ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

熱電変換モジュール耐久試験機の開発と事業拡大に向けた設備導入

コトヒラ工業株式会社

この事例のポイント

  • 熱電変換モジュールの耐久試験に対応できる試験機は現行機では性能・機能が限定されており、ユーザーの要求する試験条件によっては対応を断る場面が少なくなかった。
  • 構造伝熱解析システムを導入し、開発期間の短縮を図った。
  • 高性能・高機能なモジュール耐久試験機が開発でき、多様なユーザー要望に迅速に対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名コトヒラ工業株式会社
所在地長野県 東御市
業種金属製品製造業
技術分野情報処理,精密加工,測定計測
従業員数346人
資本金4,000万円
設立1940年

事業の背景

同社はユニットバスパネル、製缶・板金、自社製品の3本柱で事業を行い、ユニットバスパネルは国内トップクラスのシェアを持つ。リーマンショックによる受注減少を受けて自社製品開発に注力し、この2年間で自社製品の売上げは対前年比1.5倍ずつと大きく伸びている。熱電変換技術は大学や研究機関で開発が進み、相当な市場があると期待されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力熱電変換モジュールの耐久試験に対応できる試験機は現行機では性能・機能が限定されており、ユーザーの要求する試験条件によっては対応を断る場面が少なくなかった。
  • 新製品・新技術熱電変換技術の開発を早めるため、構造伝熱解析システムを導入して開発期間を短縮する必要があった。
  • 品質・精度純銅ホットプレートの加工条件が最適化されておらず、高温での耐久性を改善する必要があった。
  • 人手・技能モジュール耐久試験機の計測作業を自動化する仕組みがなかった。

やったこと

構造伝熱解析システムを導入し、開発期間の短縮を図った。純銅ホットプレートの加工条件を最適化し、高温耐久性を改善した。これらを基にモジュール耐久試験機を試作し、高性能化・高機能化を検証した。自動計測システムを開発した。

ソフト構造伝熱解析システム
検査測定モジュール耐久試験機
検査測定自動計測システム

新しい製品・サービス:熱電変換モジュール耐久試験機

事業の効果

高性能・高機能なモジュール耐久試験機が開発でき、多様なユーザー要望に迅速に対応できるようになった。今後は日本熱電学会や排熱発電コンソーシアムを通じて情報発信を行い、事業拡大を目指す。2015年に熱電変換モジュール耐久試験機を開発し、大学・企業などに10数台を納入した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組として熱電変換の試験装置開発に約10年取り組んだと書かれており、一貫性はうかがえるが経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    現行機が小型・安全・安価と好評だが性能・機能が限定され対応を断る場面があったと書かれ、強み弱みは読み取れるが分析は具体的でない。

  • 課題の認識と解決3

    ユーザーの声から4つの開発課題を挙げ、ソフト・ハード両面の課題解決に取り組んだと書かれるが、売上や付加価値の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げを実現する目標値は書かれておらず、わずかに事業拡大の方向性がうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    県内最大級の門型加工機など設備と人材採用の取組が書かれるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大学や研究機関で熱電変換技術の開発が進み、相当な市場が期待されると書かれ、ニーズの背景はあるが顧客ターゲットは曖昧。

  • 事業化までの道筋3

    試作と試験を経て2015年に開発し10数台を納入したと書かれ、中長期の進め方の一部は読み取れるが詳細なスケジュールはない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    熱電変換モジュールの試験機は他社に先駆けて開発したとあり、高性能・高機能で普及度の低い分野への取組が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    熱電変換が排熱を電気に変えるとしてCO2削減や省エネに注目されると書かれるが、雇用や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果を示す数値は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献3

    大学や研究機関と共同で新製品開発に取り組むと書かれ、イノベーションへの貢献はうかがえるが具体性は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    熱電変換など環境・エネルギー分野への進出が書かれ、構造転換への寄与はうかがえるが政策的な位置づけは明示されない。

  • 地域経済への波及2

    長野県東御市の企業として県内の受注拡大に触れるが、地域特性を活かした雇用創出の記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

日本熱電学会や排熱発電コンソーシアムを通じて情報発信を行い、事業拡大を目指す。新工場完成で売上高140億円台の回復を目指している。

事業者の声

熱電変換の研究は世界レベル。相当な市場があると期待しています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。