ものづくり補助金平成25年度製造業石川県

バイク用ヘルメットにおける汎用型の曇り止めシールドの開発

株式会社ウインズジャパン

この事例のポイント

  • ヘルメットのシールドは急激な温度変化や湿度変化で必ず曇りが発生し、バイクでは安全に直結するため長年改善が求められてきた。
  • 当初は海外M社の防曇シートを採用する前提で成形と試験を進めたが、吸湿時の歪みが発生して性能が大きく落ちた。
  • 曲げ反力が少なく吸湿による歪みも少ない防曇シートの開発に成功し、防曇シートの成形を合理化できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ウインズジャパン
所在地石川県 金沢市
業種その他の製造業
従業員数18人
資本金500万円
設立2009年

事業の背景

自社ブランドのヘルメットの2014年モデルを開発しており、並行して全天候型の曇り止めシールドの開発にも取り組んでいた。ヘルメットのシールドは温度や湿度の変化で必ず曇るため、バイクユーザーからは長年改善が求められてきた。海外製品は簡易構造か個々のヘルメット専用品に限られ、専用品は加工コストが高く高価格帯にしか普及していなかった。世界のヘルメット市場は高級品から多機能で低価格なものへ移りつつあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ヘルメットのシールドは急激な温度変化や湿度変化で必ず曇りが発生し、バイクでは安全に直結するため長年改善が求められてきた。
  • 新製品・新技術海外製品の曇り止めシールドは、長時間の使用に耐えない簡易構造か、個々のヘルメット専用品しか販売されていなかった。
  • コスト・採算専用品はライセンスを受けたシールド加工が必要で製造コストが高く、高価格帯のヘルメットにしか普及していなかった。
  • 新製品・新技術ヘルメット市場は高級品から多機能で低価格なものへ移っており、どんなヘルメットにも気軽に取り付けられる曇り止めシールドが求められていた。

やったこと

当初は海外M社の防曇シートを採用する前提で成形と試験を進めたが、吸湿時の歪みが発生して性能が大きく落ちた。そこで新たな防曇シートを探し、日本で開発された新素材を持つ国内Y社と共同開発して本採用を決めた。新しい防曇シートは曲げ反力が弱く、ヘルメットシールドへの追従性と長期保持性が大きく向上した。取付け形状と圧着方法を研究・開発し、いろいろなメーカーのヘルメットに装着できる防曇シートとした。研究開発の結果、完成形として3系統6タイプに最適化した。

新しい製品・サービス:いろいろなメーカーのヘルメットに装着できる汎用型の曇り止めシールド用防曇シート(3系統6タイプ)

事業の効果

曲げ反力が少なく吸湿による歪みも少ない防曇シートの開発に成功し、防曇シートの成形を合理化できた。当初計画では10パターン程度の種類に最適化する予定だったが、少ない種類で対応できるようになった。弾性粘着剤の塗布量も大きく変えずに機能を確保できるようになった。この方法によるヘルメット用防曇シートは画期的で、素材を開発した国内Y社と国際特許出願を行っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    自社ブランドのヘルメット開発と並行して曇り止めシールドを開発したとあり、既存事業との関連は読めるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    世界のヘルメットシェアが低価格・多機能にシフトし、どんなヘルメットにも付けられる製品が熱望されていたと書かれ、市場動向は読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    海外製品は簡易構造か専用品に限られ、専用品は製造コストの問題があるとの課題認識が書かれ、解決策の方向性はうかがえる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額の目標値は書かれておらず、製品の普及計画も「今後準備を進める」とあるだけで数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材についての記述はなく、国内Y社との共同開発が書かれている程度で、遂行体制はうかがえるが具体性はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    どんなヘルメットにも装着でき、10パターン程度の種類に最適化する計画や、3系統6タイプに完成形を絞った点など、顧客と製品の内容が具体的。

  • 事業化までの道筋3

    海外シート採用の失敗から国内Y社と共同開発に切り替え、防曇シートの成形を合理化した経緯が書かれ、課題解決の方法は読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    防曇シートを画期的とし国際特許出願を行い、専用品が高価格帯に限られていた中で汎用・低価格の製品を目指す点が具体的に示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    バイク利用時の安全に直結するとの記述はあるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値はなく、成形の合理化や塗布量の変化なしという記述はあるが、補助金投入額との比較は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    国内Y社と新素材を共同開発した点はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    石川県金沢市の企業であることは書かれているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業の研究開発で製品化に向けたデータが十分に蓄積されたため、今後も新しい製品のために準備を進めていく計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。