ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

熱硬化性プラスチック製食器の生産の自動化

信濃化学工業株式会社

成果生産量10%アップ

この事例のポイント

  • 深さのある形状のメラミン食器は自動化が困難で、ワンマン・ワンマシーン(1台の機械を1人が専属で操作)で生産してきたため生産性の向上が課題だった。
  • 大手成形機メーカーと共同で、熱硬化性プラスチック製食器の全生産工程を自動化する生産機械を開発し、2014年11月16日に自動生産設備を設置した。
  • 生産量10%アップ。両面への柄・コーティングが可能になり、業界初の技術として付加価値の高い製品づくりで市場優位性を高めた。

事業者のプロフィール

事業者名信濃化学工業株式会社
所在地長野県 長野市
業種プラスチック製品製造業
技術分野機械制御,材料製造プロセス,立体造形
従業員数127人
資本金4,800万円
設立1948年

事業の背景

信濃化学工業は1948年創業の、病院や老人福祉施設向け業務用メラミン食器で国内有数のメーカーである。現在は食器、工業部品、生分解プラスチック製品による環境関連製品の3本柱で展開している。熱硬化性プラスチック食器は安価な海外生産品の流入により価格競争が厳しい状態にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力深さのある形状のメラミン食器は自動化が困難で、ワンマン・ワンマシーン(1台の機械を1人が専属で操作)で生産してきたため生産性の向上が課題だった。
  • コスト・採算安価な海外生産品の流入により価格競争など厳しい状態にあった。
  • 新製品・新技術従来は難しいとされていた生産自動化を実現し、高付加価値品の生産を行う必要があった。

やったこと

大手成形機メーカーと共同で、熱硬化性プラスチック製食器の全生産工程を自動化する生産機械を開発し、2014年11月16日に自動生産設備を設置した。設置後は本格的な量産に向けて繰り返し調整を行い、事業完了時には量産機として稼働を開始した。その後、金型製作および附属治工具の製作により、この自動生産設備で生産可能なアイテムを増やした。

加工機全生産工程を自動化する生産機械(自動生産設備)
加工機自動バリ取り機

新しい製品・サービス:器の外側と内側の両面に柄・コーティングを施せる高付加価値の食器(陶器の風合いを実現した「匠」シリーズなど)

事業の効果

  • 生産量10%アップ

両面への柄・コーティングが可能になり、業界初の技術として付加価値の高い製品づくりで市場優位性を高めた。導入以来、生産量は10%増加し、品質も向上した。生産数ならびに付加価値の高い商品の生産に寄与している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のプラスチック成形技術の追究と全国直販の経緯が書かれ、食器事業の一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    安価な海外品との価格競争や、深い形状の食器は自動化が困難という市場環境が書かれ、高付加価値品での優位性が示唆される。ただし自社資源の強み分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ワンマン・ワンマシーンで生産性向上が課題と明記され、自動生産設備導入と高付加価値品の生産増という解決策が対応している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産量10%アップという数字は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、目標設定は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    大手成形機メーカーとの共同開発と全国の販売拠点整備の記載はあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    両面に柄・コーティングができる業界初の機械で、陶器風合いの「匠」シリーズという価値と市場優位性が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    設置後に繰り返し調整して量産に入り、金型製作や治工具製作で対象アイテムを増やした経緯が書かれ、段階的な進め方は読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    両面への柄・コーティングは業界初と明記され、深い形状の食器の自動化は困難とされる分野で高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    海外品との価格競争や県の表彰は書かれるが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    生産量10%アップと品質向上という効果は書かれているが、補助金額に対する費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    長野市の企業で県のものづくり大賞に認定されたと書かれるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への牽引効果は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

全国の販売拠点づくりを完了し、今後は組織化をさらに進めるとともに、インターネット販売も検討している。

事業者の声

従来は器の外側、内側の両面に、柄・コーティングを付けることは困難であったが、この機械の導入により、両面に柄・コーティングができるようになりました。これは業界初

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。