ものづくり補助金平成25年度製造業山梨県

明るく長寿命で低コストの電源一体型LED蛍光灯の開発

エルラインライツ 株式会社

成果明るさ(同ルーメン数あたり) 100%→130%

この事例のポイント

  • 内蔵型は取付工事が簡単で工事費も抑えられるが、LEDチップの熱で劣化が進み寿命が短くなりやすい。
  • 両方式の課題を解決するため、蛍光灯背面を密閉式から開放式にして放熱効果を高め、開放式のヒートシンクに電源回路を配置して双方の熱の発散効果を高めた。
  • 明るさ(同ルーメン数あたり) 100%→130%。電源回路一体型LED蛍光灯の開発により、明るさを確保しながら消費電力を下げ、寿命を延ばすことができた。

事業者のプロフィール

事業者名エルラインライツ 株式会社
所在地山梨県 都留市
業種電気機械器具製造業
技術分野接合・実装
従業員数1人
資本金300万円
設立2012年

事業の背景

エルラインライツは2012年に設立された従業員1人の会社で、LED蛍光灯の開発、製造、販売を行っている。東日本大震災後の電力不足を背景に、エネルギーや電気の使い方への関心が高まっていた。大手メーカーは器具ごとの交換を進めていたが、既存器具の廃棄はCO2削減につながらないという考えから、蛍光管をLED管に交換する方法を重視した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力内蔵型は取付工事が簡単で工事費も抑えられるが、LEDチップの熱で劣化が進み寿命が短くなりやすい。
  • 品質・精度分離型は寿命が長いが、取付け工事に手間がかかり工事費が高く、取り換えの際に再度同じ工事が必要になる。
  • 新製品・新技術両方式の長所を組み合わせた電源回路一体型のLED蛍光灯は今までになく、開発の必要があった。

やったこと

両方式の課題を解決するため、蛍光灯背面を密閉式から開放式にして放熱効果を高め、開放式のヒートシンクに電源回路を配置して双方の熱の発散効果を高めた。光を発するカバー部は内蔵型より広くし、小消費電力でも明るくする設計とした。開放式のアルミヒートシンク部の開発では金型業者の協力を得て、アルミ押し出し加工の金型を製作した。ポリカーボネートカバーは既存の面積を165%に拡張した新たなカバーを製作した。完成した製品は「WIDE-lx(ワイドルクス)」の名称で販売した。

金型アルミ押し出し加工の金型

新しい製品・サービス:電源回路一体型LED蛍光灯「WIDE-lx(ワイドルクス)」

事業の効果

  • 明るさ(同ルーメン数あたり) 100%→130%
  • 照射角度 130°→280°
  • ポリカーボネートカバーの面積 100%→165%
  • 消費電力(既存明るさ相当) 25W→14W
  • 5万時間程度の使用が可能な長寿命になった

電源回路一体型LED蛍光灯の開発により、明るさを確保しながら消費電力を下げ、寿命を延ばすことができた。照射角度が広がり、天井や周りまで明るく目にも優しい光になった。取付け工事も簡単になり、次回の工事も不要になった。2015年には山梨県トライアル発注商品に認定され、県の施設などで数多く使われている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    農機具会社を継ぎ、LED照明会社を設立後に独立したとあり、発明を重ねてきた経緯は読めるが、事業戦略との明確な位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    従来品との比較で明るさや消費電力の差が示され、中国製との価格競争は難しいとあるが、市場動向と強みの関係は十分に示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    取付工事費が高い、取替えで再工事が必要といった課題は具体的に書かれているが、事業計画としての高付加価値化の道筋は読み取れない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    明るさ30%アップや照射角度280°などの成果は出ているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員は社長一人で開発、製作、営業を担うとあり、体制は読めるが、補助事業を遂行する人材や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    分離型と内蔵型の長所を組み合わせ、明るさ、寿命50,000時間、取付け工事が不要な点など顧客に選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    開発の経緯は書かれているが、今後の中長期の課題検証や補助事業のスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既存品より発光範囲を広げ照射角度を130〜180°から280°へ拡大し、同ルーメン数で明るさ30%アップと高付加価値化の内容が具体的。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    CO2削減や蛍光管のLED化による廃棄抑制に触れているが、経済波及効果や雇用創出の記述は見られない。

  • 費用対効果2

    消費電力を25〜27Wから14〜18Wに下げる効果は読めるが、補助金額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    省エネ・環境に優しい製品開発に触れているが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及3

    山梨県トライアル発注商品に認定され県の施設で使われており、地域での採用実績は読み取れるが、地域経済への波及の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

LEDは中国製も多く価格面での競争は難しいが、性能や寿命、安心を重視する顧客には選ばれている。今後も消費電力の少ない製品など環境に優しい商品の開発に取り組む方針である。

事業者の声

明るさ、寿命、手軽さ、すべてにおいて理想的な製品を完成させることができました。LEDは中国製のものも多く出回っていて、価格面でそれらと競争するのは難しいですが、性能や寿命、安心などを考えるお客様には喜んで使ってもらっています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。