ものづくり補助金平成25年度製造業石川県

椅子・ソファ再生マーケットの推進

株式会社 エフラボ

成果生産性 1倍→3倍

この事例のポイント

  • 椅子・ソファの張替・修理は職人の手作業に頼る工程が多く、ライン生産で新品を作るより技術的に難しいため、多くのメーカーが椅子再生を積極的に行っていない。
  • アパレル業界で使われているCAD-CAMシステムを椅子生地用にカスタマイズして導入した。
  • 生産性 1倍→3倍。CAD-CAMシステムの導入により、型取りから裁断までを一貫してデジタル化でき、職人技術の約半分をデジタル化できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 エフラボ
所在地石川県 七尾市
業種家具・装備品製造業
従業員数38人
資本金500万円
設立2007年

事業の背景

当社は業務用の椅子を中心に、一か月で約3,000脚を新品同様に生まれ変わらせている。地元七尾市で繊維や建具、大工などの職人を募集し、長年培った椅子再生の技術を次世代に伝えている。国内では人口減少と高齢化、資源の枯渇が進み、新しい椅子やソファを必要とする以上に既存品の修理・張替を望む市場が存在すると考えられる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術椅子・ソファの張替・修理は職人の手作業に頼る工程が多く、ライン生産で新品を作るより技術的に難しいため、多くのメーカーが椅子再生を積極的に行っていない。
  • 新製品・新技術既存品の修理・生地張替を望む市場は新品の市場と同等規模で存在すると考えられるが、家具業界でその需要に応える新しい市場が開拓されていなかった。
  • 生産能力型取り・パターン作成と裁断は従来職人が透明フィルムへの複写やはさみでの裁断、現物への被せ調整などで手作業しており、大量の受注に対応しにくかった。

やったこと

アパレル業界で使われているCAD-CAMシステムを椅子生地用にカスタマイズして導入した。従来職人が手作業で行っていた型取り・パターン作成と裁断業務を機械化し、作成したデータで裁断まで一貫して行えるようにした。これにより職人技術の約半分をデジタル化できた。高級感のある大きな柄生地の柄合わせや、取り寄せに時間のかかる海外生地についても、ミスなく短時間で効率よく進められるようになった。100台以上ある大きな現場の張替の仕事も受注できるようになった。

ソフトCAD-CAMシステム(椅子生地用にカスタマイズ)

新しい製品・サービス:椅子・ソファの張替・修理、新規椅子・ソファのOEM生産、特注椅子・家具の新規製作

事業の効果

  • 生産性 1倍→3倍
  • 効率よく今あるものを再生することで、コスト削減(新品の6〜7割)ができ

CAD-CAMシステムの導入により、型取りから裁断までを一貫してデジタル化でき、職人技術の約半分をデジタル化できた。生産性は3倍近く向上し、柄合わせや海外生地の対応もミスなく短時間で行えるようになった。100台以上の大きな現場の張替も受注できるようになり、新品の6〜7割のコストで椅子を再生できるようになった。有名ホテルとの直接取引も可能になりつつある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例では椅子再生事業に取り組む経緯は書かれるが、過去の取組との連続性や経営戦略上の位置付けまでは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    137の協力工場、一か月約3,000脚の実績、大手ホテルとの直接取引など自社の強みと市場機会が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    職人の手作業が多く新品より難しいという課題は示されるが、高付加価値化・成長に向けた具体的な計画の流れは薄い。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性が3倍近く上がり、新品の6〜7割のコストで提供できると数字で示され、目標の根拠が読み取れる。

  • 事業を進める体制4

    従業員38人、敷地約3,000坪・建物約1,200坪の工場、職人を地元から募集している体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは大規模現場やホテルで、コストと納期の短さ、柄合わせの精度が選ばれる理由として具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    技術継承や市場底上げの方向は示されるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決方法の記載はうかがえない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    椅子の張替・修理市場は一般的な普及度が低く、CAD-CAMを用いた型取り・裁断の革新的施工方法を確立している点が書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    SDGsや資源循環、地域活性化、技術継承への寄与が書かれているが、国が補助する理由としての定量的な波及効果は示されていない。

  • 費用対効果3

    生産性3倍近く、コスト新品の6〜7割と効果は示されるが、補助金額に対する費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD-CAMを椅子生地用にカスタマイズした点は示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は限定的に読み取れる。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    大量生産・大量消費から再生して使う価値観への移行という成長分野への進出が述べられるが、構造転換との関係は具体的でない。

  • 地域経済への波及4

    七尾市の職人を募集し地域の技術継承と活性化に寄与すると述べられ、地域特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

SDGsの潮流から「再生して使う」価値観が広がるとみており、東京オリンピック、大阪万博、インバウンド需要を捉えて、全国にある137の協力工場と共に椅子の張替・修理市場の底上げを図りたいと考えている。また、椅子再生を通じて地域活性化と若手職人への技術継承にも取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。