ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

業界で初となる空気清浄設備を導入し、検品工程の高度化を図る“made in Japan”化粧用パフのトップメーカー

株式会社 井上

成果空気中のほこり 100%→0.2%

この事例のポイント

  • 大手化粧品メーカーから、目視では判別が難しいほどの小さなごみや異物の混入防止など、さらなる品質水準の向上を求められていた。
  • 今回の補助事業で空気清浄設備を新たに設置し、検品工程の高度化を図った。
  • 空気中のほこり 100%→0.2%。空気中のほこりを従前と比べて99.8%減らし、異物混入の完全防止に目処がたった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 井上
所在地和歌山県 伊都郡九度山町
業種繊維工業
技術分野製造環境
従業員数12人
資本金1億円
設立1968年

事業の背景

株式会社井上は1950年創業の化粧用縫製パフのメーカーで、化粧用縫製パフを主力に、スポンジや泡立てネットなどの化粧用品を製造し、化粧品会社や商社へ販売している。ポリエステル・ナイロン・コットン・アクリル・キトサン・シルクなど多数の生地を在庫として保有している。中国・タイ・カンボジアなどで製造された化粧用パフが多く流通するようになり、価格競争も厳しくなってきていた。同社は限度見本を用いてあらかじめルールを決めて検品を行い、品質面で評価を得ていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度大手化粧品メーカーから、目視では判別が難しいほどの小さなごみや異物の混入防止など、さらなる品質水準の向上を求められていた。
  • 品質・精度検品工程で取引先の求める高度な品質水準を満たす生産体制を構築する必要があった。
  • コスト・採算海外製の化粧用パフが増え、価格競争が厳しくなっていた。

やったこと

今回の補助事業で空気清浄設備を新たに設置し、検品工程の高度化を図った。機能・性能を工場内で検討し、設備メーカーと相談しながらレイアウト変更などを綿密に打ち合わせ、最適な仕様とレイアウトを決定した。空気清浄設備の導入により、不純物を外部から遮断し、内部に持ち込まれても排除できる仕組みを作り上げた。空気清浄設備を導入した作業場で作業を行うようになった。

その他空気清浄設備

事業の効果

  • 空気中のほこり 100%→0.2%
  • 不良率は従来の10分の1とすることができた

空気中のほこりを従前と比べて99.8%減らし、異物混入の完全防止に目処がたった。不良率は従来の10分の1にできた。空気清浄設備の活用により客観的な品質保証につながり、「品質の見える化」が進んだ。従業員の作業負担も軽減され、虫やほこりへの気遣いも不要になった。既存先からの評価向上や新規取引の成立にもつながり、既存得意先からの受注が増加している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組との一貫性は読み取れず、創業以来の化粧用縫製パフ製造が主力という事業内容のみ。経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中国・タイ・カンボジア製パフの増加と価格競争の激化を踏まえ、品質面で国内自社生産の強みを活かす方針が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    ほこり低減率99.8%や不良率を従来の10分の1にした記述から、品質課題を認識し高付加価値化につなげる計画が読み取れる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    既存得意先からの受注増や新規取引成立は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性の判断は難しい。

  • 事業を進める体制4

    取締役が生産と営業を兼務していることや工場長育成を進める方針が書かれており、体制の課題と対策が具体的に読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    丸型以外の変形デザインや成形リボンの自社作成に対応する点、限度見本による品質基準の明確化など、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    工場内検討や設備メーカーとの打ち合わせは書かれるが、中長期の検証やスケジュールの詳細は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    化粧用縫製パフの国内自社生産でトップクラスの生産能力とあり、高水準の品質による差別化は読み取れるが、市場規模や普及度の数値は書かれていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    海外流出したパフ製造を国内に回帰させたいという方針がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の具体的な記述は見当たらない。

  • 費用対効果2

    不良率の低減や受注増は書かれるが、補助金額に対する付加価値額の増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    九度山町という地域に立地する記述はあるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済への牽引効果は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

品質面で同業者との違いを積極的にアピールし、海外に流出しているパフ製造を国内に回帰させたいと考えている。新たな受注増加に向けて、工場長を育成し営業と生産管理を分担できる体制作りを進める予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。