ものづくり補助金平成25年度製造業静岡県

シリンダーチューブ生産ラインにおける革新的工程導入による高効率・高品質化

株式会社先生製作所

この事例のポイント

  • 職人が1本のパイプの仕上げに付きっきりで30分を要するため、1日の生産量が限られていた。
  • ものづくり補助金で縦型スカイブローラーマシンを導入した。
  • ホーニング加工時間が従来の工程に比べ半分程度に短縮され、生産ラインの飛躍的な効率化と高品質化が進んだ。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社先生製作所
所在地静岡県 焼津市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1963年

事業の背景

同社は油圧シリンダーや空圧シリンダーのチューブのボーリング・ホーニング加工を行い、アキュムレーターや緩衝装置用ダンパーなども主力製品としている。製品は自動車や建設機械など様々な産業分野で使われている。強みは祖父にあたる先代社長の時代から改良を重ねてきた自社製マシンと、長年のノウハウに基づく加工技術である。油圧機器の市場は大きく、今後も需要の高まりが予測されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力職人が1本のパイプの仕上げに付きっきりで30分を要するため、1日の生産量が限られていた。
  • 人手・技能30年以上のキャリアを持つベテラン社員が定年退職を迎え、仕上げを担う人材の確保が課題となっていた。
  • 品質・精度研磨時の摩擦で温度が上がり精度が下がるため、狙いの寸法との兼ね合いが難しかった。

やったこと

ものづくり補助金で縦型スカイブローラーマシンを導入した。このマシンはシリンダーチューブの内径を仕上がり寸法まで加工する機械で、従来の工法に新技術を取り入れている。当初予定していた素材では必要な加工精度に達しなかったため、素材の選定を見直し、加工条件を再検討して最適なものを見つけ出した。その結果、従来の工程に比べてホーニング加工時間を半分程度に短縮できた。人によるミスも減り、社員の作業ストレスも軽減された。

  • 加工機縦型スカイブローラーマシン

事業の効果

ホーニング加工時間が従来の工程に比べ半分程度に短縮され、生産ラインの飛躍的な効率化と高品質化が進んだ。人によるミスが減り、社員の作業ストレスも軽減された。シリンダー生産工程の効率化により今後の受注増にも対応できるようになり、生産原価の改善や利益率の向上も目指している。作業時間短縮で生まれた余力を新しい製品や技術への挑戦に活かせる状態になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    祖父の代からボーリング・ホーニング加工の機械開発を手掛け、改良を重ねた自社製マシンが強みと書かれ、一貫性は読み取れるが経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    薄肉パイプや特殊形状のボーリング加工に対応できる独自技術が強みとして示され、ホーニング加工時間を半分程度に短縮したと書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    職人が1本30分付きっきりで仕上げる課題と、ベテラン定年による人手不足を認識し、新設備で効率化を図る計画と書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    ホーニング加工時間を半分程度に短縮したと書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員7人の会社で、加工中の搬送や作業者の技能に改善の余地があると書かれ、体制面の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    シリンダーの受注増が見込まれ、油圧機器の市場拡大に対応すると書かれているが、顧客ターゲットの整理は具体的でない。

  • 事業化までの道筋3

    補助事業終了3年目を目処にラインの改善と量産体制の整備を計画していると書かれ、時期は示されているが手順は詳しくない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    薄肉パイプや特殊形状のボーリング加工など、同分野で高精度加工に強みがあると書かれているが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    油圧機器の市場は大きく需要が高まると予測されていると書かれ、雇用や波及効果への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    ホーニング加工時間を半分程度に短縮し、人によるミスも減ったと書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自社製マシンと新技術の導入によるイノベーションがうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    焼津市の地域企業であることは書かれているが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への言及は読み取れない。

今後の展望

補助事業終了3年目を目処に、ラインの改善と効率化を進めて量産体制を整え、新たな販売先の拡大を計画している。工場内のレイアウト変更にも取り組み、生産ラインの見直しを進めている。

事業者の声

作業時間が短縮できたことで生まれた余力を活用して、新しいことにチャレンジしたい。新しい製品を手がけることで、新しい技術や知識が身につく。世代交代の時期を迎えた今、若手を育てていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。