ものづくり補助金平成25年度製造業岐阜県

革新的な接合技術等により耐震性に優れ、広い空間設計が可能な建築物の開発・普及事業

有限会社 ライン工業

成果接合強度 11.27kN→18.35kN

この事例のポイント

  • 全く新しい構造である囲柱ラーメン木構造の建築の実績がなく、開発の途上にある。
  • 鉄のピンを油圧で木材に圧入して接合する油圧挿入機を導入した。
  • 接合強度 11.27kN→18.35kN。油圧挿入機の導入により接合強度が1.6倍に向上し、組み立て人員が減って人手を39%削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 ライン工業
所在地岐阜県 可児市
業種生産用機械器具製造業
技術分野接合・実装
従業員数9人
資本金1,000万円
設立1985年

事業の背景

もともとは鉄製品の製造を専業で手掛けてきた会社で、囲柱ラーメン木構造の接合に使う金物も自社で全て手掛けている。11年前に一級建築士の資格を持つ創業者の息子が入社し、大開口の小型建築物のニーズに着目して木造ラーメン構造の開発に乗り出した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術全く新しい構造である囲柱ラーメン木構造の建築の実績がなく、開発の途上にある。
  • 品質・精度エアー工具で接合すると強度が不足していた。
  • 人手・技能エアー工具での接合は手間がかかり、1柱あたり2.8人が必要だった。
  • コスト・採算木にパイプを通す作業などに時間とコストがかかっていた。

やったこと

鉄のピンを油圧で木材に圧入して接合する油圧挿入機を導入した。エアー工具で接合した試験体や、金物の長さを短くして油圧挿入機で接合した試験体など、10体の試験体を試作して破壊試験で強度を測り、課題を探った。油圧挿入機を使った試験体の実証実験は県立森林文化アカデミー(美濃市)に外注して行った。当初使用していたオウシュウアカマツを地域の産地に近い東濃桧に切り替え、一般流通材を組み立てて使うことに成功した。2019年1月に第一号建築として自社事務所を完成させた。

加工機油圧挿入機

新しい製品・サービス:囲柱ラーメン木構造による大開口の木造建築物

事業の効果

  • 接合強度 11.27kN→18.35kN
  • 組み立て人員 2.8人/柱→1.7人/柱

油圧挿入機の導入により接合強度が1.6倍に向上し、組み立て人員が減って人手を39%削減できた。木にパイプを通す作業が不要になり、時間とコストも削減された。東濃桧の一般流通材を使えるようになり、低価格での普及の土台が整った。第一号建築として完成した事務所は、県内のホテルやクリニックなどからの引き合いにつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉄製品の製造を手掛けてきた会社が、一級建築士の息子の入社後に木造建築の新規事業へ展開した経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大開口の小型建築物のニーズに着目し、鉄工所の金物製作の強みを活かす点が書かれている。市場規模などの数字はない。

  • 課題の認識と解決4

    エアー工具接合で強度が11.27kNと不足し手間もかかった課題を、油圧挿入機で18.35kNに向上させ1.7人で組めるようにした。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    強度1.6倍、人手39%削減、組み立て人員の半減を目指すなど数値目標と実績が具体的に示されている。

  • 事業を進める体制2

    産官学の協力や外部機関での実証実験に触れているが、体制や人材の具体的な配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大開口・木の質感・設計自由度を訴求し、県内ホテルやクリニックからの引き合いがあると書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    試作10体の検証から、東濃桧への切替え、2018年着工・2019年完成と、段階的な進め方が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    木造ラーメン構造は鉄骨造が一般的な大開口建築で、囲柱ラーメン木構造は全く新しい構造だと明記されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域の宝である東濃桧の活用や地域貢献に触れているが、雇用や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果4

    投入額は書かれていないが、人手39%削減や強度1.6倍、時間とコストの削減という効果が具体的に示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    新しい接合技術と木造化は読み取れるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    鉄工所から木造建築へ事業領域を広げている点はうかがえるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    東濃桧の産地に近い地域資源を活かし、低価格での普及と県内からの引き合いが書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

より自由な構造の建物を造れるよう改良を続け、1階と2階ともに囲柱ラーメン木構造を用いたモデルハウスを造り、住宅や公共施設、カフェなどへの普及を目指す。

事業者の声

木のぬくもりを保ったまま、鉄骨造に限りなく近い木造で

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。