ものづくり補助金平成25年度製造業静岡県

高効率検査体制の構築による航空機部品の生産性向上及びコストダウンの実現

金子歯車工業株式会社

この事例のポイント

  • 航空機部品は検査工数が多く、製造コストが高くなっている。
  • 今回、非接触式三次元測定機を導入した。
  • 三次元測定機の導入により検査工程を短縮・圧縮することに成功し、専任技術者の熟練に頼らず誰でも測定できる体制になった。

事業者のプロフィール

事業者名金子歯車工業株式会社
所在地静岡県 富士市
業種金属製品製造業
技術分野測定計測
資本金7,800万円
設立1939年

事業の背景

当社は昭和14年(1939年)に富士市で創業し、昭和33年(1958年)に現在の社名に変更した。独自の歯切りシステムによるスパイラルベベルギアの製造を中心に、産業機械、自動車、航空・宇宙、産業用ロボットなど幅広い分野に歯車を納めている。航空機産業への参入を目指してJISQ9100を取得し、平成22年(2010年)には航空機部品の共同受注体に参画、平成28年(2016年)12月には協同組合SOLAEの発起人の一人として活動を始めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算航空機部品は検査工数が多く、製造コストが高くなっている。
  • 人手・技能製品の寸法・形状・表面粗さの測定には専任技術者の熟練技術が必要で、多くの工数がかかっている。
  • コスト・採算航空機ビジネスの国際競争に勝つには、品質だけでなくコスト競争力のある製品を作る必要がある。

やったこと

今回、非接触式三次元測定機を導入した。この機械は三次元測定(寸法、幾何公差、歯車の精密測定)と輪郭形状測定の機能を併せ持ち、一段取り(ワンチャック)ですべての測定項目を網羅できるため、従来の専用測定機を個別に使う場合と比べて検査工程を短縮・圧縮できる。従来は被測定物に直接触れて測定するため熟練技術が必要だったが、非接触式ではレーザ光照射でデータを取得し、取得データをパソコン操作だけで解析できるため、誰でも測定作業ができるようになった。

検査測定非接触式三次元測定機

事業の効果

三次元測定機の導入により検査工程を短縮・圧縮することに成功し、専任技術者の熟練に頼らず誰でも測定できる体制になった。検査工数の負荷が下がり、検査専任技術者2人の労働負荷も減った。製造コストが下がったことで、潜在的なマーケットの獲得に向けた利益が確保できるようになった。さらに、現在の受注金額を下回る価格で他社と競争できるようになり、受注拡大につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の歯車製造と航空機産業参入の経緯が書かれ、一貫性は読み取れるが経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    航空機産業への参入と共同受注体への参画が書かれ、強みの活用はうかがえるが市場動向や自社の強み・弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    航空機部品は検査工数が多く製造コスト高が課題と具体的に認識され、検査工数圧縮が解決策として示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    検査工程の短縮は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標数値は示されておらず、実現可能性の判断材料は少ない。

  • 事業を進める体制3

    専任技術者2人の負荷削減やJISQ9100取得、共同受注体での取組が書かれ、体制の一部は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    コスト競争力を持つ航空機部品の製造が必要とされ、他社との価格競争で受注拡大につながると書かれているが、顧客ターゲットは具体的でない。

  • 事業化までの道筋2

    導入から効果までの経緯は書かれるが、中長期の課題検証や実施スケジュールの詳細は記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    航空機部品の検査工程の効率化が中心で、同分野の高付加価値化・高価格化の度合いは示されていないが、航空機分野への参入は書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    航空機産業を成長分野として期待するとの記述はあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    検査専任技術者2人の負荷削減と検査工程の短縮が書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    非接触式三次元測定機とパソコンによる解析で誰でも測定できる仕組みが書かれ、デジタル技術の活用はうかがえるが地域や供給網への波及は不明。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空機産業を成長分野として期待すると記されており、成長分野への進出という点はうかがえるが構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    富士市での創業や浜松の共同受注体への参画が書かれるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。