ものづくり補助金平成28年度製造業愛知県

CAE解析を導入し超高張力鋼板の生産体制を構築する

株式会社エス・エヌ・ビー

成果リードタイム 44日→29日

この事例のポイント

  • 顧客ニーズの変化が早く、試作品の迅速な量産に向けてリードタイムの短縮が求められていた。
  • CAE解析ソフトウエアとハンディスキャナーを導入した。
  • リードタイム 44日→29日。CAE解析とハンディスキャナーの活用により、金型の修正回数が大幅に減り、製品データの出図から納入までのリードタイムを最…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エス・エヌ・ビー
所在地愛知県 知立市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野情報処理
従業員数140人
資本金1,000万円
設立1982年

事業の背景

エス・エヌ・ビーは大手自動車メーカーなどを取引先とし、自動車試作部品の設計から生産までを手がけている。試作品は量産前に品質などを確認するため、顧客ニーズの変化が早い中で迅速な量産に向けたリードタイム短縮が求められていた。自動車部品では燃費向上のための軽量化素材として超高張力鋼板の使用が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力顧客ニーズの変化が早く、試作品の迅速な量産に向けてリードタイムの短縮が求められていた。
  • 品質・精度超高張力鋼板(超ハイテン)は硬く加工後に戻る力が強いため、図面通りに加工することが難しい。
  • コスト・採算冷間プレスでは金型に割れや亀裂が発生し、熱間プレスはコストが高い。
  • 人手・技能金型をプレスして修正することを繰り返す回数が増え、リードタイムが早くならなかった。
  • 新製品・新技術鉄の部品では経験や勘で対応できていたが、ハイテンの登場で経験だけに頼れなくなった。
  • コスト・採算CAE(コンピューター利用解析)の導入コストが課題で、これまで簡単な解析は他社に依頼していたがうまくいかなかった。

やったこと

CAE解析ソフトウエアとハンディスキャナーを導入した。CAE解析により形状を数値化し、金型に割れや亀裂などが発生する状況を事前に予測できるようになった。ハンディスキャナーにより現場ですぐに金型などを測定し、結果をフィードバックできるようになった。これまで図面通りの形状の金型を一度作って割れが出れば修正していた作業が大幅に削減された。従業員はCAEメーカーによる実習を受け、顧客からも知恵を得ながら取り組んだ。

ソフトCAE解析ソフトウエア
検査測定ハンディスキャナー

事業の効果

  • リードタイム 44日→29日

CAE解析とハンディスキャナーの活用により、金型の修正回数が大幅に減り、製品データの出図から納入までのリードタイムを最大で15日短縮できるようになった。事前に割れや亀裂を予測できるため、試作と修正の繰り返しが減った。成果は平成29年後半頃から出てきた。さらにCAEの導入を契機に、機械稼働率の見える化や勤怠管理ソフトの自社開発などのDXにも取り組むようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車試作部品の設計から生産までを手がけ、樹脂部品でCAEを既に使っていた経緯から、ハイテン対応へ広げた流れは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客ニーズの変化が早く迅速な量産が求められるという外部環境と、CAE導入で強みを補う意図は読み取れるが、競争優位の数値的裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    金型の修正を繰り返しリードタイムが延びる課題を認識し、CAEで事前予測する解決策を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    従来44日かかっていた工程を29日までに短縮可能と、リードタイムの数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員がCAEメーカーの実習を受けたことはうかがえるが、体制や事務処理能力の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    超ハイテン試作部品の短納期対応という価値や顧客ニーズの変化は読み取れるが、ターゲット顧客の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    トライアンドエラーを経て平成29年後半に成果が出た経緯と、今後の多品種少量への展開が書かれている。

  • 財務と資金の調達2

    導入コスト面での課題があったと書かれるのみで、資金調達や財務状況の記述はない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超ハイテンの試作加工は難度が高いとされるが、普及度や高付加価値化の水準を示す数値は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    軽量化に寄与する素材として超ハイテンの使用が増えていると背景にあり、波及効果への言及はわずかである。

  • 費用対効果3

    リードタイムを10日以上短縮と効果は示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAE・3Dスキャン・センサーによる稼働見える化など、デジタル技術活用の取組は具体的に書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    電動化による車種細分化で多品種少量需要に対応する方向がうかがえるが、構造転換への言及は限定的。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

CAEの知見を生かし、現物を3次元スキャンして図面を作製するリバースエンジニアリングなど新事業に取り組む。自動車業界の電動化で車種が細分化されれば、試作部品で培ったものづくり力を生かせるとみている。

事業者の声

プレスして金型を直してというのを繰り返す数が増えた。これではリードタイムが早くならなかった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。