ものづくり補助金平成25年度製造業岐阜県

真空昇華転写技術による印染製品や風呂敷の開発と販路開拓による地域活性化

有限会社 福田屋

成果プレス時の絵柄のズレ 5mm→1mm

この事例のポイント

  • 型を作るのにコストがかかり、顧客の費用を抑えたい要望に色を減らすなど不本意な提案をせざるを得なかった。
  • デザインをパソコン上に取り込み、大型プリンターで表面と裏面の2枚の転写紙を作製し、2枚の転写紙の間に白い生地を挟んで染め上げる真空昇華転写プレス機(ハシマHSP-2412PV)と…
  • プレス時の絵柄のズレ 5mm→1mm。製造時間とコストがそれぞれ3割ほど下がり、オーダー通りのデザインを実現しやすくなって打ち合わせ時間も大幅に減った。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 福田屋
所在地岐阜県 大垣市
業種繊維工業
技術分野情報処理
従業員数2人
資本金300万円
設立1950年

事業の背景

創業明治18年の染め屋で、戦前は昔ながらの技法、ここ40年ほどはシルクスクリーンの技法で風呂敷などを作ってきた。主力は印染製品の製造販売。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算型を作るのにコストがかかり、顧客の費用を抑えたい要望に色を減らすなど不本意な提案をせざるを得なかった。
  • 品質・精度染料のつき方によっては細かい絵柄や文字がつぶれてしまうことがあった。
  • 新製品・新技術より好みのデザインに染め上げ、小ロットの注文にも応えられる新たな技法が必要だった。

やったこと

デザインをパソコン上に取り込み、大型プリンターで表面と裏面の2枚の転写紙を作製し、2枚の転写紙の間に白い生地を挟んで染め上げる真空昇華転写プレス機(ハシマHSP-2412PV)とコンプレッサーを導入した。表裏の絵柄のズレは1mm以内を目標に設定し、プレス前に人の手で絵柄を合わせられるよう、7本の蛍光灯を透明の台の下から光らせて紙と生地を透かすライトテーブルを導入した。試作では生地10種類で5~8mm程度のズレが生じ、熱で生地が縮んでいることが判明したため、先に生地だけをプレスして縮ませる工程を加え、転写紙にスプレーのりを振りかけることで1mm以内に収めた。

加工機真空昇華転写プレス機(ハシマHSP-2412PV)
その他コンプレッサー
検査測定ライトテーブル

新しい製品・サービス:デジタル技術を応用したオリジナル風呂敷

事業の効果

  • プレス時の絵柄のズレ 5mm→1mm
  • 製造時間とコストのそれぞれ3割減
  • 製造時間とコストのそれぞれ3割減

製造時間とコストがそれぞれ3割ほど下がり、オーダー通りのデザインを実現しやすくなって打ち合わせ時間も大幅に減った。オリジナルデザインの布の依頼にも応えられるようになり顧客の幅が広がった。卒業記念品のオリジナル風呂敷の受注が定着し、教材としての風呂敷の利用も生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業130年超の染め屋で、昔ながらの技法からシルクスクリーンへ移ってきた経緯が書かれ、デジタル融合も今の時代に沿う方針として一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    型コストがかかる従来法の難点や、顧客の費用抑制要望に色やサイズを減らして応じていた弱みが書かれ、小ロット対応で新市場を狙う方向が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    課題として単価・型コスト・細かい絵柄のつぶれを挙げ、導入後に製造時間とコストをそれぞれ3割ほど抑えたと具体的な数字で成果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標はズレを1㎜以内とされ、試作で5~8㎜のズレから原因を突き止め1㎜以内に収めた実績があり、付加価値の数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数2人と記載があるものの、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    オーダー通りのデザインや小ロット注文、卒業記念品の需要など顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ズレの原因を熱による生地の縮みと特定し、先に生地をプレスする工程追加などで解決した手順が書かれ、妥当性がうかがえる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    真空昇華転写による風呂敷の小ロットオーダーは、同分野で高付加価値化を図る取組と読めるが、普及度の裏付けは書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    風呂敷文化の普及や小学校の卒業記念品、中学校の授業での活用など地域の伝統継承への貢献が書かれている。

  • 費用対効果3

    製造時間とコストをそれぞれ3割減という成果が示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタル技術を融合させた染色技法とオリジナル風呂敷の受注という新しい取組が書かれ、地域への広がりもうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    大垣市の町の染め屋として地域の伝統を生かし、オリジナル風呂敷の受注で顧客の幅が広がったと書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はこの例をヒントに、オリジナル風呂敷をデジタルであつらえて使うことのすばらしさを発信していく方針である。

事業者の声

お客様 オリジナルの風呂敷作り

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。