ものづくり補助金平成25年度製造業福井県

大気腐食モニタリング(ACM)センサの高品質化

植田工業株式会社

成果検定合格率95%以上を得ることができた。

この事例のポイント

  • 大気腐食モニタリングセンサは、外部認定機関での品質評価に合格しにくく、基準に達しない場合は再製作と再検定が必要になっていた。
  • 平成24年度補正ものづくり補助金で導入した恒温恒湿器KCL-2000Alを用い、外部認定機関の認定試験と同じ条件(温度25℃に設定し、湿度を5%ずつ上下させるプログラムを組む)で…
  • 検定合格率95%以上を得ることができた。検定前に自社内で品質を確認できるようになり、外部認定機関での検定合格率が95%以上に上昇した。

事業者のプロフィール

事業者名植田工業株式会社
所在地福井県 枚方市
業種生産用機械器具製造業
技術分野測定計測
従業員数24人
資本金4,000万円
設立1959年

事業の背景

金属材料の腐食劣化対策は社会インフラの安全性やメンテナンスにおいて重要だが、大気環境から腐食速度を測定する大気腐食モニタリングセンサは、植田工業が進出する前は国内で1社のみの生産だった。普及には低コスト化と品質の安定化が求められていた。同社は創業以来、自転車や自動車などの金属部品のプレス加工、金型設計・製作を手がけている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度大気腐食モニタリングセンサは、外部認定機関での品質評価に合格しにくく、基準に達しない場合は再製作と再検定が必要になっていた。
  • コスト・採算センサの再検定には検定料と半年間のロスが発生し、納期と費用の負担が大きかった。
  • 生産能力センサの一貫した製造ラインがなく、既存製品と同等の試作品や新たな材質・形状の試作品を安定して作れる体制が整っていなかった。

やったこと

平成24年度補正ものづくり補助金で導入した恒温恒湿器KCL-2000Alを用い、外部認定機関の認定試験と同じ条件(温度25℃に設定し、湿度を5%ずつ上下させるプログラムを組む)でセンサの出力検査を行えるようにした。小型センサも製作し、ニーズに合わせた製品ラインを広げた。センサの一貫した製造ラインを構築するため、スクリーン印刷機を導入し、基板にズレがないよう固定治具を製作して印刷精度を確保した。製作から品質評価まで一貫したシステムを整え、既存同等の試作品と新たな材質・形状の試作品を製作した。

新しい製品・サービス:大気腐食モニタリング(ACM)センサ(一体型ユニット、小型センサを含む)

事業の効果

  • 検定合格率95%以上を得ることができた。

検定前に自社内で品質を確認できるようになり、外部認定機関での検定合格率が95%以上に上昇した。これによりセンサの品質と信用性が向上し、再検定による検定料と半年間のロスが減るため、納期対応と金銭面の削減も期待できる。既存品に比べて品質向上と低コスト化を実現し、試作から量産の受注につながれば販売網の拡大も見込まれる。道路土木、電力関係などを新たな市場として開拓していく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の金属部品加工・金型事業の延長でセンサ開発に取り組んだと読めるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内1社のみの生産という市場状況と、一貫製造・低コスト・高品質という強みが示されるが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    再検定による検定料と半年のロスという課題を認識し、自社内で検定条件を再現する設備導入で解決する計画が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    検定合格率95%以上という実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、目標設定はうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    従業員24名、創業以来のプレス・金型事業と開発機関の存在から体制はうかがえるが、補助事業の遂行体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    老朽建築物や地下配管の腐食把握という用途と、建設・配管・電装企業や研究機関からの建て替え・補修用途の声が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    道路土木・電力関係への展開や商談会での市場調査という方向性はあるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内では1社のみの生産で普及が限定的だった大気腐食モニタリングセンサ分野に進出したと具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    社会インフラの安全性やメンテナンスに重要という公共性は述べられるが、波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    検定料と半年のロス削減、合格率95%以上という効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は明示されず、センサによる腐食速度の計測・記録という技術はあるが、サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    インフラの維持管理分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及3

    地元の枚方・若狭町での地域貢献意識と、地域経済活性化への言及はあるが、雇用や成長の数値は示されていない。

今後の展望

道路土木、電力関係などを新ターゲットにマーケットを拡大していく。建設や配管、電装企業および研究機関から、建て替えや補修計画に使いたいとの声が高く、商談会を活用して市場調査を行いながら拡大を図る。

事業者の声

今後もお客様に安心感と優れた製品を届けられるよう努めます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。