ものづくり補助金平成24年度滋賀県

攪拌効率の優位性を持つ不等速高効率攪拌機の自動化

フジヤマジャパン株式会社

この事例のポイント

  • 後発の攪拌機業界に参入するため、他社にない機能を持つ攪拌機を開発する必要があった。
  • 2012年10月に実験用攪拌機を作成し、この装置を基にデータを収集した。
  • 原料の配合・調合による組成の均質化や、異質な材料の混合による新機能の創出など、当初想定した機能を備えた攪拌機を完成させた。

事業者のプロフィール

事業者名フジヤマジャパン株式会社
所在地滋賀県 大津市
業種生産用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数20人
資本金1,000万円
設立2002年

事業の背景

当社は2002年創業で、半導体製品の製造装置や産業用機械装置の開発、設計、製造、販売を行っている。中国上海の食品業界の展示会で現地から小型攪拌機の要望を受けたことが、攪拌機開発の始まりである。帰国後に国内の攪拌機市場を調べたところ、撹拌の種類や速さ、能力などの機能を備えた攪拌機が求められていると考えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術後発の攪拌機業界に参入するため、他社にない機能を持つ攪拌機を開発する必要があった。
  • 新製品・新技術攪拌機の品質向上や高機能化には新材料開発に使える攪拌機が求められていたが、実験用の装置や必要なデータが不足していた。

やったこと

2012年10月に実験用攪拌機を作成し、この装置を基にデータを収集した。撹拌の高効率化、撹拌時の時間短縮、特殊素材の撹拌、撹拌効率の条件出し、制御プロセスなどの機能を持つ、他社製品とは異なる攪拌機を2014年12月に完成させた。原料の配合・調合による組成の均質化や、異質な材料を混ぜることで新たな機能を生み出す点など、当初想定した機能をクリアした。2014年5月に「撹拌装置」として特許を出願し、2017年8月に特許第6195276号として登録された。

新しい製品・サービス:不等速高効率攪拌機

事業の効果

原料の配合・調合による組成の均質化や、異質な材料の混合による新機能の創出など、当初想定した機能を備えた攪拌機を完成させた。創業以来初めての特許を取得した。一方で、試作機の販売価格は想定の380万円に対し約600万円となったため、設計変更によるコストダウンを進める予定である。分解洗浄の容易さなど課題も残っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    半導体製造装置や産業用機械の開発・製造を行う中で、攪拌機を3本目の柱に育てる方針が示されており、事業の位置づけは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    中国の展示会で海外顧客から要望を得て、他社にない機能を持つ攪拌機を目指したとあり、差別化の方向性は読み取れる。ただし市場シェアや数値の裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決2

    分解洗浄の行いやすさなど課題が残ると記載されるが、高付加価値化につながる具体的な事業計画までは示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売価格を380万円から約600万円に変更せざるを得ないとあり、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員20人で、今後の業種別ソフトやユーザー仕様対応のため社内体制を整える予定と書かれているが、具体的な人員計画は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    食品・化粧品・薬品・塗料業界の市場規模(約5,000社、約1,000社等)と微粒子製造技術への注目が示され、顧客ターゲットが明確である。

  • 事業化までの道筋3

    分解洗浄の改善や業種別ソフト開発、コストダウン設計変更など課題と方針は示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    攪拌機は日本市場で後発であり、他社にない機能と高機能化を目指す点が示されており、高付加価値化の方向性が読み取れる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    日本のものづくりの発展への貢献を願うとあるが、雇用創出や波及効果の具体的な数値は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは補助金投入額に対する費用対効果を読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    撹拌の高効率化や制御プロセスを開発したとあるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ファインケミカルや医薬品向け新素材開発への進出が書かれ、成長分野への展開がうかがえるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県大津市の事業所は記載されるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

主なユーザーである食品業界(約5,000社)、化粧品業界(約1,000社)、薬品業界(約2,000社)、塗料業界(約200社)に加え、ファインケミカルや医薬品などの新素材開発会社へ販売を予定している。攪拌機を半導体製造装置や産業用機械に次ぐ3本目の柱に育てたい考えである。また試験場や大学など研究機関(約758機関)での利用も期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

山梨県平成24年度

細骨用インプラントの試作開発

動物病院の先生方に話を聞き、現場のニーズを把握したうえで試作を繰り返した。

効果:インプラントの最小径 1.5mm→1.2mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。