ものづくり補助金平成27年度製造業香川県

製造革新戦略に基づいた高品質家具の実現による新たなブランドの構築

株式会社綾野製作所

成果工程数 15工程→11工程

この事例のポイント

  • 建材ルートなど手間のかかる販路にも商品を提供するには、さらなるコストダウンと価格競争力の強化が必要だった。
  • NCボーリングマシンを導入し、旧マシンに比べて高速加工を実現するとともに、加工精度を保証できるようにして製品品質の向上に努めた。
  • 工程数 15工程→11工程。工程削減と生産時間27%短縮により製造完了日の予測がたてやすくなり、納期回答の正確度が上がって納期厳守面での信用が高ま…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社綾野製作所
所在地香川県 丸亀市
業種家具・装備品製造業
技術分野機械制御,精密加工,製造環境,立体造形
従業員数125人
設立1962年

事業の背景

新築住宅需要は飽和状態にあり、家具は大量生産品が中心で低付加価値製品が多い。弊社は通常月に製造余力がある一方、限界生産率が40%近くある商品は販売台数の増加が不可欠となっている。主力は高価格帯のダイニングボードで、評価No.1のブランド力を背景に、家具だけでなくリフォーム市場の建材ルートへの販路拡大を目指していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算建材ルートなど手間のかかる販路にも商品を提供するには、さらなるコストダウンと価格競争力の強化が必要だった。
  • 生産能力激化する業界競争に打ち勝つため、販売コストの柔軟性を高め、販売現場で推奨販売を促進する必要があった。
  • 新製品・新技術リフォーム需要に取り組み、多様化するお客さまのニーズに応える必要があった。
  • 人手・技能工程数が多く生産に手間がかかり、現場スタッフの疲労による生産意欲の低下があった。

やったこと

NCボーリングマシンを導入し、旧マシンに比べて高速加工を実現するとともに、加工精度を保証できるようにして製品品質の向上に努めた。TOPボーリング ProXima を導入して両面から穴あけができるようにし、3工程3人で行っていたメネジ(ダボ打ち)を1工程1人で行えるようにした。NCボーリングマシンをライン化し、工程数を15工程から11工程に減らし、生産時間を27%短縮して製造完了日の予測をたてやすくした。品質安定化のため手扱い回数を15%減らし、家具の自由設計システムも導入して販売面の対応力を高めた。

加工機NCボーリングマシン
加工機TOPボーリング ProXima
ソフト家具の自由設計システム

事業の効果

  • 工程数 15工程→11工程
  • 売上目標 38,800千円→47,000千円

工程削減と生産時間27%短縮により製造完了日の予測がたてやすくなり、納期回答の正確度が上がって納期厳守面での信用が高まった。ボーリング加工の高速化と精度保証により製品品質が向上し、手扱い回数の減少でスリ傷の発生要因も減ると考えられる。1工程1人での穴あけ作業により生産性が3倍になり、リードタイムも4日短縮された。現場スタッフの負担軽減と長寿命商品の提供も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    家具製造が主軸で高品質ブランドを軸に事業を展開する方針が書かれているが、過去の取組との一貫性を示す具体的記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ダイニングボードで評価No.1のブランド力や、建材ルートへの展開など強みと市場機会に触れ、競争優位の方向性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手間のかかる建材ルートや価格競争力の課題を挙げ、NCボーリング導入で工程を15から11に減らし製造時間27%短縮と具体的に示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年間の売上目標が38,800千円から47,000千円と示され、目標値が明確。生産時間27%短縮などの根拠も併記されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数125名や自社一貫生産の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や人材の具体的な配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品質だが価格パフォーマンスの高い商品という価値、ブランド評価No.1、若い世代への訴求など顧客ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    5カ年計画と導入後の工程削減、生産性3倍などの効果は示されるが、中長期の課題検証や詳細なスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    限界生産率40%近くの商品に対し販売増加が不可欠と述べ、高品質・高価格帯ダイニングボードで高水準の付加価値化を図る点が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    新築住宅需要の飽和や建材ルートへの展開に触れるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    投資に対し生産性が3倍、リードタイム4日短縮、工程数削減と効果が数値で示され、費用対効果の見通しが読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    NCボーリングや自由設計システムなど設備導入はあるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    香川県丸亀市の地元で創業し家具製造を軸にしている点は読み取れるが、地域の特性を活かした経済成長への寄与は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高品質評価を維持し、主力商品群で確固たるNo.1の地位を築くことを目指す。建材ルートへの販路拡大を進め、箱物分野でのシェアNo.1を目指す。『AYANO』ブランドに磨きをかけ、若い世代にも高品質で価格パフォーマンスの高い商品を選んでもらえるようにしたい。

事業者の声

本当に価値のある、使うほどに愛着が湧く家具づくり

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。