ものづくり補助金平成25年度製造業岐阜県

革新的な型紙による高度な運動機能開発と生産効率化によってメードイン・オンリージャパンを目指す

サンエース株式会社

成果型紙開発の工程数 16工程→7工程

この事例のポイント

  • カーブやバイヤスなど手間を要する縫製が多用され、裁断にも高度な技術が必要で、品質のばらつきが生じていた。
  • 3DアパレルCADと、そのデータから自動裁断ができるCAM、袖付けや釦付けなど縫製の作業効率を高める5種類のミシンを導入した。
  • 型紙開発の工程数 16工程→7工程。3DアパレルCADにより型紙開発の工程が大幅に減り、所要時間も短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名サンエース株式会社
所在地岐阜県 岐阜市
業種繊維工業
技術分野立体造形
従業員数15人
資本金2,000万円
設立1943年

事業の背景

当社は創業以来、生産性より着用時の着心地を優先したものづくりを続けてきた。近年は多様な価値観で自分らしさを表現する衣服が求められており、日本の繊維業が生き残るには個性や機能を実現し、感動という付加価値を感じてもらえる技術力が必要と考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度カーブやバイヤスなど手間を要する縫製が多用され、裁断にも高度な技術が必要で、品質のばらつきが生じていた。
  • コスト・採算従来の試作と着用を繰り返す型紙開発では手間と時間がかかりすぎ、縫製時間とコストがかさんでいた。
  • 新製品・新技術運動機能を最重要視した新技術の開発には、従来の型紙開発手法では対応しきれなかった。

やったこと

3DアパレルCADと、そのデータから自動裁断ができるCAM、袖付けや釦付けなど縫製の作業効率を高める5種類のミシンを導入した。新たなパターンによるジャケットの試作を通して、3DアパレルCADで工程数が削減できるか、CAMと最新特殊ミシンでどの程度時間が短縮できるかを検証した。3DアパレルCADで着内圧をデータ上で可視化し、CAMで生地への型入れ・裁断を自動で行った。着用時に腕に負荷のかかる位置を設定し、負荷を軽減する袖パーツを製作した。

ソフト3DアパレルCAD
ソフトCAM
加工機高速特殊ミシン(袖付けや釦付けなど縫製の作業効率を高める5種類)

新しい製品・サービス:機能パンツ「サイクルパンツ」(独自パターン使用)

事業の効果

  • 型紙開発の工程数 16工程→7工程
  • 所要時間も約2日間と大幅に短縮
  • CAMによる裁断作業時間は4分の1から5分の1に軽減された
  • ジャケット1着の縫製時間 1.5時間→8時間

3DアパレルCADにより型紙開発の工程が大幅に減り、所要時間も短縮した。CAMと高速特殊ミシンにより裁断と縫製の作業時間も大きく減った。伸度の少ない素材でも着心地や運動機能を高める技術が確立し、社内での効率的な生産体制が整った。新技術は実用新案を取得し、動態立体の商標権も取得してブランド化を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来、着心地を優先したものづくりを続けてきたとあり、運動機能の新技術開発へ展開する経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    個性や機能を重視する市場の変化と、自社工場で一貫生産できる技術力に言及しているが、競争優位の根拠となる数値や比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    型紙開発で16工程から7工程への削減、所要時間の約2日間への短縮など、課題に対する具体的な改善効果が数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    作業時間が4分の1から5分の1に軽減、縫製が1日半から8時間に短縮されたなど数値目標に近い実績が示されている。ただし将来の付加価値目標は明示されていない。

  • 事業を進める体制3

    オペレーターの技術習得を図ったこと、人材育成に力を注いできたことは書かれているが、体制や事務処理能力の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    サイクルパンツの特徴として運動時のスムーズな動きが示され、ゴルフなどスポーツ市場での需要増への期待も述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    試作と検証を経て導入効果を確認し、商品化や商標取得、ブランド化へ進む流れは示されているが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    動態立体という独自の技術・商標を持ち、個性と機能を求める高付加価値化を図る取組であることが具体的に示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    スポーツ市場などでの需要増への期待はうかがえるが、国が補助する雇用創出や波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    工程削減や時間短縮の効果は数字で示されているが、補助金額に対する付加価値増加の試算は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3DCADとCAM連動による自動裁断というデジタル活用が示されているが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    繊維業が個性や機能で生き残る道を示す記述はあるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    岐阜市の自社工場で一貫生産している点はうかがえるが、地域の経済成長を牽引する具体的な記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

サイクルパンツは自転車やバイクに乗る際にも通常よりテンションを感じさせずスムーズな動きが可能になり、ゴルフなどスポーツ市場でも今後の需要増が期待できる。

事業者の声

近年、多様な価値観で自分らしさを表現する衣服が求められる時代に、日本の繊維業が生き残る道は個性や機能を実現し、着る人に感動という付加価値を感じてもらえる高い技術力だと考えています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。