ものづくり補助金平成25年度製造業岐阜県

高精度の断裁機とオンデマンド印刷機による効率的な少量多品種生産

アーテック株式会社

成果かぶり 1mm→0.1mm

この事例のポイント

  • 敷紙は少量・多品種生産で断裁の種類や量が非常に多く、断裁作業に時間がかかっていた。
  • 高精度の新型断裁機を導入し、切り出しのスピードを従来機と比較して計測した。
  • かぶり 1mm→0.1mm。新型断裁機の導入により、断裁作業の時間が大幅に減り、切り出しの精度も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名アーテック株式会社
所在地岐阜県 岐阜市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野情報処理
従業員数30人
資本金1,000万円
設立1990年

事業の背景

当社は和紙を基調としたテーブルマットや懐紙などのテーブルウェアを、全国のホテル・旅館・和食店向けに企画・製造・販売している。商品数は3,000点を超え、特許取得済みの「遠赤抗菌和紙」を使用している。日本食が無形世界文化遺産に登録され、料理を彩る演出小物のニーズも高まっている。売上では、企業名やロゴを印刷する名入れ商品の占める割合も大きい。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力敷紙は少量・多品種生産で断裁の種類や量が非常に多く、断裁作業に時間がかかっていた。
  • 品質・精度大量の紙を裁断すると上層と下層の寸法に誤差が出る「かぶり」が生じ、約0.5~1㎜程度発生していた。
  • 納期・工程オリジナル印刷のほとんどを外注しており、印刷に1~2週間かかっていた。
  • コスト・採算外注に頼る工程が多く、内製化による業務効率化とコスト低減が求められていた。
  • 品質・精度凹凸のある和紙をサンプル品で使うと、毛羽立ちや紙粉の発生による不良が出ていた。

やったこと

高精度の新型断裁機を導入し、切り出しのスピードを従来機と比較して計測した。カットサイクルを速め、1回ごとの断裁コース設定を素早く行えるようにした。オンデマンド印刷機ORPHISEX7200を導入し、サンプル品の試作に取り組んだ。試作では活版印刷と大差ない再現性を確認した。紙の静電気や紙粉を除去できる「エアジョガー」を導入し、凹凸のある和紙の不良を解消した。

加工機断裁機 eRX-100DX
加工機オンデマンド印刷機 ORPHIS EX7200
その他エアジョガー

新しい製品・サービス:箸袋やのし紙など付加価値を感じてもらえる商品の開発

事業の効果

  • かぶり 1mm→0.1mm

新型断裁機の導入により、断裁作業の時間が大幅に減り、切り出しの精度も向上した。かぶりは0.1㎜以下に抑えられ、より高品質な製品を提供できるようになった。オンデマンド印刷機により、従来1~2週間かかっていた印刷を内製化でき、午前中の注文が午後に出荷できるようになった。現物に近いサンプルを迅速に作れるため、受注に結び付いている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のオリジナル商品と名入れ印刷の売上比率が高いと読めるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    約3,000種の商品ライナップと遠赤抗菌和紙の特許を強みとして挙げるが、市場動向との関係は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    外注で1~2週間かかった印刷が午前受注・午後出荷になった点など、課題と効果が具体的に示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、受注増を目指すとのみ記載されている。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材、事務処理能力についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ホテルや料亭向けのテーブルウェアで、印刷の再現性やサンプル提案の迅速化が選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は本美濃紙を使った商品やギフト関連への展開が書かれるが、スケジュールや課題の解決方法は具体化されていない。

  • 財務と資金の調達2

    本事業後に2台目の断裁機を自己資金で導入したとあるが、財務状況や資金調達の詳細は書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    和紙テーブルウェアの高品質化や遠赤抗菌和紙の特許に触れるが、市場の普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    本美濃紙の魅力を広め地域産業の活性化に貢献すると記載されるが、波及効果の定量的な説明はない。

  • 費用対効果4

    断裁の作業時間を大幅低減し、印刷の外注を内製化してコストダウンが見込めるなど、効果が具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル印刷機の活用は書かれるが、サプライチェーンや地域のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    本美濃紙を用いた商品で地域産業の活性化に貢献するとあり、地域の特性活用はうかがえるが具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は、ユネスコ無形文化遺産に登録された「本美濃紙」を用いたテーブルウェアやギフト関連商品の企画・製造・販売にも着手したいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。