ものづくり補助金平成25年度製造業千葉県

和室建具と枠材のセット納品に必要な技術構築

ハリマ産業株式会社

成果日産邸数 5邸/日→15邸/日

この事例のポイント

  • 和室建具は枠との間に隙間が生じ、従来は建具を削るか調整具を付けて合わせていたため、強度低下や美観の低下が起きていた。
  • 職人の経験と勘、およびメモ等を数値化してCAD図面を作成し、微調整と確認を繰り返して入力データとした。
  • 日産邸数 5邸/日→15邸/日。職人技を数値化してCAD図面とNCプログラムに反映させたことで、一般工員でも高精度な製造ができるようになり、品質の均一…

事業者のプロフィール

事業者名ハリマ産業株式会社
所在地千葉県 松戸市
業種家具・装備品製造業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数37人
資本金1,000万円
設立1984年

事業の背景

和室建具業界は千年の歴史の中で分業化が進み、枠材業者と建具業者の間にはほとんど交流がなく、問題解決のための摺り合わせが非常に困難な状況だった。当社は枠と建具のセット製造に着目し、ビジネスチャンスと捉えて取り組んできた。当社の主力顧客は大手ハウスメーカーで、平成27年度の売上高は4億2,500万円だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度和室建具は枠との間に隙間が生じ、従来は建具を削るか調整具を付けて合わせていたため、強度低下や美観の低下が起きていた。
  • 人手・技能枠と建具をセットで製造するには熟練職人の技が必要で、手作業では均一性がなく生産性も低かった。
  • 品質・精度手作業の品質にばらつきがあるため、主力顧客である大手ハウスメーカーの求める品質に応えきれないでいた。

やったこと

職人の経験と勘、およびメモ等を数値化してCAD図面を作成し、微調整と確認を繰り返して入力データとした。NC機器を導入し、メーカーのトレーニングを受講したうえで付属の刃物を使って試運転を行い、操作習熟のための試運転も実施した。ノミや電動ハンドツールによる手加工をNC機器による加工へ置き換え、丁番の選定と2×4住宅のパターン設定を行った。職人の加工データを反映したNCプログラムを開発し、試作品ではNC切削で小口部分にバリが出たため対処方法を確立した。枠材の小口加工はNCより従来の鋸刃加工の方が能率と仕上がりが良いことが分かった。評価では大手ハウスメーカー承認の図面と実物および入力データを摺り合わせ、金物の開口部は金物メーカーの図面と摺り合わせた。

加工機NC機器
ソフトCAD

新しい製品・サービス:敷居調整レール

事業の効果

  • 日産邸数 5邸/日→15邸/日

職人技を数値化してCAD図面とNCプログラムに反映させたことで、一般工員でも高精度な製造ができるようになり、品質の均一化と生産性の向上を達成した。作業は職人にしかできないものから一般工員でも行えるものに置き換わり、生産性は約3倍になった。工場内の分業が徹底して加工のスケジュールが円滑になり、枠と建具のセット納品によりトラックの搬入も一度で済むため、CO2削減と近隣住民の負担軽減にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    分業が進んだ和室建具業界で枠と建具を両方製造する取組と記載があり、事業の一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は限定的。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    枠と建具のセット製造は当社だけという競争優位性と、大手ハウスメーカーの求める品質への対応が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    品質の不均一と生産性の低さという課題を認識し、NC機器導入で日産5邸から15邸へ増やす具体的な効果が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    日産5邸分から15邸分へ、生産性が約3倍になると数値で目標と成果が示されており、実現性も確認できる。

  • 事業を進める体制3

    メーカーのトレーニング受講や社内体制の変化は書かれているが、人材や事務処理能力の確保について具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手ハウスメーカーからの要望やクレーム削減の声、洋室ドアの例を挙げ、ニーズの裏付けと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作での小口バリ対処や鋸刃加工との比較など課題解決の経過は書かれているが、中長期のスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    和室建具は和室減少で普及が低下している分野とされ、セット販売の独自性は示されるが、数値での高付加価値化は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    和室文化の継承や地域の住宅事情への対応が挙げられているが、雇用や波及効果の定量的な記述は少ない。

  • 費用対効果3

    生産性が3倍になるなどの効果はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加額の記載がなく費用対効果は判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献3

    NC機器の導入とCAD図面化で数値化を進めた点は示されるが、サプライチェーン全体への貢献は限定的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    和室建具業界の分業構造を変える取組とうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    松戸の稔台工業団地で事業を行う地域企業であることは書かれているが、地域経済の成長への寄与は詳しく書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

枠と建具のセット販売は和室建具業界では画期的であり、和室建具のセット販売を展開できる住宅は幅広いと見込んでいる。経年劣化による建付不良を想定して開発した敷居調整レールの付加価値も高まると考えている。今後も品質とサービスの両面で努力を続ける方針である。

事業者の声

「家を買ってくれるお客様からのクレームを1件でも少なくしたい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。