ものづくり補助金平成25年度製造業岐阜県

産業用途向け高効率・大容量ブラシレスDCモータ制御装置の開発

株式会社イーエスピー企画

成果ベクトル制御演算時間 40μ秒→19μ秒

この事例のポイント

  • 産業用途向けの大容量ブラシレスDCモータ制御装置を開発した。
  • ベクトル制御演算時間 40μ秒→19μ秒。ベクトル制御演算が40μ秒から19μ秒に短縮され、高速処理が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社イーエスピー企画
所在地岐阜県 羽島市
業種電気機械器具製造業
技術分野機械制御,情報処理
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1994年

事業の背景

東日本大震災以降、産業界ではモータの省エネ化が課題となっている。現在主流の誘導電動機から、効率がよく省エネ化が期待できるブラシレスDCモータへの置き換えが徐々に進められているが、産業(製造業)および業務分野ではまだ進捗していない。国内総電力消費量の57%はモータが消費しており、そのうち1/2が産業用、1/4が業務用、1/4が家庭用と、産業用途の占める割合は極めて高い。

課題と取り組み

やったこと

産業用途向けの大容量ブラシレスDCモータ制御装置を開発した。ベクトル制御演算を高速処理するベクトル制御基板、モータ供給電力を高速スイッチングするPWM駆動ドライバ回路、チューニング用波形表示&レコーダ基板、負荷トルク印加装置を開発した。ベクトル制御基板では、ベクトル制御演算を従来の40μ秒から19μ秒まで短縮した。PWM駆動ドライバ回路は駆動電圧が最大400V、駆動電流は最大80Aまで対応する。チューニング用波形表示&レコーダ基板では制御CPU内部のパラメータもリアルタイムに表示し、同時表示波形のチャネル数は当初目標の8チャネルを上回る20チャネルを実現した。負荷トルク印加装置はコンパクトな装置にまとめた。

検査測定チューニング用波形表示&レコーダ基板
その他負荷トルク印加装置
その他PWM駆動ドライバ回路
その他ベクトル制御基板

新しい製品・サービス:産業用途向け高効率・大容量ブラシレスDCモータ制御装置

事業の効果

  • ベクトル制御演算時間 40μ秒→19μ秒
  • 同時表示波形のチャネル数 8チャネル→20チャネル

ベクトル制御演算が40μ秒から19μ秒に短縮され、高速処理が可能になった。同時表示波形は20チャネルを実現し、作業の大幅な効率化につながった。大容量ブラシレスDCモータ制御装置は最大80Aまで対応し、新しいモータ開発の足場を築くことができた。開発したベクトル制御開発プラットフォームやソリューション・ボード・キット商品の販売により、ゼロからの高効率モータ開発が負担となる企業も導入しやすくなり、省力型工場転換への着手を促している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成3年の教材開発から回路設計・産業用システム・ソフト開発へ広がった経緯が書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ハードウェア設計技術に定評があると書かれ、国内総電力の57%をモータが消費するという数字で市場を示し、強みと外部環境の関係は読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    誘導電動機の消費電力が多いという課題と、効率10〜50%改善の目標は示されるが、高付加価値化・成長につながる計画としての記述は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    効率10〜50%の改善期待は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性も判断できない。

  • 事業を進める体制3

    従業員数8人、資本金1,000万円と規模は示されるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な説明は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ベクトル制御の開発プラットフォームや開発ソリューション・ボード・キットを販売し、導入が容易になると顧客像と提供価値が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    開発から事業化まで三つの事業化が挙げられているが、各段階の時期や課題解決の方法、スケジュールは具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    産業分野ではブラシレスDCモータへの置き換えが進んでおらず、ゼロから高効率モータを開発する企業の負担が大きいと書かれ、普及度は低い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    東日本大震災以降の省エネ要請や国内電力消費の57%がモータ由来という数字から、国が省電力型工場化を支える理由は読み取れる。

  • 費用対効果2

    ベクトル制御演算が40μ秒から19μ秒に短縮された効果は書かれているが、補助金額に対する付加価値や生産性の費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ベクトル制御や高速スイッチングの技術開発と省電力型工場への転換が書かれ、業界全体への貢献がうかがえるが、サプライチェーンへの波及は明記されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    省電力型工場への転換を指向する産業界の流れに沿い、省力型工場転換への着手を促すと書かれ、構造転換への寄与がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    岐阜県羽島市に所在することが記載されているのみで、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出についての記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ベクトル制御開発プラットフォームやブラシレスDCモータ開発ソリューション・ボード・キット商品の販売を開始し、大手企業との商談が進み始めている。学習キットの生産、販売も開始した。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。