ものづくり補助金平成25年度製造業山梨県

味の数値化技術導入による商品開発の強化と売り上げ拡大

株式会社 シャトレーゼ

この事例のポイント

  • 味については開発担当者の勘と経験に頼らざるを得ない部分が多く、味の管理を徹底することが難しかった。
  • 味覚センサーを導入し、味を甘味・酸味・苦味などの要素に分解して数値化できるようにした。
  • 味覚センサーの導入により、商品開発時の味の見える化、原料変更時の味の同一化、試作品製造の効率化が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 シャトレーゼ
所在地山梨県 甲府市
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数1,664人
資本金5,000万円
設立1954年

事業の背景

創業以来、北海道産の小豆や本物の砂糖など素材にこだわり、「おいしいものを、お値打ちで」という精神で商品を提供してきた。全国に470店舗を展開し、常時400アイテムを扱い、年間では1200アイテム以上を取り扱っている。糖質制限への関心が高まる中、低糖質菓子の多くは洋菓子で、和菓子の種類は少なかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度味については開発担当者の勘と経験に頼らざるを得ない部分が多く、味の管理を徹底することが難しかった。
  • 新製品・新技術低糖質和菓子は味づくりが難しく開発に時間がかかるため、新たな開発に踏み出しにくかった。

やったこと

味覚センサーを導入し、味を甘味・酸味・苦味などの要素に分解して数値化できるようにした。低糖質和菓子の開発では、団子、おかき、饅頭、かき氷、どらやきの5種類を試作したが、どらやき以外は食感や味、形状で製品化に時間がかかると判断し、どらやきに絞り込んだ。通常品の味と比較しながら不足する味は添加し、雑味は除去して試作を重ね、醤油で味わいに深みを与え、抹茶で旨味を加えた。社内モニター調査と摂食後の血糖値の変化を確認する試験を経て、2016年2月に糖質を1個あたり5g以下に抑えた「やさしい糖質生活 どらやき」(こしあん、抹茶の2種類)を発売した。

検査測定味覚センサー

新しい製品・サービス:やさしい糖質生活 どらやき(こしあん・抹茶の2種類)

事業の効果

味覚センサーの導入により、商品開発時の味の見える化、原料変更時の味の同一化、試作品製造の効率化が可能になった。低糖質和菓子の開発に成功し、売り上げ拡大につなげた。試作回数も減らすことができ、コストの削減にもつながった。他社の低糖質商品に比べて糖質が少なくても味わいが良いと評価されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業時から素材にこだわる姿勢が受け継がれ、味覚センサーで低糖質どらやきを開発した点は一貫性がうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国470店舗・常時400アイテムの展開や糖質制限ニーズに触れているが、競争優位性を裏付ける市場データや比較は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    味の管理が開発者の勘と経験に頼り難しいという課題を挙げ、味覚センサー導入で解決を図った点は読み取れるが、高付加価値化の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上拡大や試作回数削減には触れるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、具体的な数字も見当たらない。

  • 事業を進める体制2

    開発担当者や助っ人の活躍に触れる程度で、補助事業を遂行する体制や人材確保の記述はほぼ読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    糖尿病患者や糖質制限をする人向けの低糖質和菓子というターゲットと、糖質5g以下・他社より少ない糖質でも味が良い点が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    社内モニター調査や血糖値変化の試験を経て2016年2月に発売したと時期と手順が示され、試作の絞り込み過程も説明されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    和菓子の低糖質品は種類が少なく美味しさを追求した商品も少ないと述べ、低糖質和菓子という分野での高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    糖質制限をする方の笑顔や地域の牧場との契約など、国が補助する積極的理由に当たる波及効果は具体的に述べられていない。

  • 費用対効果2

    試作回数の減少とコスト削減に触れるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    味覚センサーという新技術で味を数値化し、原料変更時の同一化や試作効率化を実現した点は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    健康志向で糖質制限ニーズが高まる市場に対応した点はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する具体的記述はない。

  • 地域経済への波及2

    山梨県甲府市の本社や八ヶ岳山麓の契約牧場など地域資源の活用がうかがえるが、雇用創出や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

開発を見送った団子や饅頭も引き続き検討しており、長期的に低糖質和菓子のバリエーションを増やしていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。