次世代塗装ロボット導入による生産能力増強、塗膜品質 向上

石川県の製造業の会社が、ものづくり補助金で次世代塗装ロボットなどを導入し、塗装の仕上がりを一定にして外注費を減らした事例です。

タカノクリエイト株式会社

成果外注加工費(塗装部門)が大幅に削減された

この事例のポイント

  • 職人の高齢化と後継者不足により、手塗り中心の技術力と生産性が低下していました。
  • 三次元データによる塗装ロボットを業界で初めて山中の塗りに導入しました。
  • 外注加工費(塗装部門)が大幅に削減された。外注加工費(塗装部門)が大幅に削減されコストダウンが実現しました。

事業者のプロフィール

事業者名タカノクリエイト株式会社
所在地石川県 加賀市
業種その他の製造業
技術分野表面処理
従業員数53人
資本金4.8億円
設立1965年

事業の背景

当地の基幹産業である山中漆器は400年余の歴史を有し、国内有数の産地として、現在は樹脂に加飾を施した生活雑貨までも生産しています。主力製品は樹脂製食器で、大手回転寿司チェーンなどに納めており、寿司皿では国内トップシェアを保っています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能職人の高齢化と後継者不足により、手塗り中心の技術力と生産性が低下していました。
  • コスト・採算塗装を地元塗装業者への外注に頼っていたため、コストや納期、品質が業者の事情に左右され、収益面と品質面で積極的な営業活動が難しい状況でした。

やったこと

三次元データによる塗装ロボットを業界で初めて山中の塗りに導入しました。吸排気設備を伴うクリーンルーム、温度ムラを廃した大容量の乾燥炉3基、三次元データによる塗装ロボット・コンベアシステムなど最新設備を導入しました。

これにより手塗りから機械塗りに移行し、塗装仕上がりを一定にしました。

新しい製品・サービス:環境配慮型のPET樹脂製寿司皿(塗り物用・レンジ対応用の新素材を使用)

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 外注加工費(塗装部門)が大幅に削減された

外注加工費(塗装部門)が大幅に削減されコストダウンが実現しました。手塗りから機械塗りにシフトしたことで塗装仕上がりが一定になり、短納期と高品質の維持・確保が実現しました。

環境配慮型のPET樹脂製寿司皿を業界で初めて製品化し、高品質化と低コスト化を同時に実現しています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 5

この事例が強かった観点

  • 5
    新しさ・高付加価値業界で初めて塗り物PET樹脂製寿司皿を製品化し、新素材で環境ホルモン不含など他にない機能を実現している。
  • 4
    これまでの取組との一貫性外注依存の課題を受け、塗装ロボットを導入し内製化へ進める一貫した流れが記載され、経営戦略上の位置づけが明確。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性寿司皿で国内トップシェアを保ち、輸入品との価格競争力や環境配慮の新素材など強みを踏まえた優位性が示されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値が事例には示されておらず、実現可能性の数値的根拠が薄い。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    外注依存の課題を受け、塗装ロボットを導入し内製化へ進める一貫した流れが記載され、経営戦略上の位置づけが明確。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    寿司皿で国内トップシェアを保ち、輸入品との価格競争力や環境配慮の新素材など強みを踏まえた優位性が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    職人高齢化や手塗りによる生産性低下を課題と明確に認識し、ロボット導入で外注費削減と品質安定を実現する計画。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値が事例には示されておらず、実現可能性の数値的根拠が薄い。

  • 事業を進める体制3

    デザインから成型・製造まで一貫したシステムと、多品種小ロットへの柔軟な開発体制を持つ点が記載されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    回転寿司チェーンなど大口顧客を持ち、環境配慮やユニバーサルデザインなど選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    規格化製品の販売を目指すとあるが、遂行スケジュールや課題解決の具体的な方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性5.0
  • 新しさ・高付加価値5

    業界で初めて塗り物PET樹脂製寿司皿を製品化し、新素材で環境ホルモン不含など他にない機能を実現している。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    山中漆器の伝統技術の継承と地域産業の課題解決に資する点が記されており、地域基幹産業への波及が読み取れる。

  • 費用対効果2

    外注加工費の大幅削減とコストダウンに触れるが、補助金額に対する付加価値増加などの数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    三次元データによる塗装ロボットを業界で初めて導入し、地域の塗装技術の機械化をけん引する取組として記載されている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    環境配慮型製品や規格化製品の販売への展開は触れられているが、日本経済の構造転換への言及は弱い。

  • 地域経済への波及4

    山中漆器の伝統的な塗り技術を地域特性として活かし、高付加価値の食器製造と取引先拡大につなげている。

今後の展望

公的試験機関等を利用した品質表示付きの規格化製品の販売を目指しています。秘密保持契約を締結することで自社技術と知見の防衛策にもなり、他社との差別化と独自の強みづくりへ一歩踏み出すものと捉えています。

同じ業種・悩みの採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。