ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

高機能医療用注射針の量産事業化

株式会社日本シールボンド

この事例のポイント

  • 麻酔注射用の高機能医療用注射針は手づくりのため、量産化が課題であった。
  • 自社で特許を保有する目盛り付き特殊潤滑コーティング針を大幅に改良し、白色高潤滑コーティングを施して目盛り付けを行い、注射針挿入時の痛みの低減と深さの安定性を目指した。
  • 目盛り付けをインクジェットプリンターからCO2レーザーマーキングに変更したことで、飛散が改良され、インクの密着力が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社日本シールボンド
所在地長野県 松本市
業種プラスチック製品製造業
従業員数39人
資本金1,000万円
設立1983年

事業の背景

1983年創業の同社は、電機・電子絶縁材料を中心とする工業用製品の製造・販売を手がけてきた。接着剤、テープ類、ゴム製品、チューブ、プラスチック製品などを扱い、工業用・医療用の幅広い素材・製品群を持つ。難接着素材であるシリコーンゴムの接着加工技術も開発している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術麻酔注射用の高機能医療用注射針は手づくりのため、量産化が課題であった。
  • 生産能力目盛り付けをインクジェットプリンターで行う方法は、試作を重ねても成果が上がらなかった。

やったこと

自社で特許を保有する目盛り付き特殊潤滑コーティング針を大幅に改良し、白色高潤滑コーティングを施して目盛り付けを行い、注射針挿入時の痛みの低減と深さの安定性を目指した。同時に、従来の手づくりから量産化を図るため、中央工場で医療機器製造業許可を取得した。目盛り付けは当初インクジェットプリンターで試作したが成果が上がらず、CO2レーザーでマーキングをした後に行う方法に変更した。導入設備は、インクジェットプリンター、コーティングロボット、3次元測定機、レーザーマーカーである。

その他インクジェットプリンター
ロボットコーティングロボット
検査測定3次元測定機
加工機レーザーマーカー

新しい製品・サービス:麻酔注射に用いる高機能医療用注射針(白色高潤滑コーティング・目盛り付き)

事業の効果

目盛り付けをインクジェットプリンターからCO2レーザーマーキングに変更したことで、飛散が改良され、インクの密着力が向上した。注射針は好評を得ており、インクの密着度向上により別の案件にも展開できる見込みが生まれた。中央工場では医療機器製造業許可を取得し、量産化の体制を整えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    電機・電子絶縁材料の製造販売から医療用製品へ展開し、中央工場を医療機器製造業許可工場として整えた経緯が読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自社で特許を保有する目盛付き特殊潤滑コーティング針を改良し、痛みの低減と深さの安定性を目指す点は強みとして読めるが、市場動向の記載は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    手作りのため量産化が必要という課題と、インクジェットからレーザーマーキングへの方式変更で課題に対応した経緯は読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値の創出や賃上げの目標値は記載がなく、量産化による成果の数値も示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員39名、医療機器製造業許可取得、クリーンルーム完備など実施体制の一端は読めるが、人材や事務処理能力の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    痛みの大幅な低減と挿入深さの安定性という価値、好評を得ている点は読めるが、顧客ターゲットの定量的な裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試作の失敗を経てレーザーマーキングに変更し、飛散改良と密着力向上を達成した経緯は示されるが、今後のスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    自社で特許を保有する既存の目盛付き特殊潤滑コーティング針を大幅に改良し、白色高潤滑コーティングを施した点から高付加価値化の取組が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    医療用注射針の量産化による医療分野への貢献はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記載は見られない。

  • 費用対効果2

    投入額や付加価値額の増加、生産性向上の数値が示されておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザーマーキングや3次元測定機の導入はうかがえるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの言及は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記載はない。

  • 地域経済への波及2

    松本市の企業として南松本に新工場を建設する計画は読めるが、地域の経済成長への寄与は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療用ゴムの製造を主力とする新工場を南松本に建設し、3次元測定機などの集約化を進める予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。