ものづくり補助金平成30年度製造業京都府

『カーボン3Dプリンター』導入による生産力の向上と、パッケージ改善による販売強化

株式会社カスノモーターサイクル

この事例のポイント

  • 乗車姿勢改善パーツは荷重がかかるため、アクリル樹脂製の試作品では実際に車両を走らせてポジションを確認できず、既存製品の生産を止めて工作機械でアルミを切削して試作品を作るしかなかった。
  • 平成30年度補正事業で、高耐熱・高強度の連続炭素繊維を立体成型できるカーボン3Dプリンターと真空成形機を導入した。
  • 自社でパッケージを製作できるようになり、多品種小ロットに対応した製品形状に合ったパッケージを内製化できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社カスノモーターサイクル
所在地京都府 京都市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野デザイン,精密加工,立体造形
従業員数24人
資本金2,000万円
設立1979年

事業の背景

昭和49年にロードレースの元全日本チャンピオンの当社代表が創業し、欧州製大型二輪車の正規ディーラーとしても販売を担っている。主要製品はAELLAブランドで欧州製大型二輪車用部品700種類を製作・販売している。平成25年から毎年海外展示会に出展し、海外市場でのPRに努めてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術乗車姿勢改善パーツは荷重がかかるため、アクリル樹脂製の試作品では実際に車両を走らせてポジションを確認できず、既存製品の生産を止めて工作機械でアルミを切削して試作品を作るしかなかった。
  • 納期・工程既存の3Dプリンターでは試作品の強度が不足し、試作期間が延びて納期を延ばす原因になっていた。
  • 販路・情報発信海外の販売店とバイク用品量販店からパッケージの改善を強く要望されていたが、エアキャップで包むだけの簡易的な梱包では見た目の訴求力とブランドイメージに問題があった。

やったこと

平成30年度補正事業で、高耐熱・高強度の連続炭素繊維を立体成型できるカーボン3Dプリンターと真空成形機を導入した。パッケージ製作では、3Dスキャナで製品形状をスキャンし、型データを3Dプリンターで造形し、高耐熱高強度グラスファイバーで型を作る。ペット樹脂などに熱を加えながら空気を抜いて型に密着させ、パッケージを成形して製品を梱包する。

加工機カーボン3Dプリンター
加工機真空成形機

新しい製品・サービス:高耐熱・高強度の試作品が作れる世界初のカーボン3Dプリンターによる試作・パッケージ製作

事業の効果

自社でパッケージを製作できるようになり、多品種小ロットに対応した製品形状に合ったパッケージを内製化できた。店頭で中身が見えて商品を固定・保護できるパッケージにより、ブランドイメージと店頭の訴求力が向上した。高強度の試作品を工作機械を専有せずに作れるため、試作と量産の工程分離に近づき、海外販売拡大に向けた生産能力が向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成26年度補正で3Dスキャナ・3Dプリンターを導入した経緯があり、今回の高強度3Dプリンター導入がその延長として位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外販売20カ国35店舗、2020年の海外販売伸長など市場動向と、海外展開を事業の第一の柱とする方針が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    ハンドル・ステップの試作期間延長が納期遅延の原因と課題化され、高強度試作と自社パッケージ内製で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、新製品開発期間の短縮などの定性的な効果のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    従業員24人の体制や工作機械の専有時間の縮小などは書かれているが、補助事業の遂行体制や事務処理面の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    AELLAのブランド、海外バイヤーや量販店からのパッケージ改善要望、店頭での視認性という顧客ニーズと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    試作と量産の分離に近づくなどの方向性はあるが、中長期の検証やスケジュールに関する記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    欧州製大型二輪車用パーツの高付加価値品を、700種類の多品種で手がけ、工芸品レベルの作り込みを目指す点が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域経済や雇用創出への言及は乏しく、京都の企業であることと海外販売の拡大が書かれている程度である。

  • 費用対効果3

    開発期間短縮や試作コスト削減の効果は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    カーボン3Dプリンターと真空成形機の導入は技術面の特色だが、サプライチェーンへの波及や新たなビジネスモデルの記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    京都市伏見区の企業であることはうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外販売を当社の事業の第一の柱として位置付け、強化していく。技術的にも高度で付加価値の高い製品の開発を目指す。

事業者の声

モーターサイクルを愛する人達により安全にライディングを楽しんでいただきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。