ものづくり補助金平成25年度製造業静岡県

光造形と真空注型の融合による超短納期な革新的開発試作品生産体制の構築

株式会社エムテック

成果積層ピッチ0.15mmにおいても、仕上げ加工時間は従来の約半分へ短縮

この事例のポイント

  • 光造形によるマスターモデルの作成を外注しており、外注先の生産状況によって自社の受注量やリードタイムが左右されていた。
  • 導入した光造形機を用い、室温・湿度を最適に維持する環境で光造形を内製化した。
  • 積層ピッチ0.15mmにおいても、仕上げ加工時間は従来の約半分へ短縮。CADによるデータ補正により、マスターモデルの寸法が製品公差内で造形できるようになり、成形への影響や修正加工がなくなっ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エムテック
所在地静岡県 浜松市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野立体造形
資本金1億円
設立1982年

事業の背景

同社は昭和57年に有限会社浜北樹脂研究所として創業し、輸送機器産業を中心に樹脂の切削・加工による開発試作支援を手掛けてきた。真空注型による成形技術を確立しており、試作品の高精度かつハイスピードな提供で顧客から厚い信頼を得ている。顧客市場では開発競争が激化し、自動車エアクリーナー等のプラスチック部品開発では、高精度を保ちながら多品種小ロット対応と短納期化が求められている。県内では光造形を含む生産プロセスを内製化している企業は少なく、内製化すれば同業他社への優位性を確保できる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力光造形によるマスターモデルの作成を外注しており、外注先の生産状況によって自社の受注量やリードタイムが左右されていた。
  • コスト・採算外注した光造形品の受け入れ検査にも時間とコストがかかっていた。
  • 人手・技能マスターモデルの自重により、真空注型時のシリコン型にマイナス方向の肉厚が出やすい箇所があり、仕上げ工程のサフェサー塗装による修復など後工程の手直しに工数と時間がかかっていた。
  • 品質・精度光造形では積層ピッチに比例した段差が生じ、後工程の仕上げ加工と寸法精度に影響していたため、短時間で細かな積層ピッチを保ち加工速度と精度を両立する必要があった。

やったこと

導入した光造形機を用い、室温・湿度を最適に維持する環境で光造形を内製化した。課題の一つ目であるマイナス肉厚への対策として、CADによるデータ補正を行い、マスターモデルの寸法を製品公差内で造形できるようにした。二つ目の課題である短時間・高精度の造形については、レーザー照射面が最適な位置となるようモデル設置をパターン化した。これにより積層ピッチ0.15mmでも造形時間を見込めるようにし、仕上げ加工時間を従来の約半分に短縮した。透明樹脂によるクリアモデルの造形も可能にした。

加工機光造形機

新しい製品・サービス:透明樹脂によるクリアモデル

事業の効果

  • 積層ピッチ0.15mmにおいても、仕上げ加工時間は従来の約半分へ短縮

CADによるデータ補正により、マスターモデルの寸法が製品公差内で造形できるようになり、成形への影響や修正加工がなくなったことで、生産プロセス全体の高効率化が可能になった。レーザー照射面に合わせたモデル設置のパターン化により短時間で高精度なモデル成形ができるようになった。光造形の内製化によりコスト低減とリードタイム短縮が実現し、顧客に果たせる役割が大きくなった。透明樹脂によるクリアモデルの製造で販路が拡大し、医療機器分野などからの受注も増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の樹脂切削・真空注型の技術蓄積を基に光造形の内製化に取り組んだと書かれるが、経営戦略上の位置付けは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車エアクリーナー等の開発競争激化を背景に、県内で光造形まで内製する企業は少ないと記され、強みと優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    光造形の外注依存による受注量・リードタイムへの影響という課題を認識し、内製化で解決を図ったことが具体的に書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    仕上げ加工時間が従来の約半分になったとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車部品や医療機器分野からの受注増加が書かれ、顧客ターゲットはうかがえるが、ニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    データ補正や造形のパターン化など課題解決の方法は書かれるが、スケジュールや中長期の検証内容は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    真空注型は大幅なイニシャルコスト削減と短納期化が可能と記されるが、高付加価値化・高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の基幹ものづくりとしての期待が述べられるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    仕上げ時間の半減など効率化は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    光造形の内製化とCADデータ補正による生産プロセスの高効率化が書かれ、サプライチェーンへの貢献がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    浜松のものづくりの街で開発設計を担う役割が書かれ、地域特性との関係がうかがえるが数値は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ものづくりの街・浜松にて、基礎となる開発設計に欠かせない同社の役割には大きな期待が寄せられている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。