ものづくり補助金平成29年度製造業福島県

配線器具等の端子部品加工における自動プレスライン構築による短納期化計画

株式会社福島明工社

成果タッピングドリル本数 4本→8本

この事例のポイント

  • OA機器市場が堅調に増加する中で顧客が在庫を持たず不足分のみ発注する傾向が強まり、需要に素早く応える生産体制の構築が喫緊の経営課題となっていた。
  • プレスとタップ加工を順送型で行う独自の自動プレスラインを構築した。
  • タッピングドリル本数 4本→8本。プレス工程では試し打ちが不要となり、速度も従来に比べ大幅に向上した一方、従来どおりの精度を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社福島明工社
所在地福島県 須賀川市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工,精密加工
従業員数133人
資本金7,620万円
設立1969年

事業の背景

当社は配線器具メーカーである明工グループの唯一の製造部門で、昭和44年の設立以来、『明工ブランド』の確立を目指し品質にこだわった配線器具を生産している。OA機器市場は堅調に増加している一方、大手メーカーの海外生産による安価な大量生産製品と競合している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力OA機器市場が堅調に増加する中で顧客が在庫を持たず不足分のみ発注する傾向が強まり、需要に素早く応える生産体制の構築が喫緊の経営課題となっていた。
  • 納期・工程配線器具に組み込まれる端子部品はプレス工程の生産性が低く製品の納品が遅れ、需要への対応が遅れる原因となっていた。

やったこと

プレスとタップ加工を順送型で行う独自の自動プレスラインを構築した。タップ(めねじ成形)加工と異なる材質同士のカシメ(圧着)加工を部品成形の途中に取り入れ、人の手を介して多工程にわたっていた形状を1つのラインにまとめた。タップ加工とカシメ加工には穴位置を検出するファイバーセンサーを取り付けて位置ずれを監視し、プレス機械には部品排出検知と設備のひずみ量検知のセンサーを取り付けて、突発的なトラブル時に即座にライン停止する機能を追加した。従来の4軸4本のタッピングドリルを8本(最大12本まで)で同時にタッピングできるようにした。

加工機自動プレスライン(順送型によるプレス・タップ加工ライン)
検査測定ファイバーセンサー(穴位置検出)
検査測定部品排出検知・設備のひずみ量検知センサー

事業の効果

  • タッピングドリル本数 4本→8本
  • 生産量 100%→116%

プレス工程では試し打ちが不要となり、速度も従来に比べ大幅に向上した一方、従来どおりの精度を達成した。精度データの蓄積により技術ノウハウの見える化もできた。タップ工程は段取り時間が大幅に短縮され、リードタイムも短縮された。自動停止やセンサーにより、より安全に作業できる体制となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    段取り時間の大幅短縮やリードタイム短縮を課題とし、配線器具メーカー唯一の製造部門として生産体制強化を位置づけているが、過去取組との連続性は詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    OA機器市場の増加や顧客の在庫圧縮ニーズを踏まえ、海外大量生産品との競合に対し短納期・品質で差別化する方針が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    課題はプレス工程の生産性の悪さで、4軸4本から8本(最大12本)のタッピングにより生産量が従来比116%になったと数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産量従来比116%という数値目標と達成結果が示され、同時タッピング本数増加という実現手段も具体的に記載されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員133名の企業規模や一貫生産体制は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期対応や品質の高さという価値、OA機器関連の需要増は読み取れるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    自動プレスライン構築という手段と成果は記載されているが、スケジュールや中長期の課題検証の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    端子部品のプレス・タップ一貫ラインは独自と記載されているが、ジャンルの普及度や高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    OA機器市場の増加や国内競合との競争に触れるものの、国が補助する波及効果や雇用創出への言及はほぼ見られない。

  • 費用対効果4

    段取り時間の大幅短縮、生産量116%達成など効果は数字で示されており、費用対効果を一定程度うかがわせる。

  • イノベーションへの貢献3

    センサーによる監視やライン停止機能、精度データの蓄積による見える化は記載があるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    須賀川市を代表するメーカーとの記載はあるが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への言及は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

OA機器関連の配線器具等の需要増に対し、受注から出荷までのソリューションシステムの構築や生産スピードの向上、熟練工の技術ノウハウや設備状況をIoTでデジタル化した標準化データベースの整備に取り組み、技術を後世に継承することを目指す。多品種小ロット・短納期で安定した品質の製品を供給し、他社との差別化を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。