ものづくり補助金平成24年度滋賀県

和紙を極細幅に裁断後撚糸加工し、天然素材糸と交織して、軽くて爽やかな生地の試作開発

株式会社古川与助商店

成果幅1mmの極細幅和紙に裁断する技術を確立

この事例のポイント

  • 和紙生地は軽さや吸水性、保温力といった機能性があるが、和紙の硬さが残り糸が太いため用途が広がらない。
  • 極薄和紙を幅1mmの極細幅に裁断するマイクロスリット技術を開発した。
  • 幅1mmの極細幅和紙に裁断する技術を確立。幅1mmの極細幅和紙に裁断する技術を確立し、天然素材と交織した軽く爽やかな生地の試作に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社古川与助商店
所在地滋賀県 大津市
業種繊維工業
技術分野金型
従業員数4人
資本金1,000万円
設立1962年

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力和紙生地は軽さや吸水性、保温力といった機能性があるが、和紙の硬さが残り糸が太いため用途が広がらない。
  • 品質・精度極薄和紙を極細幅に裁断する技術が業界では実用化困難とされており、細くしなやかで丈夫な和紙糸を作れなかった。
  • 人手・技能伸縮性のない和紙糸は通常の糸と同じ条件で織ると糸が切れ、高品質な生地にならず作業性も著しく低下する。

やったこと

極薄和紙を幅1mmの極細幅に裁断するマイクロスリット技術を開発した。和紙を10,000m以上の長尺ロールからスリッターで幅1mm前後のテープに裁断し、巻取機紙管に巻き取る。テープが1本でも切れると全体に波及して機械が止まるため、上下一対のスリッター丸の間隔調整による勘合の最適化、精密トルクレンチによる上下スリッター刃の丸間圧力の最適化、巻取機でのトラブル防止に取り組んだ。伸縮性のない和紙糸の織布では、試作した和紙糸を用いて織布機械の条件を織布メーカと共同で合わせ込んだ。

  • 加工機和紙裁断・巻取機スリッター

新しい製品・サービス:極薄和紙を幅1mmに裁断した和紙糸と天然素材(綿、麻、絹)を交織した軽く爽やかな生地

事業の効果

  • 幅1mmの極細幅和紙に裁断する技術を確立

幅1mmの極細幅和紙に裁断する技術を確立し、天然素材と交織した軽く爽やかな生地の試作に成功した。幅1〜4mmの和紙糸を各織物産地に横糸として提供し、従来の素材に入れるとシャリ感が出て軽くなるという評価を得た。滋賀の縮緬や近江上布との共同開発も進めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業1962年の繊維加工業で、マイクロスリット技術を長年手掛けてきたとあるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    和紙糸を各織物産地に横糸として提供し、ベトナムの展示会等に出展したと書かれ、外部への展開は読み取れるが市場分析や強み・弱みの記載は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    和紙生地の硬さや糸の太さという課題は書かれているが、高付加価値化・成長に向けた具体的な事業計画の数字や時期は書かれていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員4人で、織布メーカーや地域の工業技術センターと共同で取り組んだと書かれており、外部連携は読み取れるが社内体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    軽くて爽やかな感触、シャリ感が出て軽くなったという評価、高付加価値のオリジナル商品という方向性が書かれ、ターゲットや選ばれる理由も一定程度読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    今後の取組みとして多角化やブランド化、インターネット販売の進行が書かれ、遂行方法は示されるがスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    極薄和紙を幅1mmに裁断する技術は業界で実用化が困難とされたもので、和紙糸を用いた生地は従来になく、高付加価値のオリジナル商品として開発されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    長浜縮緬や近江上布など滋賀の地場産業との共同開発が書かれ、地域産業への波及効果がうかがえるが、雇用創出などの数値はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    マイクロスリット技術を核に多角化を図るとあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    和紙素材による新たな糸・生地の創出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記載は読み取れない。

  • 地域経済への波及4

    滋賀特産の長浜縮緬と近江上布という地域の特性を活かした素材とのコラボが具体的に書かれており、地域資源の活用が明確。

今後の展望

極薄和紙のマイクロスリット技術をコアコンピタンスとして、加工、糸、布地、オリジナルブランド商品へと事業の多角化を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。