ものづくり補助金平成27年度製造業新潟県

プレス製造IoTシステムによる測定技術高度化と不良撲滅、生産性向上

株式会社山口製作所

この事例のポイント

  • 工作物の寸法測定を手作業で行っており、検査に多くの時間がかかっていた。
  • ものづくり補助金を活用し、3D形状測定機を導入した。
  • 工作物の測定が自動化され、細かい寸法まで短時間で確認できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社山口製作所
所在地新潟県 小千谷市
業種金属製品製造業
技術分野測定計測
設立1968年

事業の背景

1968年にプレス加工業として創業した。プレス加工は製造する品目が変わるたびに数十万〜数百万円の金型が必要になるため、2000年に中古のワイヤーカットを購入して金型の内製化を進め、2002年にはほぼ全ての金型を自社でつくれるようになった。プレス加工は1加工あたりの単価が安く、効率化が必須の業態である。主な顧客は自動車メーカー等である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力工作物の寸法測定を手作業で行っており、検査に多くの時間がかかっていた。
  • 人手・技能図面が紙で管理されていたため、寸法の確認や新しい担当者への引継ぎに手間がかかっていた。
  • 品質・精度主な顧客である自動車メーカー等から求められる検査精度が格段に上がっていた。

やったこと

ものづくり補助金を活用し、3D形状測定機を導入した。指定箇所に工作物を置くだけで細かい寸法まで高度に測定できるようにした。社内のプレス機をすべて紐付けた生産管理システムを構築し、生産数を一元管理できるようにした。図面はデータ化してQRコードで呼び出せるようにし、紙での管理をやめた。

検査測定3D形状測定機
ソフト生産管理システム

事業の効果

工作物の測定が自動化され、細かい寸法まで短時間で確認できるようになった。生産数の一元管理により、生産ロット数をネットワーク上で自動収集でき、工場内の流通経路もすべて追跡できるようになった。自動測定と社内システムの一新により生産性と不良品率が改善し、不良品率は年間50%減少した。運用方法を見学に来る顧客も増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    2000年に金型内製化、2002年に金型をほぼ内製化した経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。経営戦略上の位置づけは明記なし。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    金型を外注すると品質・コスト・納期の主導権を他社に預けるという課題認識があり、複雑な加工などニーズに合わせた提案が可能と書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    自動測定と生産管理システムで納期短縮・コスト削減を狙い、不良品率は年間50%減少したと数字で成果が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    不良品率年間50%減少という数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    業務管理部など担当部署の記載はあるが、補助事業を遂行する体制の具体的な人員や事務能力の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は自動車メーカー等で、検査精度の要求が高まっていることが書かれ、ニーズの裏付けはあるが整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    IoT化の段階的な展開は書かれているが、スケジュールや課題解決方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    プレス加工の精密測定やIoT連携は一般的な技術で、高付加価値化・高価格化の具体的な記述は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    自動車メーカー等の検査精度要求への対応とあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    不良品率50%減少と生産性向上の成果が示されるが、補助金額に対する費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTデータ収集、ネットワーク上の生産ロット管理、ロボット導入など先端的なデジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    IoT化やロボット活用による生産性向上は書かれるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    新潟県小千谷市の地場企業であることは書かれるが、地域の経済成長を牽引する記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

IoT化で実現した納期短縮とコスト削減を強みとして、営業活動を行っていく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。