ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

清酒の輸出拡大・品質向上のため、高度な温度制御を行う加熱殺菌技術の開発

株式会社湯川酒造店

成果サーマルUSタンク(2,000ℓ)2基の導入により、適正な醸造計画の下で発酵管理が可能となった。

この事例のポイント

  • 絞った後の工程の品質精度を高める必要があり、酒質の劣化を防ぐ課題があった。
  • 2015年5月に散水型加熱殺菌冷却機(パストライザー)を導入し、加熱殺菌を1回のみとした。
  • サーマルUSタンク(2,000ℓ)2基の導入により、適正な醸造計画の下で発酵管理が可能となった。パストライザーにより加熱殺菌を1回のみとし、香味バランスがよく未熟臭等の異臭のない清酒を製造できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社湯川酒造店
所在地長野県 木祖村
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数11人
資本金1,000万円
設立1650年

事業の背景

株式会社湯川酒造店は1650年創業の酒蔵で、「木曽路」と「十六代九郎右衛門」の2銘柄を展開する。「木曽路」は地元で一番飲まれる銘柄で、「十六代九郎右衛門」は主に首都圏などの飲食店向けである。清酒の需要が増えており、生産拡大を検討していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度絞った後の工程の品質精度を高める必要があり、酒質の劣化を防ぐ課題があった。
  • 生産能力需要増に対応するため生産を拡大したいが、夏季の清酒製造は現設備では高品質を維持できなかった。
  • コスト・採算資材の重複使用や冷蔵倉庫への寄託移送に多額のコストがかかっていた。

やったこと

2015年5月に散水型加熱殺菌冷却機(パストライザー)を導入し、加熱殺菌を1回のみとした。2015年9月には冷蔵設備を導入し、商品化から出荷まで冷蔵管理を可能にした。サーマルタンク等の導入で発酵過程の高度な温度制御を行い、精密濾過機による流通低コスト化を図った。杜氏を責任者として製造パラメーターの検証と技術開発を行い、低アルコール原酒の清酒を新製品として試作し貯蔵して酒質の変化を検証した。

加工機散水型加熱殺菌冷却機(パストライザー)
加工機冷蔵設備
加工機自動温度制御タンク(サーマルUSタンク/2,000ℓ)2基
加工機製氷機
加工機中空糸膜濾過機(SFフィルター)

新しい製品・サービス:低アルコール原酒の清酒

事業の効果

  • サーマルUSタンク(2,000ℓ)2基の導入により、適正な醸造計画の下で発酵管理が可能となった。

パストライザーにより加熱殺菌を1回のみとし、香味バランスがよく未熟臭等の異臭のない清酒を製造できるようになった。冷蔵設備により商品化から出荷まで冷蔵管理が可能となった。製氷機の導入で暖冬でも品温制御ができ、中空糸膜濾過によりフレッシュな火入れ酒を製造できるようになった。今後は無濾過生原酒から商品転換し、冷蔵流通商品を減らして流通コストの削減を図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    清酒の品質向上と輸出拡大を掲げ、社長の品質重視の方針から造りを見直してきた経緯は読み取れるが、過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    輸出や地酒専門店への投入を優先する方針はうかがえるが、市場動向や自社の経営資源の強み・弱みの分析は記載されていない。

  • 課題の認識と解決4

    熟成感や劣化など品質課題を認識し、加熱殺菌回数を1回に減らす設備導入で解決を図る計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産拡大や生産性向上の方針は示されるが、付加価値額や賃上げの数値目標は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    杜氏を責任者として技術開発を行い、社長が製造と販売を担う体制が示されているが、人員や事務処理面の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    木曽路と十六代九郎右衛門の2銘柄の顧客層や特徴が説明され、ターゲットは分かるがニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    2015年5月に加熱殺菌冷却機、同年9月に冷蔵設備を導入し、長期貯蔵後に品質評価を行う段階的な工程と時期が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    低アルコール原酒や冷蔵流通商品など新製品開発に取り組むが、分野の普及度や高価格化の水準に関する記載は少ない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    清酒の輸出拡大が掲げられ、地域の伝統産業としての位置づけがうかがえるが、波及効果や雇用創出の数値は記載されていない。

  • 費用対効果3

    補助対象の設備導入後、ランニングコスト低減や流通コスト削減の方向性は示されるが、費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    温度制御や中空糸膜濾過などの技術活用はうかがえるが、サプライチェーン全体へのイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    木祖村の立地や木曽の良質な水を活かした酒造りが示され、地域特性の活用はうかがえるが、雇用や地域成長の効果は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後、輸出と地酒専門店について優先的に商品を市場投入し、消費者の声を製造現場へフィードバックしながら売上拡大へつなげていく。

事業者の声

お客様を裏切らない酒を造りたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。