ものづくり補助金平成24年度広島県

鉄道車輌内のLED照明用製造設備導入による生産性向上と生産量の拡大

エクセル株式会社

成果生産能力 1倍→4倍

この事例のポイント

  • 鉄道車輌用LED照明は鉄道会社ごとに照度・光度分布・色度の仕様が異なり、それぞれの要求品質に応える必要がある。
  • 電子部品実装から組立までの工程に、鉄道車輌用LED照明の製造工程に合わせた設備を導入した。
  • 生産能力 1倍→4倍。電子部品実装から組立までの工程に設備を導入したことで、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名エクセル株式会社
所在地広島県 福山市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野熱処理
従業員数71人
資本金1,000万円
設立1986年

事業の背景

当社は1986年設立で、LED照明の設計・開発・製造・販売を一貫して行い、電子機器の設計・製造も手がける。鉄道車輌用LED照明の市場は、鉄道車輌のLED照明への切り替えにより今後10年間で100万本程度の成長が見込まれている。現在、要求品質に対応できる製造メーカーは少ない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度鉄道車輌用LED照明は鉄道会社ごとに照度・光度分布・色度の仕様が異なり、それぞれの要求品質に応える必要がある。
  • 品質・精度購入するLEDは一般標準品のため、色度を細分化して自社で測定する評価設備がなく、サンプルでの色度測定にとどまっていた。
  • 生産能力現有のマウンター(電子部品実装機)2台の基板面積が小さく、生産能力が不足している。
  • 人手・技能ガラス管に飛散防止カバーを手作業で被せ、熱湯につけて収縮させる工程があり、作業環境と生産能力に限界がある。
  • 新製品・新技術不燃性やガラス飛散防止など鉄道車輌特有の要求に対応する製品として、機械化できていない工程を解消する必要がある。

やったこと

電子部品実装から組立までの工程に、鉄道車輌用LED照明の製造工程に合わせた設備を導入した。信頼性評価設備として、照度・全光束・演色性・光度分布・色度を測定できる測定機を導入し、色度を細分化して自社で測定できるようにした。現有のマウンター2台の基板面積を倍に改造し、対応動作プログラムソフトを組み合わせて生産能力を4倍に拡大した。ガラス管に飛散防止カバーを被せる工程にシュリンク設備を導入し、手作業の加工を半自動化した。

  • 検査測定信頼性評価設備演色性試験器・測定機
  • 加工機マウンター(電子部品実装機)改造及び対応動作プログラムソフトシュリンク設備

新しい製品・サービス:鉄道車輌適合直管蛍光灯型LED照明

事業の効果

  • 生産能力 1倍→4倍

電子部品実装から組立までの工程に設備を導入したことで、生産性が向上した。信頼性評価設備により、色度を含む細かな仕様を自社で測定し、バラツキを抑えて客先の信頼に応えられるようになった。シュリンク設備の導入で飛散防止カバー工程が半自動化され、製造コストは手作業より下がった。鉄道車輌用LED照明の量産を実現し、現在の生産量を4倍に拡大できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性鉄道車両用LED市場の要求品質に対応できるメーカーは少なく、長年のノウハウと実績を強みとしていると具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決手作業工程の機械化により生産能力を4倍にする目標と、色度測定の自社実施による品質対応が課題解決として示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標生産量を4倍に拡大可能としており、高付加価値や賃上げの目標値は書かれていないが、生産能力の数値目標は具体的。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員71人、協力体制として組合所属の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    2000年の大型LED表示板開発や鉄道車両向けLED灯開発の経緯が書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが経営戦略上の位置付けは明確でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    鉄道車両用LED市場の要求品質に対応できるメーカーは少なく、長年のノウハウと実績を強みとしていると具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業工程の機械化により生産能力を4倍にする目標と、色度測定の自社実施による品質対応が課題解決として示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量を4倍に拡大可能としており、高付加価値や賃上げの目標値は書かれていないが、生産能力の数値目標は具体的。

  • 事業を進める体制2

    従業員71人、協力体制として組合所属の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    鉄道車両内LED照明の仕様対応、要求品質への適合、川崎重工業との連携など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は体育館LED照明や川崎重工業との連携による販売促進が示されているが、スケジュールや課題解決の方法は詳細でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    鉄道車両用LED照明は普及が限定的で、要求品質に応える製造メーカーが少ないと書かれ、高水準の付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    今後10年で100万本程度の市場成長が見込まれると書かれているが、雇用創出や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    生産能力4倍、コストダウン、省人化の方向性は示されているが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    設備により電子部品実装からLED組立まで自動化するとあるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献までは読み取れない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    鉄道車両用LED照明への切り替え市場の成長が書かれ、成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    広島県東部の工業協同組合所属や福山市の立地は書かれているが、地域の特性を活かした経済成長への言及は薄い。

今後の展望

鉄道車輌用LED照明の製造販売に目途がついたため、体育館など各地のLED照明への取り換え需要を開拓する。独自のブレーカー対策で市場差別化を図り、川崎重工業株式会社と鉄道車輌用LED照明で連携して技術開発と販売促進を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。