ものづくり補助金平成24年度滋賀県

小スペースで保管できる製造現場用のスマートな作業台車の試作

株式会社ティグ水口

この事例のポイント

  • 創業以来の下請け中心の経営から抜け出し、自社製品を持つ必要があった。
  • デザインと図面化は自社で行い、鉄製部品の焼付け塗装は外注した。
  • 補助事業の成果として特許を取得し(平成28年、特許番号6037352)、事業化を開始した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ティグ水口
所在地滋賀県 甲賀市
業種金属製品製造業
技術分野金型
従業員数22人
資本金1,000万円
設立1996年

事業の背景

当社は創業以来、ティグ溶接に特化してアルミ・ステンレス・チタンなどの非鉄金属の溶接加工を下請けとして経営してきた。このままでは下請体質から抜け出せないという思いが強くなった。当社の業績はここ数年、売上高2億円強/年の横ばい状況が続いていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他創業以来の下請け中心の経営から抜け出し、自社製品を持つ必要があった。
  • 新製品・新技術自社の製造現場の作業効率化に役立つ作業用台車に着目し、自社開発に取り組む必要があった。

やったこと

デザインと図面化は自社で行い、鉄製部品の焼付け塗装は外注した。オリジナルのアルミ型材を押し出し、当社が特化したティグ溶接を使って鉄とアルミを組み合わせた作業用台車を製作した。4種類のサイズで積み上げが可能な構造とし、1トンの許容加重を持つアルミフレーム材を採用した。未使用時に積み重ねて収納でき、取手バーもフレーム材の内側に簡単に収納できる構造とした。全車輪にワンタッチブレーキを備えた安全構造とし、価格を抑えて様々な顧客ニーズに応えられる台車を試作完成させた。

新しい製品・サービス:ワーゴン(作業用台車)

事業の効果

補助事業の成果として特許を取得し(平成28年、特許番号6037352)、事業化を開始した。当初目標の売上高3000万円には届いていないが、当初計画より2年遅れで昨年度は80台、売上500万円を計上した。特許製品のため粗利益率は50%の高利益率を確保できている。取扱商社は5社になったが、会社全体の売上への貢献はわずかにとどまっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    下請体質からの脱却を目的に自社製品開発へ転換したと書かれ、これまでのTIG溶接ノウハウを活かす一貫性はあるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    TIG溶接の特化ノウハウと特許取得(PT.No.6037352)、粗利益率50%、取扱商社5社といった強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決3

    売上高2億円強の横ばい状況という課題は示されるが、高付加価値化や成長につながる計画の具体策は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    目標売上3,000万円に対し昨年度80台・500万円と示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員22人で溶接加工を行い、試作・特許取得・商社との取引を進めた実績はあるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    積み重ね収納・取手バー内側収納・ワンタッチブレーキ・1トン許容加重など、選ばれる理由が具体的な数字や構造で示されている。

  • 事業化までの道筋3

    当初計画から2年遅れで事業化し、今後は営業機能の付与や展示会出展を進めると書かれているが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    作業用台車は一般的な製品分野だが、折りたたみ・積み重ね収納を備えた特許製品で高水準の粗利益率を確保している点は読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の中小製造業の下請体質からの脱却という側面はうかがえるが、経済波及や雇用創出の積極的な理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    補助事業で試作した台車が昨年度500万円の売上と粗利益率50%を生んだと示され、費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    滋賀県甲賀市の事業者として地域の金属加工技術を活かした製品と読めるが、地域経済への牽引効果の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在は当社指定の商社5社に販売を任せているが、自社に営業機能を持たせ、展示会への積極的な出展などマーケティング戦略を立てて、当社の主力製品に育てていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。