ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

インクジェットプリンターを活用した曲面印刷システムの確立

株式会社シナノ

成果生産性の向上(20%アップ)

この事例のポイント

  • 歩行杖の市場では、多様で細かいユーザーの嗜好を的確に捉えることが課題になっていた。
  • 従来の製品専用の塗装機を導入し、自己修復型オーバーコート塗料やシンボ、マット調といった質感の高い商品の提案を可能にした。
  • 生産性の向上(20%アップ)。製品専用塗装機の導入により、従来不可能だった質感の高い商品の提案が可能になり、段取時間の短縮と塗着効率の改善も実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社シナノ
所在地長野県 佐久市
業種その他の製造業
技術分野表面処理
従業員数41人
資本金9,900万円
設立1919年

事業の背景

株式会社シナノは、国内トップシェアを誇るスキーポールなどの企画開発から製造・販売までを一貫して行うメーカーである。1990年代前半のスキーブームでは年間約100万組を生産し国内シェア約3割を占めていた。バブル崩壊後にスキーブームが陰り、スキーポールの生産量は14〜15万組程度まで落ち込んだ。その中で、同社は歩行補助杖の生産に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術歩行杖の市場では、多様で細かいユーザーの嗜好を的確に捉えることが課題になっていた。
  • 人手・技能スキーポールの加飾工程は多色展開や規格などに制約があり、デザイン性の制約や小ロットへの対応が課題になっていた。

やったこと

従来の製品専用の塗装機を導入し、自己修復型オーバーコート塗料やシンボ、マット調といった質感の高い商品の提案を可能にした。塗装機の能力が向上したため、段取時間の短縮や塗料の塗着効率の改善が実現した。また、インクジェットプリンターを導入して曲面印刷システムを確立し、スクリーン印刷では不可能だったデザイン性の高い商品や写真画像のような高精細な商品までを生産できる新たな生産システムを構築した。

  • 加工機製品専用塗装機インクジェットプリンター

新しい製品・サービス:自己修復型オーバーコート塗料を用いた、シンボ、マット調などの質感の高い歩行杖・ポール製品

事業の効果

  • 生産性の向上(20%アップ)
  • 不良率 0.15%→0.05%
  • リードタイム 1日→1日
  • コスト低減(20〜30%)

製品専用塗装機の導入により、従来不可能だった質感の高い商品の提案が可能になり、段取時間の短縮と塗着効率の改善も実現した。インクジェットによる曲面印刷システムの確立により、デザインの幅が広がり感性価値が向上した。生産性は20%向上し、不良率は0.15%から0.05%に、リードタイムは1ヵ月から1日に短縮し、コストは20〜30%低減した。これにより海外品や国内他社との差別化を達成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    スキーポール製造からウォーキングポール、歩行補助杖へ展開した経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高齢化による歩行補助杖需要や、握りやすさ・強度など身体を支える技術が強みと書かれているが、市場データは示されていない。

  • 課題の認識と解決2

    国内スキーポール生産量が14〜15万組程度に落ち込んだ課題は示されるが、解決策の事業計画の詳細は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    不良率0.15%→0.05%、生産性20%アップ、コスト20〜30%低減など数値はあるが、補助事業の目標値として示されたかは不明確。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自己修復型オーバーコート塗料や艶消しマット調など質感の高い商品提案が可能になったと具体的に書かれ、デザイン性が特徴とされる。

  • 事業化までの道筋2

    前後工程の設備開発や製造工程の再構築に言及はあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    小ロット高品位の曲面印刷やデザイン性の高い商品を提供し、海外品との差別化を達成したと書かれ、高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    歩行補助杖の生産で高齢化社会に対応した点はうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明記されていない。

  • 費用対効果3

    生産性20%向上、リードタイム1ヵ月から1日、コスト20〜30%低減など効果の数値はあるが、補助金投入額との対比は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    インクジェットによる曲面印刷システムの確立は技術革新と読めるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    長野県佐久市の企業で伝統工芸業者とのコラボレーションに触れるが、地域経済や雇用への波及は具体的に書かれていない。

今後の展望

これらのメリットを武器に市場ニーズの掘り起こしを図り、収益の柱となる事業に育て上げたいとしている。

事業者の声

当社の強みは、握りやすさを考え、強度を考え、身体を支えるポールの技術。そのノウハウを応用しました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。