ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

精密洗浄の実現による次世代スマートフォン向け耐腐食耐磨耗用スクリューヘッドの生産プロセスの確立

日本ニューノーズル株式会社

成果仕上げ磨き工程の硬度のばらつき幅 300HV→100HV

この事例のポイント

  • スクリューヘッドの溝部に汚れが残り、既存の水系超音波洗浄では完全に除去できず、洗浄能力に限界があった。
  • 真空熱処理やイオン窒化の前にある洗浄工程の改善に取り組み、導入設備として「水系超音波洗浄システム」を当社オリジナル特別仕様で導入した。
  • 仕上げ磨き工程の硬度のばらつき幅 300HV→100HV。導入した洗浄システムにより、スクリューヘッド溝部の汚れがしっかり除去できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名日本ニューノーズル株式会社
所在地静岡県 静岡市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
資本金2,000万円
設立1949年

事業の背景

当社は昭和24年の設立以来、射出成形機業界の部品メーカーとして、精密機械部品の製造と真空熱処理・イオン窒化の内製を一貫して行ってきた。近年は次世代スマートフォン向け射出成形機のスクリューヘッドやノズルの部品製造に特化している。次世代スマートフォン向けの成形品は透明度や透過率が求められ、樹脂焼けなどの混入が許されないため、腐食や摩耗が少ない高品質なスクリューヘッドが必要とされている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度スクリューヘッドの溝部に汚れが残り、既存の水系超音波洗浄では完全に除去できず、洗浄能力に限界があった。
  • 品質・精度真空熱処理やイオン窒化の前に汚れが残ると、製品の硬度にばらつきが出て不安定になり、面粗さも悪化する傾向があった。
  • 生産能力イオン窒化後の仕上げ磨き工程に時間がかかり、形状修正の手間も生じていた。

やったこと

真空熱処理やイオン窒化の前にある洗浄工程の改善に取り組み、導入設備として「水系超音波洗浄システム」を当社オリジナル特別仕様で導入した。洗浄機は三層構造のすすぎをバブリング機能で行う方式とし、従来洗えなかった溝部の洗浄も可能にした。乾燥工程はエアーのターボ化と直線的な風路設計により、乾燥時間を2分短縮した。この改善により次世代スマートフォンの精密成形用「耐食耐摩耗用スクリューヘッド」の生産プロセスを確立した。

その他水系超音波洗浄システム(当社オリジナル特別仕様)

新しい製品・サービス:次世代スマートフォンの精密成形用「耐食耐摩耗用スクリューヘッド」の生産プロセス

事業の効果

  • 仕上げ磨き工程の硬度のばらつき幅 300HV→100HV
  • 仕上げ磨き作業時間1本あたり約12分(30%)削減
  • 乾燥工程の時間は2分の短縮

導入した洗浄システムにより、スクリューヘッド溝部の汚れがしっかり除去できるようになった。硬度のばらつきは大きく減り、面粗さも滑らかになった。仕上げ磨きの作業時間が短くなり、乾燥工程も短縮された。今後は透明度や透過率の高い製品を安定して成形でき、不良率の低減や高品質化・高性能化につながると見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    真空熱処理・イオン窒化を内製化し一貫加工を続けてきた歴史が書かれ、次世代スマホ向け部品に特化した方針が過去の取組と一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他の精密加工企業は熱処理を外部委託することが多いのに対し、内製化で一貫供給できる強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    洗浄不足による硬度バラつき(HV600〜900)が課題と明示され、水系超音波洗浄の改善で解決に取り組んだ流れが書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    仕上げ磨き作業が1本あたり約12分(30%)削減、硬度バラつきが1/3に減ったなど数値目標と結果が書かれている。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材、事務処理能力について書かれた記述は見当たらず、わずかに推測できる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    次世代スマホ用の透明成形品に使われる部品で、不良率低減や高品質化につながると用途と効果が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入した洗浄機の改善内容や乾燥時間2分短縮は書かれるが、中長期のスケジュールや遂行方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    透明成形品向けの高精度スクリューヘッドに特化し、硬度・面粗さの高水準化を図っている点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    次世代スマホ部品の国内供給や雇用創出への言及は見当たらず、波及効果はわずかにうかがえる程度である。

  • 費用対効果4

    作業時間12分削減や乾燥2分短縮など、設備投資に対する効率改善の数値が具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献3

    水系超音波洗浄への切り替えでサプライチェーンの環境配慮に触れるが、デジタル技術や新ビジネスモデルは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    成長分野の次世代スマホ市場に進出している点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    静岡での事業だが、地域の特性を活かした付加価値や地域経済への波及は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

採択されていなかったとしても、導入はしただろう。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。