ものづくり補助金平成25年度製造業石川県

リチウムイオン蓄電システムの高効率化および生産効率化による事業拡大

小松パワートロン株式会社

この事例のポイント

  • 鉛蓄電池からリチウムイオン電池への要求が格段に高まっており、リチウムイオン蓄電池仕様の製品化が急務となっていた。
  • パワーエレクトロニクス分野の電力変換部について、マイクログリッドコントローラに搭載しているインバータ・コンバータ等の電力変換部のスイッチング素子を、シリコン(Si)半導体によるI…
  • 電力変換部のスイッチング素子をSiC半導体に転換したことで変換効率が向上し、PV・WGコントローラの性能優位性を得た。

事業者のプロフィール

事業者名小松パワートロン株式会社
所在地石川県 小松市
業種電気機械器具製造業
技術分野接合・実装
従業員数60人
資本金1,000万円
設立1982年

事業の背景

当初開発したマイクログリッドコントローラは、鉛蓄電池を搭載した直流連系システム(HVDC)であった。その後、鉛蓄電池からリチウムイオン電池への要求が格段に高まり、リチウムイオン蓄電池仕様の製品化が求められるようになった。リチウムイオン蓄電システムを手がける国内メーカは全国的に少ないが、将来は競合の出現が避けられない状況であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術鉛蓄電池からリチウムイオン電池への要求が格段に高まっており、リチウムイオン蓄電池仕様の製品化が急務となっていた。
  • 品質・精度事業拡大には価格競争力だけでなく、市場での優位性を確保する明確な性能の差別化が必須であった。
  • 新製品・新技術リチウムイオン蓄電システムは全国的に少ないが、将来競合メーカの出現も必至であった。

やったこと

パワーエレクトロニクス分野の電力変換部について、マイクログリッドコントローラに搭載しているインバータ・コンバータ等の電力変換部のスイッチング素子を、シリコン(Si)半導体によるIGBT・ダイオードからシリコンカーバイト(SiC)半導体のFET・ダイオードに転換した。これにより変換効率を向上させ、PV・WGコントローラの性能優位性を得た。試作を終えたリチウムイオン蓄電池用充電装置を搭載したリチウムイオン蓄電池盤を試作し、マイクログリッドコントローラと一体化させて、独自のリチウムイオン蓄電システムを完成させた。リチウムイオン蓄電システムの量産化に向けて「生産革新」を導入し、目標を上回る工数削減を実現した。タレットパンチプレスを新規導入し、板金加工の工数削減を図った。

加工機タレットパンチプレス

新しい製品・サービス:独自開発した10kW級のマイクログリッドコントローラに、リチウムイオン蓄電池盤を組み合わせたリチウムイオン蓄電システム

事業の効果

電力変換部のスイッチング素子をSiC半導体に転換したことで変換効率が向上し、PV・WGコントローラの性能優位性を得た。リチウムイオン蓄電システムを完成させ、事業拡大に向けた製品化を実現した。生産革新の導入により量産化に係る生産効率が目標を上回って改善し、板金加工の工数も削減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    マイクログリッドコントローラの開発や鉛蓄電池からリチウムイオン電池への転換が経緯として書かれ、既存事業との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    リチウムイオン蓄電システムは全国的に少ないと記載があり、競合出現の見込みと性能差別化の必要性は示されている。

  • 課題の認識と解決3

    価格競争力と性能差別化の必要性を課題として挙げ、SiC転換による変換効率向上で解決を図った流れが読み取れる。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工数削減は目標を上回ったとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、高い付加価値の目標はうかがえない。

  • 事業を進める体制2

    開発や試作を進めた経緯は書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    変換効率の向上と性能優位性の獲得が製品の価値として書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    試作、完成、量産化に向けた生産効率化の順序はうかがえるが、スケジュールや課題解決の具体的方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    全国的に少ないリチウムイオン蓄電システムで、変換効率向上による性能優位性を得たと書かれ、差別化の意図がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    再生可能エネルギーを同時に電力変換する蓄電システムとして、エネルギー分野の意義がうかがえるが、経済波及効果や雇用の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    工数削減や板金加工工数の削減は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    SiC半導体の採用による変換効率向上は技術革新として読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    再生可能エネルギーの蓄電システムという成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。