ものづくり補助金平成24年度滋賀県

地域登録商標「高島ちぢみ」の多色多機能化による、受注型から提案型への「機業進化計画」

株式会社杉岡織布

成果製織できる色数 4色→8色

この事例のポイント

  • 受注型の機業から提案型へ変わるため、新企画を提案できる多色多機能の生地を開発する必要があった。
  • 「高島ちぢみ」の高級感を出すため、後染めではなく先染め生地を追求した。
  • 製織できる色数 4色→8色。8色までの緯糸による製織で、ボーダー柄から濃淡のグラデーションや豊かな色表現の生地を提供できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社杉岡織布
所在地滋賀県 高島市
業種繊維工業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数8人
資本金2,250万円
設立1955年

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術受注型の機業から提案型へ変わるため、新企画を提案できる多色多機能の生地を開発する必要があった。
  • 生産能力従来の4色までの設備では扱える糸の色数が足りず、より多くの色を扱える設備の導入が必要だった。
  • 品質・精度8色の色糸が混在すると糸切れや絡まりが起き、微妙な色のグラデーションによって色糸検知の不具合が生じるおそれがあった。

やったこと

「高島ちぢみ」の高級感を出すため、後染めではなく先染め生地を追求した。より多くの色と多機能種の製織に対応するため、8色使いのエアージェット高速織機を導入した。8色の色糸が混在することで生じた糸切れ、絡まり、色糸検知の不具合は、自社の技術と織機メーカーの技術をすり合わせて一つずつ解決した。8色による複雑な柄組みは電子制御(デジタル技術)で行い、最長1620本/1循環の柄を組めるようにした。

  • 加工機8色使いのエアージェット高速織機

新しい製品・サービス:8色までの緯糸による製織で、ボーダー柄から濃淡のグラデーションや豊かな色表現を持つ生地。

事業の効果

  • 製織できる色数 4色→8色
  • 電子制御により最長1620本/1循環の柄を組めるようになった。

8色までの緯糸による製織で、ボーダー柄から濃淡のグラデーションや豊かな色表現の生地を提供できるようになった。肌着からナイティ、寝具、スポーツ、和服、ドレスへの展開が進み、展示会では好評を得ている。子供服ブランドからも商品提案を受けた。今後は機能糸を組み合わせて心地よさに機能性を加え、春夏物中心の生地を秋冬も含むオールシーズン素材へ広げる方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業から60年近く高品質な高島ちぢみを製織し、エアージェット方式導入実績25年以上とあり、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    先染生地の高級感追求や、弊社の技術力による量産課題解決が述べられ、強みは読み取れるが市場動向の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    ボーダー柄からグラデーションへの展開や、機能糸による機能性付加など課題解決の方向は示されるが、数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    当社の技術と織機メーカーの技術のすり合わせで課題を一つずつ解決したとあり、技術面の体制はうかがえるが人員配置は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    肌着、寝具、スポーツ、和服、ドレスへの展開や展示会での好評、子供服ブランドからの提案が書かれ、顧客ニーズの裏付けがうかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    今後は機能糸による置き換えやオールシーズン素材への変革に挑戦するとあるが、スケジュールや検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    8色使いのエアージェット高速織機と最長1620本の電子制御柄組みにより、ちぢみの同分野で高付加価値化を図る内容が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域登録商標の高島ちぢみの認知拡大や地域の伝統技術の継承がうかがえるが、雇用創出や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    電子制御によるデジタル柄組みを導入し、製織技術の高度化を進めたことは読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    春夏物中心の生地をオールシーズン素材へ変革するとあり、成長分野への転換の方向性がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及4

    地域登録商標の高島ちぢみを活かし、先染め多色化で高付加価値の生地を開発する地域特性を生かした取組が具体的に読み取れる。

今後の展望

付加価値を持つ生地を開発し続け、縫製品双方の提案を行う方針である。機能糸で色糸の一部を置き換え、通気性、吸汗・速乾性、冷感、温感を加えることで、オールシーズン生地素材への変革に挑戦していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。