ものづくり補助金平成25年度製造業愛知県

自動車プラスチック部品の異材質一体成形金型による低コスト、短納期化の為の試作開発

有限会社加藤製作所

この事例のポイント

  • 老朽化した設備では必要な加工精度が出せず、手間がかかってコストや納期に影響していた。
  • 平成25年度補正の中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業を活用し、ワイヤ放電加工機を1台導入した。
  • ワイヤ放電加工機で金型部品を高精度に切り出せるようになり、後工程の手間が省けて効率的な高精度部品の製造が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社加藤製作所
所在地愛知県 岡崎市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数14人
資本金300万円
設立1982年

事業の背景

主要取引先の自動車部品メーカーは、製品のコストダウンや品質向上を常に追求していた。自動車の樹脂製機能部品は、性質の異なる2種類の樹脂を1台の射出成形機で一体成形する新たな製法へ切り替わりつつあった。一部の自動車部品メーカーはすでに異材質一体成形による機能性部品を製造していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度老朽化した設備では必要な加工精度が出せず、手間がかかってコストや納期に影響していた。
  • 人手・技能異材質一体成形向けの2色金型の開発経験がなく、先行他社の2色金型を借りて構造や仕組みを研究する必要があった。
  • 新製品・新技術2色金型の開発には、金型内部や樹脂の流れる経路で発生するガスの排出と、成形品を取り出す際の離型性という問題を解決しなければならなかった。

やったこと

平成25年度補正の中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業を活用し、ワイヤ放電加工機を1台導入した。同機は微細加工が可能で、金型やスライドカムの部品を材料から高精度に切り出せる。先行他社で使われていた2色金型を借りて構造と仕組みを研究し、熱伝導性の良く冷却効果の高い材料に変更したうえで、離型剤やコーティング材との相性をテストして最適な組み合わせを導いた。ガスを送り出す微細な溝や穴を金型の設計に盛り込み、導入したワイヤ放電加工機で微細加工を行った。試作型を作って取引先企業で成形テストを繰り返し、部品の微調整や改良を重ねて本格的な量産向けの2色金型を完成させた。

加工機ワイヤ放電加工機

新しい製品・サービス:異材質一体成形向けの2色金型

事業の効果

ワイヤ放電加工機で金型部品を高精度に切り出せるようになり、後工程の手間が省けて効率的な高精度部品の製造が可能になった。2色金型の開発に成功してノウハウを蓄積したことで、技術力と競争力が向上した。取引先の部品メーカーは2色金型のほとんどを同社に依頼するようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    取引先の要求に応えるため異質材一体成形金型に挑戦したと書かれ、既存の金型事業との関連は読めるが経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    主要取引先のコストダウン・品質向上の追求や、同社周辺で同金型を手がける企業がほとんどなかった点が書かれ、強みの一端はうかがえる。

  • 課題の認識と解決3

    離型性・ガス抜きなど課題の認識と、ワイヤ放電加工機導入による高精度化が書かれ、課題解決の方向は読めるが事業計画としての詳細は薄い。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    試作に取引先と協力して取り組んだとあるが、人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    取引先の自動車部品メーカーからの要求や、2色金型のほとんどを同社に依頼する状況が書かれ、顧客ニーズの裏付けはある程度読める。

  • 事業化までの道筋3

    試作型を作り取引先で成形テストを繰り返し、微調整や改良を経て本格量産向け金型を完成させた流れが書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    異質材一体成形の2色金型は周辺に手がける企業がほとんどなく、小物部品中心から大きな部品へ展開する高付加価値化の方向が書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車樹脂部品の製造法の変化に対応する点はうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出についての記述は少ない。

  • 費用対効果2

    工程数削減によるコストダウンや納期短縮が書かれるが、補助金投入額に対する効果を示す数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    異材質一体成形による工程削減や機能性向上が自動車部品のサプライチェーンに関わる点は読めるが、先端デジタル技術の記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車の樹脂製機能部品が異材質一体成形品へ切り替わる流れは書かれ、構造転換との関連がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    岡崎市の所在は示されるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済成長についての記述はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は付加価値の高い、より大きなサイズの部品向けの金型を手がけていく方針である。

事業者の声

ほかの金型メーカーも参入してくるようになってきた

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。