにこだわりを持つホテルや旅館、リゾート施設を中心に幅広い需要が見込まれている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。