ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

パワー半導体(インバータ回路)向け高放熱性基板の開発

株式会社ダイワ工業

この事例のポイント

  • LED分野で実用化した小型化の技術を、通電量が約100倍となるパワー半導体分野へ転用することが未実現だった。
  • 独自開発した「DPGA基板」をパワー半導体分野に応用するため、24種類の基板を作成して実験を繰り返した。
  • 24種類の基板を作成して実験を重ねたが、DPGA基板のバンプ組み込みの技術課題は克服できなかった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ダイワ工業
所在地長野県 岡谷市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野接合・実装
従業員数58人
資本金9,500万円
設立1967年

事業の背景

1967年に金属プレス加工業として創業し、1982年からプリント配線板を手がけて業績を伸ばした。1991年頃の新工場建設の時期にバブル崩壊の影響を受け、厳しい時期を迎えた。1998年に独自のビルドアップ工法「AGSP」を開発して特許を取得し、海外工場ともライセンス契約を結んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術LED分野で実用化した小型化の技術を、通電量が約100倍となるパワー半導体分野へ転用することが未実現だった。
  • 人手・技能パワー半導体分野で実用化させるため、当社の体制を整備する必要があった。

やったこと

独自開発した「DPGA基板」をパワー半導体分野に応用するため、24種類の基板を作成して実験を繰り返した。新分野参入に向けた試作品と、顧客を説得するための検証データを作成した。DPGA基板の特徴であるバンプ組み込みに取り組んだが、技術的な課題の克服は困難だった。

新しい製品・サービス:DPGA(高放熱基板):電気を伝える基板の役割に加えて熱を伝える機能を独自の方法で持たせた基板。

事業の効果

24種類の基板を作成して実験を重ねたが、DPGA基板のバンプ組み込みの技術課題は克服できなかった。その結果、温度低減に対する銅基板の更なる可能性を確認でき、基板作成の困難さと必要な努力や時間を学んだ。今回の結果を踏まえ、パワー半導体分野向けの銅基板確立を目指して製造プロセスとバンプ設計基準を見直すことになった。特許出願も終え、現在は量産化に向けた評価用試作を繰り返している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1998年にビルドアップ工法AGSPを開発し特許取得、2011年にDPGA基板を開発したとあり、基板技術の継続的な取組は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    LED分野で小型化・放熱を実用化し、パワー半導体分野へ技術転用する方針が書かれているが、市場動向や競合に対する自社の優位性の分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    DPGA基板のバンプ組み込みで技術課題があったと認識し、製造プロセスの見直しとバンプ設計基準の最適化に取り組むと具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの数値目標は書かれておらず、量産化に向けた評価用試作を繰り返しているとの記載にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員約50名・58名の会社で、社長がエンジニア出身で特許戦略を担うと読めるが、補助事業を遂行する体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    パワー半導体分野は省エネ・小型化ニーズが強いと書かれ、LEDでの放熱性の実績も示されるが、顧客ターゲットの具体は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    製造プロセスの見直しとバンプ設計基準の最適化、特許出願後の量産化に向けた評価用試作という段階は読み取れるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    DPGA基板は「電気を伝える」だけでなく「熱を伝える」機能を独自方法で加えた高放熱基板で、LED分野では従来にない特徴を持つ。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    電気自動車やパワー半導体の利用が期待されると書かれ、日本発のデファクト・スタンダードを目指すとあるが、経済波及や雇用創出の数字はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    プリント基板の製造プロセス改善や新技術の開発とあるが、サプライチェーン全体へのイノベーション波及の記載は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    電気自動車やパワー半導体分野への新規参入を目指し、省エネ・小型化ニーズに応えるとあり、成長分野への進出の方向性は読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    岡谷市に本社を置く企業と書かれているが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記載は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製造プロセスの見直しとバンプ設計基準の最適化に取り組み、パワー半導体分野向けの銅基板確立を目指す。量産化に向けた評価用試作を続ける。

事業者の声

これからの日本は、世界を感動させられるものづくり、みんなが幸せになれるものづくりが求められています。もっと多くの仲間たちと連携したり、お客様を巻き込んだり、そういう仕掛けづくりを通して、日本発のデファクト・スタンダード誕生を目指したいですね

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。