ものづくり補助金平成24年度広島県

摩擦攪拌接合(FSW)技術を用いた液晶装置部品における生産技術の開発・試作

タイム株式会社

この事例のポイント

  • 顧客から打診された試作を社内で設計・解析できず、エビデンスを伴う製作を速やかに提案することが難しかった。
  • 特許技術である二次元集積配管技術(TVFS)を用いた新製品の設計と解析を社内で行える体制を整えた。
  • 社内で顧客の要望する製品の設計ができるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名タイム株式会社
所在地広島県 三原市
業種金属製品製造業
技術分野溶接
従業員数60人
資本金3,000万円
設立1988年

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術顧客から打診された試作を社内で設計・解析できず、エビデンスを伴う製作を速やかに提案することが難しかった。
  • 人手・技能製作加工とプログラミングを社内で行えず、量産対応や高能率化、高速化、短納期化を実現する体制が不足していた。

やったこと

特許技術である二次元集積配管技術(TVFS)を用いた新製品の設計と解析を社内で行える体制を整えた。摩擦攪拌接合(FSW)を用いたTVFSに5軸CAD/CAMと三次元CAD/CAEを導入し、既存製品の製造に加えて新製品の試作・製造を行えるようにした。CAMにより顧客の詳細な要求に即した水路や液媒路を社内で検討できるようにした。CAEにより部品内部にかかる熱シミュレーション、高周波の電場分布、熱影響の解析を行えるようにした。製作加工とプログラミングを自社内で行い、ワンストップで顧客の要望に応える体制とした。

ソフト5軸CAD/CAM
ソフト三次元CAD/CAE

新しい製品・サービス:摩擦攪拌接合(FSW)技術を用いた液晶装置部品の生産技術(二次元集積配管技術TVFS)

事業の効果

社内で顧客の要望する製品の設計ができるようになった。熱と応力の解析結果をエビデンスとして提案できるようになった。その結果、2014年にホットプレート試作、2016年に液晶パネル冷却用アルミプレート試作、2017年に銅温調プレートとSUS埋設ヒートシンク試作、2018年にフランジガスライン試作を受注した。今後は異なる素材の接合により高い熱伝導率と防食性を実現し、信頼性の高い冷却装置を検査装置等に提供する計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組として2014年から受注実績が並ぶが、経営戦略上の位置付けは文章で明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    特許技術の二次元集積配管技術と社内設計・解析の強みが示されるが、市場動向との対比は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    熱・応力解析で提案するという課題解決の方向は示されるが、高付加価値化の数値目標は読み取れない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    受注件数の推移は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    社内で設計・解析・製作・プログラミングを行う体制は読み取れるが、人員配置等の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    熱交換プレートや液晶用冷却などの用途と、接合強度・軽量性の利点は示されるが顧客ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    次世代有機EL製造装置への展開や今後の展望は書かれるが、スケジュールや課題の解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    二次元集積配管技術は母材同等の強度で自由な流路を形成でき、ステンレスによる防食など高性能化が具体的に説明されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    液漏れが問題となる検査装置等への信頼性向上に言及するが、雇用創出や波及効果の記述はない。

  • 費用対効果2

    組立時間の短縮や量産対応のメリットは述べられるが、投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMやCAEによる社内設計・解析の導入が示され、製造技術の高度化に寄与する方向は読み取れる。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    三原市の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

異なる素材のパイプを埋め込み、高い熱伝導率と防食性を実現する。次世代有機EL製造装置の成膜用真空チャンバーにも対応可能とする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。