ものづくり補助金平成25年度製造業愛知県

次世代型処理(ジルコニュウム化成処理)導入による革新的な塗装前処理の開発

株式会社カワサキ

成果前処理工程数 2工程→1工程

この事例のポイント

  • 従来の化成処理剤(リン酸鉄、リン酸亜鉛)では前処理工程後に産業廃棄物が多く出ており、環境配慮の観点から削減が求められていた。
  • 平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業(ものづくり補助金)を活用し、化成処理にジルコニウムを使った前処理工程設備を導入した。
  • 前処理工程数 2工程→1工程。前処理工程が1工程削減され、エネルギーコストや水・薬剤の使用量、購入費用が低減した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社カワサキ
所在地愛知県 名古屋市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

カワサキは塗装専門会社で、自動車部品が約7割、ガス機器部品が約3割を占める。多品種少ロット生産や短納期対応を強みとし、試作品の依頼も多い。価格競争の激しい市場で戦うのではなく、ニッチ分野で勝負する経営戦略をとっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の化成処理剤(リン酸鉄、リン酸亜鉛)では前処理工程後に産業廃棄物が多く出ており、環境配慮の観点から削減が求められていた。
  • コスト・採算リン酸亜鉛による前処理は工程数が多く、エネルギーコストや水・薬剤の使用量、購入費用がかさんでいた。
  • 新製品・新技術アルミ素材など非鉄金属への塗装が今後の商機と見込まれるが、リン酸亜鉛では金属表面が処理変化しやすく対応が難しかった。

やったこと

平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業(ものづくり補助金)を活用し、化成処理にジルコニウムを使った前処理工程設備を導入した。シャワー式、ディップ式、ジルコニウム化成の3種類の前処理が可能となり、塗装も電着、溶剤、粉体から選べる体制を整えた。ジルコニウムと上塗り塗料の相性を数多く調整し、金属素材に対する薬液変化などのノウハウを蓄積した。金属と樹脂への塗装にも対応できるようになった。

その他ジルコニウム化成処理による前処理工程設備

新しい製品・サービス:ジルコニウム化成処理による革新的な塗装前処理

事業の効果

  • 前処理工程数 2工程→1工程
  • 産業廃棄物排出量 30トン/年→0トン/年

前処理工程が1工程削減され、エネルギーコストや水・薬剤の使用量、購入費用が低減した。産業廃棄物は年間30トン近くから現在まで0になっており、環境配慮の面で効果が出ている。多彩な塗装提案ができる体制が整ったことで、顧客の工場見学が増え、取引先から最新情報が提供されるなど良い循環も生まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    塗装専門会社として前処理から上塗りまで一貫して手がけ、ニッチ分野で勝負する経営戦略に沿って設備導入したと読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    リン酸亜鉛より密着性と工程数削減の強みを持つが、市場や競合の状況を具体的に示す記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    前処理工程を1工程削減し、エネルギーや薬剤費を減らした点で課題解決と効率化が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は書かれていないが、省コスト効果の記述から目標の方向性はうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    試行錯誤して薬液や塗料の調整ノウハウを蓄えたとあり、体制面の記述はあるが人材や事務処理の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車部品やガス機器部品の顧客、多品種少ロット対応、意匠性や素材対応など、顧客と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    顧客要望に応じて調整を繰り返したと書かれ、今後の展開は示されるが、スケジュールや検証方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ジルコニュウム化成処理を業界に先駆けて導入し、アルミ等の非鉄金属塗装という高付加価値分野を狙うと読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    アルミなど非鉄金属への塗装という新たな需要や他業種展開の可能性はうかがえるが、経済波及効果の具体的数字は薄い。

  • 費用対効果4

    産業廃棄物が年間30トン近くからほぼ0になり、エネルギーや薬剤費も削減したと具体的な数字で書かれている。

  • イノベーションへの貢献3

    環境配慮型の新技術で業界や取引先との情報循環を生んだとあるが、デジタル技術や業界イノベーションの記述は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車の軽量化に伴う非鉄金属への塗装需要を捉えた点から、成長分野への進出がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    愛知県名古屋市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

アルミ素材など非鉄金属や新素材への塗装を商機と捉え、他業種への展開も模索している。意匠性の高い需要も見込み、ニッチな分野や技術に積極的に投資して魅力的な技術開発に力を注ぐ考えだ。

事業者の声

ニッチ分野で勝負すること

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。