ものづくり補助金平成25年度製造業山梨県

新たに医療分野の筐体製作に挑むその高度な品質要求を満たすスポット溶接技術の開発とデータ収集

株式会社 佐藤電機製作所

この事例のポイント

  • 医療機器事業分野ではスポット溶接の高信頼化が課題となっている。
  • 溶接条件(加圧力、電流値、通電時間等)のデータを収集・記録できる高性能なインバータースポット溶接機を導入し、アルミスポット溶接に対応させた。
  • アルミスポット溶接に対応できるインバータースポット溶接機の導入により、医療機器筐体のアルミ溶接を自社で行える体制を整えた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 佐藤電機製作所
所在地山梨県 山梨市
業種金属製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数56人
資本金2,000万円
設立1961年

事業の背景

主力は大手弱電メーカー向けの筐体製造・販売で、長く生産力の高さが評価されてきた。大手弱電メーカーの生産拠点が海外へ移転し、数年前から弱電事業の受注が減少傾向となっていた。そのため事業構造の変革が急務となり、医療機器分野への進出を模索した。2012年に医療機器メーカーから超音波関連製品の受注に成功し、2013年の医療分野の売り上げは2012年同期比240%となった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度医療機器事業分野ではスポット溶接の高信頼化が課題となっている。
  • 人手・技能アルミスポット溶接は自社で初めての導入となり、現状の溶接技術者の数とスポット技術レベルでは求められる溶接工程能力に届かない。
  • コスト・採算医療機器関連製品はスポット溶接部分が多く溶接工数が多い。
  • 品質・精度医療機器関連製品はスポット溶接に対する品質要求レベルが非常に高い。

やったこと

溶接条件(加圧力、電流値、通電時間等)のデータを収集・記録できる高性能なインバータースポット溶接機を導入し、アルミスポット溶接に対応させた。引張試験機を導入し、試作したテストピースを溶接して強度を測定した。医療機器関連製品の強度基準を満たしているかを品質検証した。アルミスポット溶接機を使いこなすため、技術者の養成も進めた。

加工機インバータースポット溶接機
検査測定引張試験機

新しい製品・サービス:医療機器向けのアルミ製筐体

事業の効果

アルミスポット溶接に対応できるインバータースポット溶接機の導入により、医療機器筐体のアルミ溶接を自社で行える体制を整えた。溶接条件のデータを収集・記録できるようになり、溶接技術の高信頼化につながった。引張試験機により医療機器関連製品の強度基準を満たしているかを検証できるようになった。これらにより医療機器市場での拡大を図っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1951年の個人事業開始や弱電筐体製造の長い実績が書かれ、医療機器事業へ方向を得たとあるが、位置付けの明確さは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    弱電メーカーの海外移転による受注減を背景に、QCDの信頼と設備の充実を挙げ、2013年に医療分野売上240%(2012年同期比)を示している。

  • 課題の認識と解決4

    溶接工数の多さ、アルミスポット溶接の要望、技術者数と技術レベルの不足を課題として挙げ、インバータースポット溶接機の導入で対応している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上240%増の実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性の判断材料が少ない。

  • 事業を進める体制3

    溶接技術者の養成や、試作・引張試験による地道なデータ収集に取り組むとあるが、体制の具体的な人数や分担は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器メーカー向けに軽量・高強度・気密性を求められる筐体を作る点、超音波関連製品の受注実績が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    溶接データの収集や強度基準の品質検証に触れるが、中長期のスケジュールや課題解決の段取りは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    アルミスポット溶接を医療機器筐体に適用し高い品質要求に応える点は読み取れるが、市場の普及度や認知度の水準は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    大手弱電メーカーの海外移転や山梨市の工場に触れるが、雇用や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    医療分野の売上が240%になった結果は示されるが、補助金投入額や付加価値増加など費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    溶接プロセスデータの記録機能を内蔵した機器や引張試験機でのデータ収集に取り組むとあるが、サプライチェーンへの貢献までは書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    弱電筐体の受注減から医療機器分野へ事業構造を転換したと書かれ、構造転換の方向性は読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    山梨市の工場や山梨の地との絆に触れるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の具体的な記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

「ほかの分野に対応することに緊張もありましたが、改めて設備が揃っている自社の力も確認できました。」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。