ものづくり補助金平成25年度製造業高知県

加工品の検査作業による時間短縮と品質向上を目的とした三次元測定機の導入

三惠株式会社

成果回転式充填機の円盤状部品の検査時間 138分/個→40分/個

この事例のポイント

  • 製品の検査は手作業が中心で膨大な時間と手間がかかり、不備の発見が遅れると製作し直しても納期に間に合わないことがあった。
  • 取引先の要求に応えるため、CNC三次元測定機(ミツトヨ CRYSTA-Apex s776)を1台導入した。
  • 回転式充填機の円盤状部品の検査時間 138分/個→40分/個。三次元測定機により、重要部品の検査を短時間かつ高精度で行えるようになり、手作業で必要だった測定器具や段取り替えが不要に…

事業者のプロフィール

事業者名三惠株式会社
所在地高知県 高知市
業種その他の製造業
技術分野測定計測
従業員数69人
資本金2,000万円
設立1991年

事業の背景

当社は包装機械の部品加工と組立てを手掛け、1991年に親会社から独立して設備投資を重ね生産力を拡大してきた。取引先からは短納期で精度の高い製品が求められ、品質保証は絶対的なものとなっている。現在の取引先のエンドユーザーは医療関係・食品関係等で、三次元測定機の保有が取引の条件となりつつある一方、中小零細企業でそれを保有する企業は少ない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度製品の検査は手作業が中心で膨大な時間と手間がかかり、不備の発見が遅れると製作し直しても納期に間に合わないことがあった。
  • 人手・技能複雑な形状の真円度・平行度・直角度は工具を使っても測定が難しく、加工中の固定のズレによる誤差や人為的なミスを完全になくすことが困難だった。
  • コスト・採算自社で測定できないものは県の工業技術センターへの持ち込みや県外への外注が必要で、時間と外注費・運搬費のコストがかかっていた。

やったこと

取引先の要求に応えるため、CNC三次元測定機(ミツトヨ CRYSTA-Apex s776)を1台導入した。最大許容指示誤差は(1.7+3L/1000)μmである。測定箇所を設定するプログラムを作成することで、すべての測定を短時間かつ高い精度で行えるようにした。三次元測定機を設置するため、24時間一定温度(25℃前後)を保てるクリーンルームを作り、そこに本機を据え付けた。検査結果データは製品の仕様書の一部として製品に添付して納品している。

検査測定CNC三次元測定機 CRYSTA-Apex s776(ミツトヨ)
その他クリーンルーム

事業の効果

  • 回転式充填機の円盤状部品の検査時間 138分/個→40分/個
  • 年間見込み個数100個で、この部品だけで年間9,800分(163時間)の削減となる。

三次元測定機により、重要部品の検査を短時間かつ高精度で行えるようになり、手作業で必要だった測定器具や段取り替えが不要になった。測定漏れもなくなり、測定時間が大幅に短縮された。検査結果を製品に付けて納品することで品質への信頼を得て、既存取引先からの受注が増え、新規開拓でも信頼を得ることで導入後の売上は右肩上がりとなっている。また、検査の時間短縮で削減された外注費や運搬費などのコストが抑えられ、ベテラン従業員の時間を他の製造業務や若手の育成に充てられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    ISO9001認定や取引先からの品質要求に触れるが、事業戦略上の位置づけや過去の取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多品種小ロットを得意とし大手が手を出さない点や、医療・食品向けの精度要求に触れ、競争優位の方向性は読み取れるが数値根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手作業検査が1個138分かかっていた課題を示し、三次元測定機で40分程度・時間1/3、年間163時間削減と具体的な改善効果が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    検査時間の削減や売上の右肩上がりは書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、数値目標が薄い。

  • 事業を進める体制2

    ベテラン従業員による検査体制や従業員69名の記載はあるが、補助事業を遂行する人材・事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療・食品関係のエンドユーザーや包装機械の海外需要が挙げられ、三次元測定機の精度が選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は独自設計体制を整える、印字機市場や建設機械市場へ営業を拡大するなど方向性はあるが、スケジュールや解決方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    中小企業で三次元測定機を保有する企業は少ないと述べられ、同分野で高精度検査を強みとする位置づけはうかがえるが、数値は示されない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域企業の品質保証強化や県外外注の削減には触れるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    投資に対し年間163時間の削減、外注費・運搬費の削減、返品リスク低減が示され、費用対効果が具体的に読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    CNC三次元測定機の導入による測定の自動化はうかがえるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    高知市の企業として海外展開や地域の製造業の販路拡大を目指すと書かれ、地域性は読み取れるが、雇用や地域経済への効果の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療・食品関係の取引で三次元測定機の保有が取引条件となりつつあり、多品種小ロットを得意とする当社にはアッセンブリー受注の機会がある。アジア諸国で包む文化が広がり包装機械の需要拡大が見込まれるため、海外需要を取り込み独自設計の包装機械も製造・販売したい。印字機市場や建設機械関係の市場にも営業を広げ、売上の拡大を狙う。

事業者の声

Made in Kochi

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。