ものづくり補助金平成25年度製造業岐阜県

細密化プリント基板の部品後付け工程の機械化による短納期化並びに低コスト化

有限会社エンドウ電子

成果4種テストピースの生産時間合計 991秒→596秒

この事例のポイント

  • 部品の後付け作業は熟練のハンダ付けに頼っており、作業に不慣れな間は部品や基板の破損、ハンダごての当て過ぎによる部品内部の破壊などが起こり、市場クレームにつながる恐れがあった。
  • 電子部品の後付けを機械化するため、局所ハンダ付け装置を導入した。
  • 4種テストピースの生産時間合計 991秒→596秒。局所ハンダ付け装置により、未経験者でも熟練作業者と同等以上の付加価値の高いハンダ付けができるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社エンドウ電子
所在地岐阜県 関市
業種電気機械器具製造業
技術分野接合・実装
従業員数24人
資本金300万円
設立1992年

事業の背景

各種プリント基板の組立や検査を行い、産業機器やFA機器をはじめ医療機器、民生機器など多岐にわたる分野の製品を扱っている。熟練作業者による手ハンダ付けに依存しており、ハンダ付けの作業者育成に時間がかかっていた。細密化された小型部品はチップマウンターでも実装できず、いまだに手作業で後付けしなければならない部品が多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度部品の後付け作業は熟練のハンダ付けに頼っており、作業に不慣れな間は部品や基板の破損、ハンダごての当て過ぎによる部品内部の破壊などが起こり、市場クレームにつながる恐れがあった。
  • 人手・技能高品質なハンダ付けができる作業者の育成には少なくとも1年から数年の教育期間がかかり、作業員の人数が限られる中で新たな作業者を育てることが難しかった。
  • コスト・採算手ハンダ付けによる生産時間が長く、低コスト化が課題となっていた。

やったこと

電子部品の後付けを機械化するため、局所ハンダ付け装置を導入した。局所ハンダ付け装置に窒素ガスを供給する窒素発生装置も導入した。4種類のテストピースを用い、未経験者が局所ハンダ付け装置と窒素発生装置で生産した基板と、熟練作業者が手ハンダ付けで生産した基板の所要時間とコストを比較した。

加工機局所ハンダ付け装置
その他窒素発生装置

事業の効果

  • 4種テストピースの生産時間合計 991秒→596秒
  • 4種テストピースの生産コスト合計 1,755円→1,170円

局所ハンダ付け装置により、未経験者でも熟練作業者と同等以上の付加価値の高いハンダ付けができるようになった。4種のテストピースの生産時間は991秒から596秒へ短縮され、コストも1,755円から1,170円へ下がった。品質が均一になり市場に出てからの不良品の低減が期待されるほか、一部の作業者の負担が軽減され、納期のストレスも和らいだ。その結果、受注にも好結果がつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成4年設立・昭和58年創業の電子部品組立事業を基盤に、後付け作業の機械化で受注拡大を図る方針が読み取れる。過去の取組との連続性は具体的には書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    市場クレーム発生の恐れや他社との差別化を検討したとあり、強みは読み取れるが、外部環境の分析内容は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    熟練者育成に1年から数年かかる課題を認識し、局所ハンダ付け装置で生産時間を約39%、コストを約33%削減する具体的な解決策が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    テストピースで生産時間を約39%短縮し、コストを約33%低減した実績値が示されており、目標の根拠は具体的である。賃上げや付加価値額の目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    経験豊富なハンダ付けスタッフの対応や作業者の人数制限は触れられているが、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期・低コストと品質安定が武器とされ、産業機器や医療機器など取引先も挙げられているが、顧客ターゲットの整理は簡潔である。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の成果と今後の営業展開は書かれているが、中長期の検証やスケジュールは具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    局所ハンダ付けの機械化で他社との差別化を図るとあるが、分野の普及度や高価格化の水準については書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    産業機器・医療機器など多様な分野に関わる電子部品実装の受注を通じて、地域の製造業に一定の影響がうかがえる程度である。

  • 費用対効果4

    テストピースの比較で時間短縮39%、コスト削減33%、部品1点あたり約16.1円の低コスト化など、費用対効果を数字で示している。

  • イノベーションへの貢献2

    窒素ガス発生装置を用いた局所ハンダ付けは機械化の一種だが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    岐阜県関市の企業として地域の製造業を支える事業とうかがえるが、地域特性を活かした付加価値の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在取引しているお客様からの受注拡大を図るとともに、同業他社にも営業を行い、短納期・低コストを武器に営業活動を展開していきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。