ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

リハビリ訓練用の水中ウォーキングポールの試作開発及び設備導入

株式会社キザキ

この事例のポイント

  • 障害者や高齢者が水中歩行訓練で使える専用の杖が市販されていなかった。
  • 水中歩行用の杖(ウォーキングポール)を専用に設計し、水面に浮き立つ最適なポール形状を試行錯誤の末に開発した。
  • 水中専用の杖が市販化されていなかった状況に対し、水中歩行用の杖を試作開発して製品化した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社キザキ
所在地長野県 小諸市
業種その他の製造業
技術分野表面処理,立体造形
従業員数30人
資本金2,000万円
設立1961年

事業の背景

株式会社キザキはスキーポールの部品製造で1961年に創業し、スキーポールを中心に金属バット、トレッキングポールなどを開発・製造してきた。スキー人気が低迷する中、「健康」をテーマにした製品づくりに注力していた。1999年にノルディックウォークに出会い、国内大手スポーツメーカーからの開発依頼を受けて共同開発を始めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術障害者や高齢者が水中歩行訓練で使える専用の杖が市販されていなかった。
  • 品質・精度水中でバランスを崩しやすく、手摺りのない施設では歩行訓練が困難だった。
  • 新製品・新技術手を離したポールが水中に沈むと障害者や高齢者は取りにくいため、水面に浮く形状が必要だった。

やったこと

水中歩行用の杖(ウォーキングポール)を専用に設計し、水面に浮き立つ最適なポール形状を試行錯誤の末に開発した。静電塗装機を導入し、太い部分と細い部分が一体となった異形状を美しく塗装する技術を取り込んだ。水中でのテストを実施し、現状の水中歩行よりも安全・安心に身体の可動域が増えることを確認した。グリップは“握らない”形状を考案し、障害や高齢等で握りにくい人にもフィットするようにした。

加工機静電塗装機

新しい製品・サービス:水中歩行用の杖(アクアウォーキングポール)

事業の効果

水中専用の杖が市販化されていなかった状況に対し、水中歩行用の杖を試作開発して製品化した。現状の水中歩行より安全・安心に身体の可動域が増え、リハビリ効果が大きく期待できる製品ができた。ポールは水面に浮く形状で、握らないグリップにより幅広い利用者に対応できるようになった。ノルディックウォークポールの共同開発を経て、自社ブランドで国内シェア50%近くを獲得している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    スキーポール製造で1961年創業以来、アルミ加工技術を追求してきた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ノルディックウォーク需要や大手メーカーとの共同開発、国内50%近いシェアなど、市場と自社の強みを踏まえた記述がある。

  • 課題の認識と解決3

    水中歩行での水圧によるバランス崩れや手すりのない場所での困難という課題認識が書かれ、解決策として製品化が示される。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員30名や静電塗装機の導入はわかるが、補助事業を遂行する体制や人材についての記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    障害や高齢で握れない人向けの“握らない”グリップ、水面に浮く形状など、製品価値と顧客ターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    試行錯誤の末に浮く形状を開発したとあるが、中長期の遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ノルディックウォークポールは国内約50%のシェアを持ち、水中歩行用は世界初の商品と書かれており、新市場性が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    障害者や高齢者のリハビリ普及という社会的背景はうかがえるが、国が補助する理由を示す記述は薄い。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    静電塗装機や異形状の塗装技術の導入はあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及は見当たらない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    健康分野の成長が示唆されるが、日本経済の構造転換に資する具体的な記述は薄い。

  • 地域経済への波及2

    小諸市で事業を行う地域企業とあるのみで、地域特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

設備投資の成果に自信を得て、加工技術そのものも売っていく考えで、展示会などで積極的にアピールしていく。

事業者の声

当社は完成品メーカーなので、技術そのものを売るという発想はなかった。しかしこれからは、塗装技術をはじめ、加工技術そのものも売っていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。